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災害時に役立つ防災訓練

災害時に役立つ防災訓練

今年は異例の速さで梅雨明けし、猛暑や台風の発生もあり気象情報から目が離せません。火災や地震だけでなく大雨や洪水・台風で各地に毎年のように被害がでていることもあり、事業継続計画の必要性を改めて感じているという方も多いのではないでしょうか。災害時に事業を停止させない、または最低限の停止期間で事業を再開させるための計画である事業継続計画(BCP)ですが、その第一歩である事業継続力強化計画の申請に役立つ情報を今回も提供いたします。

【目次】

1.防災訓練はなぜ必要なのか

2.災害時に役立つ防災訓練とは

3. 今回のまとめ

 

防災訓練はなぜ必要なのか

火災や地震、水災などの自然災害発生時に的確な行動を行うためには、定期的な防災訓練を実施する必要があります。予期せぬ災害に見舞われた場合、従業員は混乱して臨機応変に動けないことが多く、事前に把握していることだけを行うという傾向があります。防災訓練は想定外の事態を減らし、事業継続力強化計画や事業継続計画(BCP)で策定した防災行動を的確に行えるように浸透させるという重要な役割を果たしているのです。防災訓練を定期的に実施している企業の中には、「防災訓練の実施」自体が目的になっているというケ-スも多いのではないでしょうか。毎回のように同じ内容を繰り返すだけの形骸化した防災訓練では、想定外の事態が発生した場合に対応できないばかりか被害を拡大させてしまう可能性があります。また同じ防災訓練を繰り返していると、「いつものことだから」「分かっていることだから」と何かしら理由をつけて、参加すらしなくなるという恐れもあります。無意味な防災訓練ではなく、被災したことを想定した防災訓練を実施することが重要です。

災害時に役立つ防災訓練とは

では実際にどのような訓練をすれば、被災した際に迷わず行動できるのでしょうか?

◆総合防災訓練◆

防災(消火)訓練には、「避難訓練」「消火訓練」「通報・伝達訓練」「応急救護訓練」などがありますが、それらを組み合わせて一連の流れを確認する訓練が「総合訓練」です。総合防災訓練を行う際は具体的な災害を想定し、事前に参加者全員で共有した上で実施することが重要です。

≪避難・通報・伝達・救護等命を守るための訓練≫

・避難

・点呼

・逃げ遅れ確認

・ケガ人搬送

・応急手当

・AED心肺蘇生

・119番通報

・火災点検

≪消火・応急救護等の初動対応訓練≫

・初期消火(消火器)訓練

・消火栓放水訓練

・瓦礫救出訓練

・車両乗せ込み同乗訓練

・三角巾訓練

・ラジオ情報収集訓練

・カーインバ-タ-通電訓練

・発電機の発電・通電訓練

消防訓練を社外で行う場合は事前にしっかりと計画し、消防署や周辺地域へ訓練を実施することを知らせておきましょう。また病院や劇場などの特定用途防火対象物で消防訓練を行う場合は、消防法によって防火管理者が管轄の消防署へ連絡することが義務付けられているため注意が必要です。防災訓練で定めた防災行動を実際に予行演習で試してみると、「対応が複雑でスムーズにいかなかった」「もっと効果的な防災行動があるはず」といった様々な意見が出る場合があります。そのような意見に基づいて防災行動を見直しし、次回の防災訓練に活かすとともに防災マニュアルや事業継続力強化計画、事業継続計画(BCP)の策定に役立てていきましょう。

◆机上訓練(事業継続力強化訓練)◆

災害(地震)を想定した机上訓練です。参加者を少人数のチームに分け、各チームで架空企業の幹部社員を想定して専用の動画を視聴し、「地震発生後の約3時間を疑似体験」します。参加者の実際の役職・担当部署にこだわらず、緊急時における各部門の責任者等になったつもりで指示や対応等について話し合い、速やかな決断をするためのトレーニングとなります。

この訓練の趣旨は、

・実際に災害(地震)が発生した時に何が起きるのかを経験する

・今何が起きているのか、どのような状況下にあるのかを把握し、今何をすればよいのかを判断し意思決定する

・実際の立場に関わらず、責任者として会社・従業員・関係者等をいかに守るかを考える

というものです。

通常の防災訓練とは全く異なる訓練ではありますが、臨場感ある疑似体験ができるだけでなく、具体的に何をすればよいのかをそれぞれの立場・役割で考えることができるため、机上とは思えない実践的な訓練になります。このような総合防災訓練や机上訓練は、防災対策や大規模災害発生後の対応についての現在のマニュアルや体制を見直すきっかけになります。事業継続力強化計画への取組みにもつながりますので、災害大国日本における本当に役に立つ防災訓練として採用を検討されてみてはいかがでしょうか。

今回のまとめ

今回のコラムで少しでも防災訓練のイメージが変わりましたでしょうか?先程ご紹介した「事業継続力強化訓練」ですが、ご要望を頂いた企業に無料で提供している保険会社がございます。またこのような防災訓練をきっかけに、防災対策や事業を継続する上で必要や資金繰りについても見直しが必要だと思われるかもしれません。建物や設備など資産の損害や災害時に減少した利益の補償は火災保険で備えることができます。事業継続力強化計画策定にもお役立ていただける企業の資産を守る火災保険、事業継続力強化訓練について気になる方はお近くの保険代理店までお気軽にお問合せください。

 

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