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4月より働き方改革スタート

4月より働き方改革スタート

今年4月より、建設業の働き方改革がスタートしました。主な改革の内容は、法規制による労働時間の制限であることは、こちらのコラムでも何度かご紹介させていただいてきたかと思います。長時間働くことは、過度の疲労により心も身体も蝕んでいきます。今回の改革の狙いについて、あらためて一緒に考えてみましょう。

【目次】

1.働き過ぎの見直し

2.業務効率化と残量ルールの徹底図る

3.今回のまとめ

 

働き過ぎの見直し

今年4月の改正は、働き過ぎを見直し、心と身体を健やかにして、日々快適に過ごせるような職場環境を整えることが狙いです。建設業は、国土強靭化、インフラ整備、住宅建設、維持、修繕等、我が国の重要な役割を担っています。しかし他の産業に比べて慢性的な長時間労働が見受けられます。一方建設業は働く人の高齢化が進展し、人手不足が深刻な状況です。働き方を見直し、魅力のある産業にしていかなければいけません。こうしたなか、今年4月から建設業の働き方改革が始まりました。積極的に推進して働き方を見直したいところです。

では具体的にはどうすればよいのでしょうか。働き方改革は、主に法規制による労働時間の制限です。

残業時間の上限規制

※残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間(月45時間は、1日あたり2時間程度の残業に残業に相当)。臨時的に特別の事情がある場合でも

◆年720時間以内

◆複数月平均80時間以内(休日労働含む)

◆月100時間(休日労働を含む)を超えることができない

◆原則、月45時間を超えることができるのは、年6か月まで

※ただし災害復旧、復興の場合、複数月平均80時間、月100時間未満は適用しない

月60時間超の残業は、大企業、中小企業ともに割増賃金率引き上げ

※25%→50%に引き上げる。

年5日の年次有給休暇の取得を企業に義務付け
労働時間の状況を客観的に把握するように企業に義務付け

※例えば、自宅から現場までの通勤は労働時間には含まれないが、自宅を出て事務所に立ち寄ってから現場に行く場合、事務所から現場は労働時間に含まれる。

勤務時間インターバル制度の導入を促す

※勤務時間インターバル制度とは、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に一定時間以上(例:11時間)の休息時間を確保し、働く人の十分な生活時間や睡眠時間を確保すること。

業務効率化と残業ルールの徹底図る

【A社の元請け現場担当者の取組み事例】

建設現場の働き方改革への取組みはすでに進展しており、今後さらにICT活用やDX化により発展していくでしょう。以下例としてある中小建設業者のA社の働き方改革の取り組み事例を紹介します。

業務効率化と生産性向上

・終業時間内における業務効率化→ムリ・ムダ・ムラの排除(ただし手抜きは厳禁)

・事務所での作業時間の確保(現場に出っ放しにならないように、時間配分を調整する)

・一部業務の外注化 → 事務負担の軽減

・事務作業量の削減 → 派遣職員など有期雇用の活用

・ICT活用→本社で効果的なICTツールの試行、検証を行い、よいものは採用

残業、休日出勤ルールの徹底

・残業は当日朝までに事前申請。現場所長の承認を得なければ残業は認められない。残業の事後申請は禁止。

・申請では、残業理由を明確にする。忙しいから、業務だから、残務処理などは理由にならない。

・平日残業は1日2時間以内。

・休日出勤は原則禁止。特段の理由がある場合のみ(ただし現場所長の承認が必要)。

・月の残業時間は原則45時間以内、45時間超えは年6回まで。年720時間以内厳守。

・複数月平均80時間以内(休日出勤を含む)。

いかがでしたでしょうか。中小企業でありながら、A社の新法令順守への意識は高く、特に残業、休日出勤に関してはかなり厳しい制限を設けているようです。現場で実際うまく実現されているのかという課題はありますが、中小企業の働き方改革は、特に思い切った方策とその実現が必要だと感じます。

今回のまとめ

4月から建設業界においても働き方改革関連法が適用され、他の産業と同様に時間外労働の罰則付き上限規制がスタートしています。特別条項付き36協定を締結した場合においても、明確な上限が設定された点に注意しなくてはなりません。建設業に携わる企業が働き方改革を実現するためには、長時間労働の是正や公正な人事評価制度の確立、労働環境の見直しなど、さまざまな課題を乗り越える必要があります。また、業種別の怪我や労働災害においても、建設業は常にトップです。労災事故が起こった際に、従業員の怪我や病気に備える補償の準備はありますか?もし労働者が死傷し、遺族から多額の損害賠償請求訴訟をおこされたらどうしますか?保険商品の中には労災の上乗せとしてこのような事態に備えられる補償もあります。ぜひそれらも取り入れながら新しい時代に即した労働環境の構築に取り組んでみてください。

 

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