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塗装業者が加入すべき損害保険とは?【賠償保険と労災の上乗せ保険をピックアップ】
車を運転する際に、民間の自動車保険に入っていない。。なんて方は少ないですよね。なぜなら自動車を運転する際には特に対人対物などの事故を起こしてしまうリスクがあり、それに伴う保険をかけて金銭面でのお守りを備えておくことはもはや必須ともいえます。これと同じように、建設業でリフォームや改修工事、あらゆる設備工事をおこなう業者にも必要な保険が存在します。今回はそんな中でも、塗装工事業に携わる業者さまむけに必要だと考える損害保険とはなにか。について取り上げます。先に簡単に答えを申しあげますと、必要な損害保険とは、賠償保険と労災の上乗せ保険となります。これらについて、なぜ必要なのか、また、どのような事故が起こっているのかについて解説していきます。
【目次】
1.外壁塗装において必要な損害保険。賠償保険と労災の上乗せ保険とは
2.塗装工事業で実際に起きている労災事故をピックアップ
3.塗装工事業の賠償保険の入り方のアドバイス
4.今回のまとめ
外壁塗装において必要な損害保険。賠償保険と労災の上乗せ保険とは
外壁の塗装などに関わる塗装工事業に関わる業者さまの必要となる損害保険は大きく分けると2つあります。それは、賠償保険と労災の上乗せ保険です。この二つを解説していきます。
塗装工事業の賠償保険とは
賠償保険とは正式には、「請負業者賠償責任保険」など、各保険会社によって名称はことなりますが、施工をした業者が業務に関わることで賠償する責任を負った場合に、その損害に対して備える保険のことをさします。外壁塗装の損害については、特に塗料が飛散してしまったりして、塗装工事中に事故が起こることも多く、業者が賠償責任を負担するケースがほとんどです。請負業務の遂行や請負業務をおこなうために、所有、使用、管理している施設が原因となる損害に対応する保険です。
・工事中の足場からの落下事故がおこり通行人をケガさせてしまった。
・外壁の塗装を施工している際、隣の家の壁に目立つ色の塗料が付いてしまった。
・塗装工事の際に窓ガラスを割ってしまった。フェンスを壊してしまった。
・塗料飛散により、まわりに駐車している高級車に塗料がつき、板金修理が必要となった。
などなど。塗装工事においては想像するととてもリスクも大きい業種だといえますので損害保険(損害賠償保険)で備えておくことは重要だと言えます。
塗装工事業の労災の上乗せ保険とは
業務災害総合保険のことを労災の上乗せ保険と呼んだり任意労災と表現することがありますが、同じ保険のことをさします。上記で紹介しました賠償保険は業者から見て、他人や他物に損害を与えた場合に発動する保険です。反対に、労災の上乗せ保険は、身内サイドにケガや業務上疾病が合った場合の保険です。
『2つの保険の棲み分けを理解しよう!』
賠償保険=他物、他人に損害を与えた場合の保険
労災の上乗せ保険=身内サイドのケガや業務上疾病の保険(社長、役員、従業員、アルバイト・パート、下請けなど)
労災の上乗せ保険では、事業主である社長だけでなく、その従業員さんや一緒に作業をおこなうための下請けに至るまで、無記名無告知で加入できるのが特徴となります。現場では業務中のケガが起こりやすく、特に塗装工事においては、足場などの高所作業でおこなうことも想定されるため、万が一のケガが起きた際には重大事故にもなりかねません。もちろん強制保険である政府労災は基本的に治療費や4日目以降の休業補償など労働者を守るための基本的な補償は得られますが、慰謝料やお見舞金としては足りないのが現実です。特に外せないのは、使用者賠償保険という特約です。万が一のケガがおきて、その方のご家族や親御さんから弁護士をとおして、会社が訴えられてしまったら、、または下請けの作業が原因のケガで安心していた場合も、建設業では元請け責任といい、下請けや孫請けの責任を連帯責任と捉えられるケースもありますので、そんなときに金銭面での悩みを抱えることが無いよう備えておきたいものです。
塗装工事業で実際に起きている労災事故をピックアップ
では、実際におきている塗装工事業における労災事故を紹介していきます。
【小学校の体育館の屋根塗装工事で労災事故発生】
