お知らせ・コラム
労災事故が起きた際に保険代理店に報告する際に気を付けるべきポイントとは
業務に関する賠償保険や傷害保険、労災の上乗せ保険などは、ときに経営者の支えとなり、たとえ1年間事故がなかったとしてもそれはとても幸せなことであり、無事故を喜ぶべきです。損害保険の考え方のひとつに、損失を補填しもとの状態にもどす。といった考え方がありますが、まさにその通りで、もし万が一、現場などでおケガや労災事故が発生してしまった際には、従業員様や下請けの方の治療を優先し、はやく平常時の状態に戻す事を目標に計画を立てるべきです。今回は、そのもしもの場合に備えてご加入いただいている損害保険を使用する際、まずどのように報告したらスムーズに事が運ぶのかについて触れていきます。
【目次】
1.労災事故が起こったときに優先すべき事とは
2.労災の上乗せ保険(任意労災)や工事の賠償保険の事故報告のチェックポイントとは
3.今回のまとめ
労災事故が起こったときに優先すべき事とは
労災事故が現場で起きてしまった際に、経営者の皆様に報告があっても、まず何をしたらよいのか頭が真っ白になってしまう、、というケースが起きないように、いざというときに備え、事前に優先すべき事をまとめておくことが大事です。
なによりの優先事項は人命、治療です。おケガが起きてしまった際は、病院へ搬送、救急車の手配、二次災害が起きぬよう避難、まずはその方の治療を中心に優先させましょう。その後、おケガをされた方のご家族への連絡や、残った現場に対する指示だしなど、落ち着いて行動することが必要です。つまり、自動車事故のように相手があるような事故でなければ、保険会社への報告をいち早くするといった必要があるわけではありませんので、お手すきになられた際に保険代理店に一報入れていただければよいのです。
労災の上乗せ保険(任意労災)や工事の賠償保険の事故報告のチェックポイントとは
では次に、労災の上乗せ保険(任意労災)や賠償保険を使用するような事故が起きた時の事故報告のチェックポイントについて解説していきます。
【労災の上乗せ保険(任意労災)の事故報告ポイント】
誰がどんな状況でおケガをしてしまったのか?場所がどこで、どの病院に治療にかかれるのかなど、細かく状況を把握し報告いただくとスムーズです。主に報告する際の項目としては、、
主な事故報告の対象項目
・会社名
・今回の事故報告担当者
・上記担当者の連絡先
・負傷者氏名
・負傷者生年月日
・負傷者性別
・負傷者電話番号
・事故日時
・事故住所(工事現場名など)
・傷病名
・医療機関名
・治療費の種類?(健保、国保、労災、自由診療など)
・傷害状況(打撲、切り傷、捻挫、骨折など)
・入院の有無
・見込み治療期間
・警察への届出の有無(届出警察署、担当係官名、事故受付番号)
主な事故後の必要書類
・保険会社申請用書類一式
・治療の領収書(コピーなど)
・診断書
・在籍証明など
保険会社によっては、治療費の金額により診断書を省略できたりもしますので、担当代理店に確認してみてください。
【工事の賠償保険の事故報告ポイント】
賠償事故については、もともとどんな工事を請けていた際に、どのような状況で誰がだれのものを壊してしまったのか?これがポイントとなります。現場の損害写真なども撮っておく必要があります。また、万が一対人事故の場合は、上記の労災事故と同じように、お相手の方の治療が何よりも優先となります。
主な事故報告の対象項目
・会社名
・今回の事故報告担当者
・上記担当者の連絡先
・事故日時
・事故発生場所
・仕事の中身(施主名、元請会社名)
[対物の損害の場合]
・損害の発生した物
・所有者
・住所
・電話番号
・損害状況
・修理業者
・修理金額
・修理業者連絡先
[対人の損害の場合]
・負傷者氏名
・負傷者住所
・負傷者連絡先
・年齢・性別
・職業
・傷害の部位、程度
・病院名
・電話番号
・入院の有無
・相手側からの要望やどのような補償を申し出ているかなど
項目内の連絡先は出来る限り携帯番号をお聞きするのが好ましいです。
主な事故後の必要書類
・保険会社申請用書類一式
・請負契約書
・損害見積り書
・損害写真
・支払い証明(通帳の写し・振込票等)
・自社施行した場合は、完成後の写真など
以上の必要項目を見ていただくと分かるように割と多くの報告が必要となります。この項目すべてを円滑に報告するのに口頭ですと、とても苦労もいりますので、保険代理店によっては事故報告のFAX連絡票や入力フォームなどを設けている場合もございますので、確認してみましょう。
今回のまとめ
事故は起きないほうが良いという考えはもちろんですが、起きた際の保険の出口の部分をスマートに想像出来る状態にしておくことこそが、本当の備えに繋がると感じます。特に普段から事故が起きないように気を付けておられる企業様ですと、事故に慣れていないこともあり、万一の事態に対応が遅れてしまうケースもございます。
上述した報告内容を頭に入れながら、もれなく報告すること。また、困ったときに保険代理店などの担当者のお顔が思い浮かび、聞きやすい関係でいること、このことが業務を安心して行うための助けや安心になることでしょう。