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会社で5台以上自動車を所有されている企業様へ「安全運転管理者制度をご存知ですか?」

会社で5台以上自動車を所有されている企業様へ「安全運転管理者制度をご存知ですか?」

国の経済発展に伴い、自動車は産業・経済・文化の発展に大きく寄与し、今やなくてはならない交通手段の1つとなっている反面、交通事故による人の死傷や排ガスなどの交通公害といった社会問題をもたらしました。そのような状況の中、昭和40年6月に道路交通法の一部が改訂され誕生したのが「安全運転管理者制度」です。

知らずに法律に違反していた、とならない為に制度について今一度復習しておきましょう。

【目次】

1.安全運転管理者制度とは

2.安全運転管理者の選任・届出・義務

3.安全運転管理者の業務内容

4.今回のまとめ

 

安全運転管理者制度とは

◆安全運転管理者制度とは

自動車の使用者(事業主等)が、一定台数以上の自家用自動車を使用する場合に自動車の安全運転と運行に必要な指導や管理業務を行わせるため、安全運転管理者とそれを補助する副安全運転管理者を選任して、事業所等における安全運転管理の責任の明確化と交通事故防止体制の確立を図ることを目的とした制度です。

◆主な資格要件(道路交通法施行規則第9条の9台項および第2項)

安全運転管理者は、ベテラン運転者として他の運転者に対しアドバイスを与えるだけでなく、労務管理や人事管理も含む総合的な立場から管理能力を発揮できる人を選任する必要があります。

安全運転管理者のおもな資格要件

1.年齢20歳以上の者(副安全運転管理者を選任している場合は30歳以上の者)

2.自動車の運転の管理に関して2年以上の実務経験を有する者

3.過去2年以内に酒酔い運転・無免許運転・ひき逃げなどの違反がない者

副安全管理者(安全運転管理者の補助業務)のおもな資格要件

1.年齢20歳以上の者

2.自動車の運転の管理に関して1年以上の実務経験を有する者または3年以上の運転経験を有する者

3.過去2年以内に酒酔い運転・無免許運転・ひき逃げなどの違反がない者

安全運転管理者の選任・届出・義務

◆安全運転管理者の選任・届出

自動車を5台以上所有する、または乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している事業所(会社・お店等)ごとに安全運転管理者を選任し、選任した日から15日以内に自動車使用の本拠地を管轄する公安委員会へ警察署を経由して届け出なければなりません。

※罰則(5万円以下の罰金)あり

◆自動車の台数と安全運転管理者・副安全運転管理者数

◆安全運転管理者の義務(道路交通法75条)

(1)無免許運転を下命または容認しないこと。

(2)最高速度制限違反運転を下命または容認しないこと。

(3)酒気帯び(酒酔い)運転を下命または容認しないこと。

(4)過労運転を下命または容認しないこと。

(5)特定大型車の無資格運転を下命または容認しないこと。

(6)積載制限違反となる運転を下命または容認しないこと。

(7)放置行為を下命または容認しないこと。

安全運転管理者の業務内容

安全運転管理者の業務内容の要点は、概ね次のとおりです。

◆運行管理

1.運行計画の予定審査および調査

2.運行計画に基づく運行の割り当て

3.運行日報、タコグラフの点検と活用

4.異常気象時の措置

5.危険物運送の危険防止措置

6.道路状況、交通事情の把握

◆労務管理

1.運転者の勤務時間、運転時間の管理

2.健康診断の実施と運転者の配置

3.勤務環境の整備改善

4.良好な人間関係の保持

5.生活態度の指導

6.運転適性検査の実施

◆車両管理

1.運行前点検、運行後点検 の実施

2.車両台帳の作成

3.車両整備状況の把握

4.鍵の保管と使用規制

5.洗車の実施

6.整備管理者との連絡

◆交通事故防止等の分析と防止対策

1.事故発生状況の把握

2.事故原因の究明

3.事故防止対策の樹立

4.表彰、懲戒の実施

5.事故防止委員会の開催

6.事故多発傾向者の措置

7.安全運転心得の作成

今回のまとめ

既に5台以上の社有車を所有し、安全運転管理者を選任している事業者の皆さまはもちろん、新たに社有車の購入をされた、または購入を検討されている事業者の皆さまにおかれましては、企業のリスク対策のひとつとして「安全運転管理者制度」を積極的に活用されることをお勧めいたします。

起きてしまった自動車事故によるドライバ-の死傷や車両に対する補償、第三者への賠償責任などは「自動車保険」で補償することができますが、事故による風評被害や訴訟等によって企業のブランドイメ-ジ低下や業績に悪影響を及ぼすことも考えられます。

【社有車管理諸規定】として「安全運転管理者に関する規定」「車両管理規定」「運転者服務規程」「賞罰規定」等の作成・見直しをすることで事業者の皆さまだけでなく、従業員の皆さま、地域の人々の安全・安心にもつながります。

保険会社や代理店によっては、安全運転講習をはじめ、諸規定に関するアドバイスやさまざまなツ-ルを使ったリスクコンサルティングを行っております。

自動車保険の補償内容や保険料の見直しだけでなく、事故を起こさないための体制作りに関してもぜひ相談されてみてはいかがでしょうか?

 

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