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カスタマ-ハラスメント対策は進んでいますか?

カスタマ-ハラスメント対策は進んでいますか?

令和4年4月1日より労働施策総合推進法に基づく「パワ-ハラスメント防止措置」が義務化されたこともあり、既にパワハラ対策に取り組んでいるという方も多いのではないでしょうか?厚生労働大臣が定める「パワ-ハラスメントの防止に関する指針」では、パワ-ハラスメントに加えて顧客等からの著しい迷惑行為、いわゆる「カスタマ-ハラスメント」についても記載されています。今回はカスタマ-ハラスメント対策について今一度確認したいと思います。さらなる体制強化につなげていただけましたら幸いです。

【目次】

1. カスタマ-ハラスメントとは

2.対策と注意点

3.今回のまとめ

 

カスタマ-ハラスメントとは

カスタマ-ハラスメントとは、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレ-ム・言動の要求の内容の妥当性に照らして当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により労働者の就業環境が害されるもの」とされています。

※令和3年厚生労働省委託事業カスタマ-ハラスメント対策企業マニュアル作成事業検討委員会資料より

厚生労働省が令和2年度に行った調査では、全国の企業・団体に勤務する20~64歳の男女労働者のうち、過去3年間に勤務先で顧客等から著しい迷惑行為を一度以上経験した者の割合は15%で、バワハラの31.3%に次いで高くなっています。

受けた行為の内容は「長時間の拘束や同じ内容を繰り返す過度のクレーム」が52%と最も多く、「名誉棄損・侮辱・ひどい暴言」が46.9%と続いています。

本来、顧客等からのクレ-ム・苦情は、商品・サービスや接客態度・システム等に対して不平・不満を訴えるもので、それ自体が問題とは言えず、業務改善や新たな商品・サービス開発につながるものです。

企業や業界により顧客・取引先への対応方法・基準が異なり明確に定義づけられないものの、

顧客等の要求の内容が妥当性を欠く場合として

・企業の提供する商品・サ-ビスに瑕疵・過失が認められない場合

・要求の内容が、企業の提供する商品・サービスの内容と関係がない場合

要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動として

・身体的な攻撃(暴行・傷害)

・精神的な攻撃(脅迫・中傷・名誉棄損・侮辱・暴言)

・土下座の要求

・継続的・執拗な言動

・拘束的(不退去・居座り・監禁)な行動

・性的な言動

要求内容の妥当性に照らして不相当とされる場合があるものとして

・商品交換の要求

・金銭保証の要求

等については、カスタマ-ハラスメントであると考えられます。

業種や業態・企業文化等によりカスタマ-ハラスメントの判断基準が異なる可能性があるため、自社のカスタマ-ハラスメントの判断基準を明確にし、企業内で考え方や対応方針を統一した上で共有することが重要です。

【顧客等の要求内容に妥当性はあるか】

「顧客等の主張について、まず事実関係・因果関係を確認し、自社に過失がないか、根拠のある要求がなされているかを確認してその主張が妥当かどうかを判断する」

顧客が購入した商品に瑕疵がある場合に謝罪とともに商品の交換・返金に応じることは妥当ですが、商品の瑕疵などがなければ顧客の要求に正当な理由がないと考えられます。

【要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして妥当か】

「要求内容の妥当性の確認と併せて、その要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲であるかを確認する」

長時間に及ぶクレ-ムは、業務の遂行に支障が生じるという点から社会通念上相当性を欠く場合が多いと考えられます。要求に妥当性がある場合であっても、その言動が暴力的・威圧的・継続的・拘束的・差別的・性的である場合は社会通念上不相応であると考えられ、カスタマ-ハラスメントに該当し得ます。

また妥当性がないと考えられる場合でも、企業が顧客の要求を拒否した際に、すぐにその要求を取り下げた等の場合は従業員の就業環境を害されたと言えず、カスタマ-ハラスメントには該当しない可能性があります。

殴る・蹴るといった暴力行為は直ちにカスタマ-ハラスメントに該当すると同時に、犯罪行為に該当し得ます。

カスタマ-ハラスメントに該当するかどうかに関わらず、顧客等の言動により、従業員の就業環境が不快なものとなり、就業に支障が生じるようであれば企業として従業員からの相談に応じる、複数名で対応する等の措置が必要です。

※令和3年厚生労働省委託事業カスタマ-ハラスメント対策企業マニュアル作成事業検討委員会資料より

対策と注意点

◆企業のカスタマ-ハラスメント基本対策

カスタマ-ハラスメントを想定した事前準備として

・事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知徹底

・従業員(被害者)のための相談対応体制の整備

・対応方法、手順の策定

・社内対応ルールの従業員への教育・研修

カスタマ-ハラスメントが実際に起こった際の対応として

・事実関係の正確な確認と事案への対応

・従業員への配慮の措置

・再発防止のための取組み

を行い、併せて

・相談者のプライバシ-を保護するために必要な措置を講じて従業員に周知する

・相談したこと等を理由に不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定めて従業員に周知するといった対策を講じましょう。

◆カスタマ-ハラスメントに発展させないための対策

【ステップ1】

対象を明確にし、限定的に謝罪する

【ステップ2】

状況を正確に把握する

【ステップ3】

現場監督者(一次相談対応者)または相談窓口に情報を共有する

現場対応者による初期対応においては、まずは誠意ある対応をしつつ、状況を正確に把握し、事実確認をする必要があります。ただし、顧客等から暴力行為やセクハラ行為を受けた場合は、すぐに現場監督者に相談する等事案を引き継ぎ、一人で対応しないようにすることが重要です。現場対応・電話でのクレーム対応のどちらにおいても上記の事項に留意し、まずは顧客等の主張を傾聴することが求められます。現場対応の場合は、不要なトラブルを避けるために初期対応の時点で複数名による対応も有効です。

今回のまとめ

雇用に関するトラブルは年々増加しています。ハラスメントや不当解雇などのトラブルが発生すると、事実確認や訴訟対応等で業務が止まってしまうだけでなく、高額な賠償金を請求される可能性があります。またカスタマ-ハラスメントにより、従業員がメンタル不調等で体調を崩し、労災トラブルに発展する可能性もあります。トラブルを起こさないことが一番ではありますが、万が一雇用トラブルが起こってしまった場合の備えとして損害保険をご活用いただく、という方法もございます。ケガや病気を伴わない雇用に関するトラブルにおける争訟費用や損害賠償金だけでなく、トラブルに発展する前に専門家に電話で相談できるサービスや弁護士への事前相談費用を補償している保険会社もございます。気になる方はお近くの保険代理店までお気軽にご相談くださいませ。

 

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