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会社役員の責任と役員賠償(D&O)保険の必要性

会社役員の責任と役員賠償(D&O)保険の必要性

時代の変化に伴い様々な法律が制定・改正されている中、2021年にも多くの改正法が施行され、また施行が予定されております。

企業経営者の皆さまや法改正が業務に大きく影響する人事労務担当の皆さまが「知らなかった」では済まされない事態に陥らないために、あらためて確認していきたいと思います。

【目次】

1.会社法の改正(2021年3月施行)

2.取締役の義務

3.今回のまとめ

 

会社法の改正(2021年3月施行)

会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、株主総会の運営及び取締役の職務執行の一層の適正化等を図ることを目的として会社法の一部を改正する法律が2019年12月4日に成立し、同11日に公布、2021年3月に施行(株主総会資料の電子提供制度の創設等一部については2022年施行予定)されました。

改正の内容は以下のとおり多岐にわたります。

1.株主総会に関する規律の見直し

1)株主総会資料の電子提供制度の創設

2)株主提案書権の濫用的な行使を制限するための措置の整備

2.取締役等に関する規律の見直し

1)取締役の報酬に関する規律の見直し

2)補償及び役員等のために締結される保険契約に関する規定の整備

・会社補償(役員等がその職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われまたは責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用や、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における損失の全部または一部を株式会社が当該役員に対して補償すること)が適切に適用されるように、補償契約を締結するための手続きや補償の範囲等を明確にするなど会社補償に関する規定を新設

・役員等のために締結される役員賠償責任保険(D&O保険)が適切に運用されるように、契約の締結に必要な手続き等を明確にするなど、役員等のために締結される保険契約に関する規定を新設

3)社外取締役の活用等

3.その他の改正

1)社債の管理に関する規律の見直し

2)株式交付制度の創設

3)その他

・責任追及等の訴えに係る訴訟における和解

・新株予約権に関する登記における一部負担の軽減

・会社の支店所在地における登記の廃止

・成年被後見人等に係る取締役等の欠格条項の削除及びこれに伴う規律整備の実施

※法務省「会社法が改正されます」パンフレットより抜粋

 取締役の義務

上場会社・未上場会社に関わらず、取締役には様々な責任が付きまといます。ここでは取締役の義務について再確認したいと思います。

1.善管注意義務

日本における会社取締役に課される主要な義務として、まず挙げられるのが「善良なる管理者としての注意義務(善管注意義務)」です。

これは会社取締役の立場にある善良な管理者に通常期待される水準を満たした上で、その責務を果たすことを義務付けるもので、これを怠ると会社が被った損害について取締役としての個人責任が問われる可能性があります。

判例や通常のビジネス慣行上では一般に

・ビジネス判断を含め、自己の責任を果たすために必要な情報を熱心に収集し検討した

・収集・検討した情報に照らし、合理的な行動または判断がなされた

という条件を満たす場合に「善管注意義務を果たした」ものとみなされています。

2.監視・監督義務

善管注意義務に付随して、他の取締役等の行動を監督する義務も負っています。

他の取締役の行動が不適切であるとの申立てがあった場合には、会社法に基づき、会社の監査役に当該行動を報告する義務または当該行動について検討するため取締役会を招集する義務の認定を受け、これを怠った場合には責任を問われる可能性があります。

3.忠実義務

さらに、自分の会社に対する忠実義務も負っています。

忠実義務は、忠実にかつ適用のある法令・会社の基本規定・株主決議等に従い自己の責任を遂行する、というものです。

※自己または第三者の利益のため、自社の業務に関連する取引または会社を相手方とする取引を行う場合は取締役会(取締役会がない場合は株主)の承認を得る必要があります

今回のまとめ

これまでみてきたとおり、取締役・役員には様々な責任があり、その責任を問われ訴訟に発展する可能性があります。株主代表訴訟に関しては、80%以上が中小企業で起きているといわれています。

自身の経営判断ミスだけでなく、従業員による不正な取引や情報漏洩事故などの管理責任を問われ、株主から株主代表訴訟を起こされたり取引先等から役員個人が訴えられるケ-スや、親族間の訴訟、最近ではセクハラ・パワハラ・不当解雇を理由に従業員から役員個人を訴えるケ-スも増えています。

役員個人が訴えられた場合、訴状は会社ではなく自宅に届きます。また、役員の債務不履行責任の時効は10年のため、退任しても10年間は訴えられる可能性があるだけでなく、役員が死亡していた場合は原則相続人に責任が引き継がれてしまいます。

上場・未上場・企業規模に関わらず、すべての役員の皆さまに関係するリスクといえるのではないでしょうか。

役員が自ら法令等を遵守し、熱心な情報収集をするとともに、従業員の不正行為や違法行為などを未然に防止するための内部統制システムの構築といった取り組みを積極的に行うことなどが防御策となります。

その上で、役員の個人資産を守る「D&O保険」を活用することでリスクの移転を図ることも可能です。

D&O保険について詳しく知りたい、という方は是非お近くの保険代理店へご相談ください。

 

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