平成28年3月、塗装業者Oは静岡県浜松市中区の小学校の体育館屋根塗装工事を請け負った。労働者は作業床から墜落しないよう手すり等の設備を設置しなければならないにもかかわらずそれを怠り、墜落事故が発生。地上から高さ約8メートルの場所で古い塗装を電動グラインダーを使用して剥がす作業をしていた際に墜落。両足の踵、骨盤、腰椎、左手などを骨折し、半年以上休業する労働災害が発生した。
【個人住宅の外壁塗装工事現場での死亡労災事故】
令和元年10月、兵庫県宝塚市の個人住宅の外壁塗装工事現場で、地上から高さ2.3メートルある外壁に設置した丸太抱き足場の水平材上で塗装作業を行わせる際、作業床がある足場をもうけるなどの対策を講じておらず、労働者が墜落し死亡労災となる。個人事業であるN塗装店は労働安全衛生法第21条違反の容疑で神戸地検に書類送検された。
※労働新聞社記事参照
上にあげた2つの事故について、どちらも講じるべき対策をしていなかったことによるものだと感じます。悲しい労災事故が起きてしまう前に、出来る対策を行って未然に労災をふせぎましょう。
塗装工事業の賠償保険の入り方のアドバイス
では次にお問い合わせの多い塗装工事業の賠償保険について、保険代理店目線から賠償保険の入り方についてアドバイスさせていただきます。
・業種の確認をすべきです
実際に塗装工事のみ100%おこなっているよ、という場合はわかりやすいかもしれませんが、建設業には28業種あり、他の事業を行っている可能性もありますよね。おこなっている事業について詳しく担当にお話することで、適切にリスクを判断し、適切な保険料を算出してもらえます。業態を把握してもらうことは、事故が起きた時の際の安心感にもつながるはずです。
・保険金額や免責金額の設定は慎重に
保険金額とは、簡単にいうとMaxでいくらまでの補償に設定するかということ。もちろん保険金額を低く設定すれば、保険料は一般的に安くなります。しかしながら本当にその金額で足りるのかどうか、吟味が必要となります。対物賠償のことだけを想定するのなら、金額は低くてもまかなえるかもしれませんが、対人賠償ともなるとひとたび1億近くの心配もでてきます。また、免責の金額も話し合いが必要です。実際に保険を使用する際に免責金額がある場合は免責金額を差し引いての保険金お支払いとなるので、せっかく損害保険に加入していてもいざというときに自己負担分が生じることとなります。これも含めて保険担当者と保険を設計してもらうのがおすすめです。
・業務の遂行中だけでよいのか、それとも生産物賠償も必要なのか
施工をおこなっている最中の賠償事故だけをお守りすればよいのか、それとも引き渡し後に起こる事故についても必要なのかどうか、それによって保険の料金も変わってきます。大切なのは事故が起きた時に、これは保険にはいっているから大丈夫、これは対象外となっているから自己負担となってしまうかな。など、起こりうる事故に対してのイメージが把握できているかどうかです。保険に加入する際に気を付けたいのは、あれもこれも、、と多く心配をしすぎて保険料過多となってしまう場合もあります。本業に影響するほどの保険に入るのはおすすめできません。本当に必要な部分を!本当に必要な特約だけを!しっかりと選びましょう。
建設業は28業種にさまざま分かれています。こちらのまとめ記事もぜひご覧ください>【保険代理店”目線”のまとめ記事】28種類もある建設業の種類について「建設業許可」で分類される各業種を徹底解説!
わかりづらい建設業の損害保険はこちらの記事できっと解決するはずです>【まとめ記事】これを見れば「建設業」で”今”必要となる保険がわかります!!”約10年”の実績をもつ名古屋の損害保険代理店が徹底解説
今回のまとめ
塗装工事業において、損害保険は業務を行ううえで必須とも言えます。損害保険には大きく分けて、賠償保険と労災の上乗せ保険があります。保険に加入する際には気を付けるべきこともたくさんあります。事業の成長、会社の規模、にあった形で入らなければ逆にはいりすぎた保険料によって経営を圧迫することだってあるかもしれません。また逆に何も入っていない場合、万が一の大きな事故により、ひとたび倒産の危機が訪れることもあるかもしれません。ほどよく適切に、必要な保険を選ぶための努力をおしまず、保険担当者と御社の業務の実態を把握してもらいつつ体制を整えていただくことをおすすめします。
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