お知らせ・コラム
高額化する賠償責任リスクには損害保険で備えるのが安心です
もし万が一、貴社の従業員に労災事故が起こり、貴社に使用者賠償責任が発生した場合、損害賠償金がどれくらいの額になるかご存知でしょうか?結果から申しますと、場合によっては数千万または1億越えの金額まで膨れ上がることもあり得ます。今回は具体的な事例をもとに経営者に突然ふりかかる賠償責任リスクについて取り上げていきます。
【目次】
1.具体的な事例をもとにした使用者賠償や労働紛争の和解の金額のご紹介
2.企業で備える労災の上乗せ保険の使用者賠償責任補償特約や雇用慣行賠償責任特約とは
3.今回のまとめ
具体的な事例をもとにした使用者賠償の和解の金額のご紹介
ひとたび労災事故が起きると高額化しやすい使用者賠償ですが、具体的な事例をご紹介します。
[具体例1]
運送会社A社の従業員B(40歳)は、運送業務中に急性心筋梗塞により死亡。Bの死亡は、恒常的な長時間労働に起因する過労死であるとして、遺族がA社に損害賠償を求め提訴。結果、遺族が主張したA社の安全配慮義務違反(使用者責任)が認められ、A社は遺族に対し、損害賠償金として8900万円を支払った。
※事例について、保険金のお支払いをお約束するものではありません。実際の有無責は約款および特約の内容に従います。
労災死亡事故において使用者賠償責任が発生した場合の賠償金額の目安を確認しましょう
賠償金額(内訳)=①逸失利益+②慰謝料+③葬儀費用
①逸失利益(ライプニッツ式生命価値早見表による逸失利益)
②慰謝料 2800万円※
③葬儀費用 150万円※
※日弁連交通事故相談センター東京支部発行「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 2020年版」より
年収と年齢にもよりますが、1億を超えることも多くありそうです。
万が一、貴社に労災死亡事故が起きた場合、このような高額な賠償金をお支払いできますでしょうか?また、高額な賠償金は決して死亡事故に限った話ではありません。
[具体例2]
運送会社C社の従業員Dが、運送業務中に居眠りによる単独事故により、片足切断の重傷を負い、下肢に後遺障害が残った。Dは、居眠り運転は長時間労働が原因であり、C社に安全配慮義務違反による債務不履行責任があったとして、損害賠償を請求。最終的に、提訴から2年3か月後に1億2000万円で和解が成立した。
※事例について、保険金のお支払いをお約束するものではありません。実際の有無責は約款および特約の内容に従います。
このようなケースだと金銭面の問題だけではなく、解決にも長期間を要する場合もあり、企業側の責任者にかかる精神的なプレッシャーも非常に大きくなります。
また、次の事例のような雇用トラブルも起きています。
[具体例3]
製造業を営むA社では、営業を担当していた従業員Bに協調性がなく、自分勝手な行動で他の従業員からも問題視されていた。業務にも支障をきたしていたため、A社は従業員Bを解雇処分とした。その後、Bは解雇は行き過ぎた不当な処分だとして、その無効を求めて労働紛争解決制度に斡旋を依頼した。A社は弁護士に相談、解決までにかかる時間も考慮し、最終的に和解金を支払った。※事例について、保険金のお支払いをお約束するものではありません。実際の有無責は約款および特約の内容に従います。
いかがでしたでしょうか?問題視されているような従業員を解雇した場合もその後のトラブルの可能性を考えていくと経営者としては非常に悩ましい問題となるかと思います。またこのような労働相談の件数はとても多く頻繁に起きています。
愛知県の平成31年4月1日~令和2年3月31日までの総合労働相談件数は95599件となっています。※厚生労働省「令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況」参照
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000643973.pdf
また、相談内容別件数でいくと、
第一位 いじめ・嫌がらせ
第二位 自己都合退職
第三位 解雇
となっており、悩みはつきません。いじめ・嫌がらせに関する民事上の個別労働紛争の相談件数が8年連続トップとなっています。
企業で備える労災の上乗せ保険の使用者賠償責任補償特約や雇用慣行賠償責任特約とは
上述であげた賠償リスクへの備えとして、損害保険を充実させることは経営の安定の手助けとなってくれるはずです。
使用者賠償責任に対する備え→使用者賠償責任補償特約
労務トラブル・雇用トラブルに対する備え→雇用慣行賠償責任特約
万一の労災事故に対する、従業員・遺族への補償(福利厚生の充実)→労災の上乗せ保険
保険会社により異なりますが、労災の上乗せ保険の特約により、使用者賠償と雇用慣行賠償の両方をお守りできる特約として付けることが出来るものもあります。
特に近年雇用慣行賠償に関わるトラブルは発生頻度も増えており、お金の心配にとどまらず、まずはどのように対応するのが正解なのか判断に困る局面もあると存じます。そのような際にも保険会社の無料サポートで労務のホットラインなる窓口が用意出来たりと、最近の労災の上乗せ保険は経営者の強い味方となってくれますので、付帯サービスの確認もお忘れなくご検討されると良いでしょう。
今回のまとめ
1億越えの賠償金額を負担しなければならなくなった場合、多くの企業が倒産に追い込まれたり、過去の内部留保を一気に失うこととなりかねません。起こりうるリスクへはきちんと損害保険をご準備すること、そして根本的には労災や労務のトラブルが起きぬよう普段からの心がけを責任者やトップの皆様がしていくことで、思わぬ事態を避けることができると感じます。
賠償保険や労災の上乗せ保険のご相談は、株式会社保険ポイントへお任せください。弊社リスクコンサルタントがわかりやすく丁寧にご案内いたします。
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