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貨物保険では補償されない?!運送業の賠償リスク

貨物保険では補償されない?!運送業の賠償リスク

時間外労働の上限規制である2024年問題が大きく取り上げられている運送業ですが、運送業務を行う上でのリスクは労働時間の管理だけではありません。今回は運送事業者のリスク対策として欠かすことのできない「貨物保険」で補償されないリスクと対策についての情報を提供いたします。運送業者の皆さまだけでなく、運送に関わるさまざまな業務を行っている事業者の皆さまにもご参考いただけましたら幸いです。

 

【目次】

1.運送業におけるリスク

2.貨物保険で補償されない事故とは

3 .  今回のまとめ

 

運送業におけるリスク

運送業には人を運ぶ「旅客自動車運送事業」と荷物を運ぶ「貨物自動車運送事業」がありますが、今回取り上げるのは「貨物自動車運送事業」のリスクです。運送業務には様々なリスクが存在します。交通事故や貨物の損害といった輸送におけるリスクから、フォークリフトの操作ミスによる第三者賠償事故や商品落下事故などの作業にまつわるリスク、火災や盗難といった保管中のリスクや地震や台風等による自然災害によるリスクに加えて、2024年問題と言われている長時間労働・従業員のケガといった労務管理リスクまで多岐にわたります。中でも運送業特有のリスクといえるのが「輸送リスク」と「作業リスク」です。運送中のトラック事故は相手側に大きな損害を与えてしまいますし、荷降ろし中には荷物を落下させ、壊してしまう可能性もあります。またフォークリフトの操作ミスにより商品を落としてしまったり、フォークリフトで取引先のシャッタ-を壊す、通行人に怪我をさせてしまう、という事故も発生します。倉庫を所有している場合は、火災により商品が全焼する、設備の故障により冷凍の食品に解凍損害が発生するなどの保管リスクにも対応しておく必要があります。実際、倉庫の火災件数は飲食店より多く発生しているという消防庁のデ-タもあります(令和2年)。※AIG損保「運送業のリスク・マップ」より

貨物保険で補償されない事故とは

運送事業者が取り扱う「貨物」の損害を補償する保険が「貨物賠償責任保険」であり、運送事業者にとって必要不可欠なリスク対策です。運送事業者の皆さまの殆んどは既に加入しているかと思いますが、貨物保険は万能ではない、ということをご存じでしょうか?貨物保険に加入していたのに保険金が支払われなかったという実際の事例をみてみましょう

事例1.商品を配送先である個人宅に持ち込んだ際に家具にぶつけてしまい、商品は無事だったものの家具が壊れてしまった

「貨物保険」は貨物=物の保険です。貨物の損害は補償されますが、第三者に対する対人・対物事故を補償する特約を付帯している、または別途賠償責任保険に加入していないと補償されないケースです。「貨物保険」の特約で補償されていても保険金額が少額で十分な補償がなされない場合があるため注意が必要です。特に対人事故では、民法改正により賠償金が高額化しています。最低でも1億円以上で設定しておくことをおすすめします。

事例2.フォ-クリフトの誤操作で取引先の車に激突し、修理が必要となった

事例①と同様に第三者に対する対人・対物事故を補償する特約を付帯している、または別途賠償責任保険に加入していないと補償されないケースです。この事例では、取引先の車が古く時価額は30万円でしたが、修理費用が50万円でした。たとえ実際の修理に50万円かかったとしても、お支払い額の上限は30万円となります。対物事故は時価額が限度額となりますので、上限はありますが時価額+αでお支払いできる賠償責任保険の特約で備えておくと安心です。

事例3.運送業と倉庫業を行っている企業が所有している倉庫AからBにフォークリフトで荷物を運び、倉庫Aに戻る途中で対人事故を起こしてしまった

 「貨物保険」に第三者に対する対人・対物事故を補償する特約を付帯していても補償されないケースです。「貨物保険」の特約は、運送契約に基づく業務中に発生した第三者に対する賠償責任を補償するものです。その為、受託貨物を取り扱っておらずフォークリフトを移動させているだけの時に発生した対人事故は「貨物保険」の対象外となってしまいます。このような事故に備えるためには「貨物保険」とは別に第三者に対する対人・対物事故を補償する賠償保険への加入が必要です。

 事例4.トラックで輸送中に地震が発生。車が横転して受託貨物が全壊した

台風や集中豪雨、地震などの自然災害で商品や貨物が損傷・滅失してしまうことは一般的に不可抗力であると考えられるため、運送を依頼された運送会社がその責任を負う必要はないとされています。

【国土交通省HP 標準貨物自動車運送約款】https://www.mlit.go.jp/common/001280957.pdf

貨物の賠償責任を負うことはありませんが、運賃の払い戻しは求められます。既に負担している燃料費や人件費だけでなく、全損した貨物の片付け費用や廃棄費用、荷主(元請運送人)への見舞費用等も発生します。「貨物保険」では自然災害による損害は補償されないため、このような費用についても備えておく必要があります。

今回のまとめ

事例のように「貨物保険」に加入していても補償されない事故は少なくありません。ご加入されている保険の補償内容を見直しし、必要な特約を付帯する、そして運送業務以外についても補償対象となる賠償責任保険にあわせて加入することも検討してみてはいかがでしょうか?また自然災害による貨物の損害が補償されることはありませんが、

払い戻した運賃等
見舞費用
残存物片付け費用・廃棄費用

といった自然災害において発生する費用を補償する「貨物保険」を取り扱っている保険会社もございます。気になる方はお近くの保険代理店までお気軽にお問い合わせください。

 

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