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労災事故を防止するため「ケアレスミス」に気を付ける

労災事故を防止するため「ケアレスミス」に気を付ける

熟練者による作業の自動化は、作業を円滑にすすめるうえでとても重要だと言えます。しかし、作業を形づくる一連のプロセスに注意を向けなくなる結果、思いもよらない災害につながることに留意することも必要です。今回は脳の動きとヒューマンエラーについて取り上げていきます。

【目次】

1.注意が向かないものはみえないものだと把握する

2.ケアレスミスの出現に気を付ける

3.今回のまとめ

 

注意が向かないものはみえないものだと把握する

不注意による労働災害とは、たとえば目の前で起きていることや存在しているものであっても、そこに注意が向けられなければ意識に上がらずそれが見えないということです。大手ハウスメーカー10数社で発生した労働災害のヒューマンエラー分析をすると、それぞれの労働災害の発生原因が、ヒューマンエラーの原因となる人間の12の特性のうちのどれに当てはまるかぶんせきしたところ、「不注意」による労働災害は「危険軽視」に次いで多く、この2つは合わせて6割余りを占めてとても多発していました。最近の死亡災害事例をみると、開口部があることを承知のうえでその横で作業をはじめ、作業に意識を傾けているうちに開口部の存在を忘れて墜落してしまうということもあります。また、ビル屋上の防水工事では、屋上の端から墜落する危険があることを目の当たりにしていますが、防水シート張り作業に没頭すれば、屋上の端に意識が向かなくなり、屋上からの墜落死亡災害が何件も発生しています。トラックの背後で運転手の死角で作業する作業員が、トラックがバックしてくることに気付かず、ひかれる死亡災害事例も数多く発生しています。これらは自らの作業に意識のほとんどを向けた結果(これを”集中”という)、墜落やはさまれなどの危険に意識を向けることが出来ず被災してしまっています。また、信号機、鉄骨、橋桁などの修繕をするために、高所作業車のボックスに乗り、その中で下を向きながらブーム操作をしていると、背後にある信号機などに意識が向けられなくなり、はさまれるような死亡災害も数多く発生しています。これも、ボックスの中でブームを操作すれば、ブームが右へ左へと動く間、車体の安定に注意を払わなければならず、自ずと車体を見ながらの下向きの操作となります。背後に意識が向けられず、信号機などの修繕作業というその存在を重々承知しているにもかかわらず、はさまれてしまうのです。このような死亡災害がとても多いということを十分に理解しなければなりません。※安全スタッフ記事参照

ケアレスミスの出現に気を付ける

行動するための脳の働きが自動化されれば経験不足によるミスは少なくなっていきます。しかし一方、自動化されそこに注意を向けなくなる結果、ミスを犯すことが出てきます。ケアレスミスがそのひとつです。身近な話ですと、例えば帰宅してドアのかぎを開けようとし、間違って電車の定期券を出すようなミスが当てはまります。また、エレベーターで友達との会話に夢中になっていると、途中の階でドアが開いたときに思わず降りてしまうようなことも挙げられます。これらは、その場面に遭遇したら、自動的にいつもの行動をとる。そのいつもの行動が、「ポケットに手を入れる」「エレベーターから降りる」までで、「ポケットに手をいれ、中のカギを取り出す」「ボタンを押した階でエレベーターから降りる」にまでなっていないと、このようなケアレスミスが生じてしまいます。降りる階のボタンを押して乗っているのは、ドアが開くのを待っている状態(トリガー状態とよばれています)であり、そのような状態では、途中の階のドアが開くと、思わずドアを降りようとしてしまうのです。

・熟練者に多い墜落災害の特徴とは

熟練者の作業は、無意識のうちに手先や身体が動き、いわば自動化されたプログラムのようです。この自動化されたプログラムはスキーマといわれ、熟練作業によるさまざまなエラーがあるとされています。熟練者に多い墜落災害には、低所からの墜落災害が挙げられます。ハシゴ、脚立、脚立足場の上での作業、トラック荷台上での作業は、30代と比べて熟練者が多い50代の墜落災害の発生割合が高いです。労働災害事例としては、以下のとおり降りるときの墜落が目立ちます。

【ハシゴ】

・二階から荷物を持って降りる際、ハシゴに足を掛けバランスを崩し墜落した。

【脚立】

・脚立の位置を変えるため、脚立から降りる際、下から2段目を踏み外して左足かかとを床に強打した。

【脚立足場】

・脚立足場上での作業を終え、そこから降りる際、踏みさんを踏み外して墜落し、勢いがつき近くの作業台に右脇腹を強打した。

【トラック荷台】

・トラック荷台の積み荷の上から降りようと、あおりの上に足を掛けようとしたところ、滑って足を踏み外し、荷台の内側に足をついたが、体重が荷台の外側にあったため、足をひねりながらトラック荷台外側に墜落した。

ハシゴ、脚立のほとんどは踏みさん幅が狭く、トラック荷台のあおりも幅が狭い為、地面や床など降りる場所に意識が向けられ、足元に意識が向けられないと、そこにうまく着地することができず墜落してしまうことが原因に挙げられます。

また、上記のような災害事故に備えて会社としては政府労災とともに労災の上乗せ保険などを用意しておくのも良いでしょう。

今回のまとめ

意識のちがいでおこる「ケアレスミス」をどう防いでいくか、注意力が散漫にならぬことが災害を防ぐ大きな要因になろうかと思います。損害保険の備えだけでなく、事例を参考にしながら従業員様の安全意識の教育などを行っていくと良いかもしれません。

 

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