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【労災あれこれQ&A】こんな時はどうすべき?『労災の具体的事例について』
これまでに様々な労務災害の事例についてコラムでも取り上げてきました。今回はその中から具体的な事例をご紹介して、より労災について身近に考えていきたいと思います。「ひとり親方の特別加入ではどんな時に給付金が出るの?」「職場からの一時帰宅中に事故にあって負傷した場合は通勤災害になるの?」「セクハラが労災として認められるにはどういう要件を満たす必要があるの?」などなど、皆様の経営する会社でも直面するかもしれない事例をとりあげてみました。ぜひ一緒に考えてみてください。
【目次】
1.こんな時どうなる?労災あれこれQ&A
2.「頼ってください!」保険代理店がお手伝いできることはたくさんあります
3.今回のまとめ
こんな時どうなる?労災あれこれQ&A
【Q:質問】
同業者からの勧めもあって、中小企業主である私も労災保険に特別加入しました。私の仕事は経営全般、現場での作業など労働時間はあってないようなものですが、いざ被災した場合どのように給付の判断をされるのでしょうか。
【A:回答】
特別加入者の業務災害および通勤災害の認定は、厚生労働省労働基準局長の定める基準によって行います。特別加入者の業務災害の範囲を確定することは通常難しいので認定を行う際には、特別加入の申請時に記載された業務または作業内容を基礎として、厚生労働省労働基準局長が定める基準に従って行われることになります。したがって、申請書の業務内容欄は労災保険給付の対象となるか否かを判断するうえで重要な項目ですので、具体的かつ明確に記載するようにしましょう。
【Q:質問】
昼休み中、帰宅して昼食をとり午後の就業のために再出社する社員が何人かいます。再出社途中の負傷については通勤災害とみなされるのでしょうか。また昼休み、社外の飲食店で食事をして会社に戻るその行き帰りの間に被災した場合はどうでしょうか。
【A:回答】
通勤災害が労災保険の対象となるためには、「労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除く」という通勤の要件が定められています。昼休みにいったん帰宅し、昼食をすませて再出社する場合は、その往復行為に就業との関連性が認められますので「通勤災害」として認定され得ることになります。しかし、昼休みに社外の食堂や喫茶店などで会社の外に出た場合は、まったく個人的な行為とみなされるため「通勤災害」とは認められません。さらに会社の外に出たことで事業主の支配監督下にもありませんので「業務災害」にも該当しないので注意が必要です。
【Q:質問】
社内でセクハラ事件があったようで、被害者から精神科の診断書が提出されました。現在内部調査中ですが、同時に労災認定を求められました。労基署に所定の手続きを行う予定ですが、ハラスメントによる被害が労災と認定されるにはどのような要件が必要になるのでしょうか。
【A:回答】
発病した精神障害が、業務上として労災認定できるかを判断するために、厚生労働省では「心理的負荷による精神障害の認定基準」を定めています。セクハラについては当該被災時において、以下の3つの精神障害の要件を満たす場合、業務上労災として認められます。
1.認定基準の対象となる精神障害を発病している。
2.精神障害の発病前おおむね6か月間に「業務による強い心理負担」が認められる
3.業務以外の心理的負担や個体側要因により精神障害を発病したとは認められない
心理的負荷については「強」「中」「弱」の3段階で総合評価します。セクシャルハラスメント行為が継続して行われた、もしくは会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった、会社に相談した後に人間関係が悪化した場合などに、認定要件である「業務による強い心理負担」があったと判断されます。事後の会社対応で心理的負荷の強度が変わる点には留意が必要でしょう。
【Q:質問】
当社は建設業ですが、業務上の死亡災害の発生により書類送検された際のリスクにどういったものがあるかを考えています。労災には事業主に事故の責任がある場合、かかった保険給付の費用を徴収する制度がありますが送検となれば当然に費用徴収の対象と考えるべきでしょうか。
【A:回答】
事業主の故意または重大な過失による事故について労災給付を行った場合、国はかかった費用を事業主から徴収することがあります。たとえば、法令に危害防止のための措置が規定されているにもかかわらず、当該事業主が「明白に違反したため」事故を発生させた場合です。費用徴収が行われるのは原則として死亡災害及び重大災害に限るとしています。しかし送検事例のすべてが対象になるものではありません。
ポイントは「何ら災害防止措置を講じていなかった場合」が対象で、「不十分であっても事故の防止に寄与しうる一定の措置を講じていた」と認められる場合は、費用徴収の対象外としています。
『頼ってください!』保険代理店がお手伝いできることはたくさんあります。
私たち保険代理店では、企業を経営される皆様が抱えるリスクについて、お役に立てることがたくさんあります。事例としてとりあげたようなリスクに関しては以下のような対策をご提案できます。
【労働災害に対して】
労災の上乗せ保険として、労災事故に対する給付金はもちろん、各種見舞金をはじめ、医療ダイヤルなど充実した付帯サービスで会社の皆様をお守りします。また損害賠償責任を追及された時の賠償金や弁護士費用を補償することができます。
【雇用リスクに対して】
長時間労働による過労死や自殺、セクハラやパワハラなどで会社側だけではなく、役員個人が訴えられることも少なくありません。会社として適切な対応をしなければ、風評被害や人材の流出により会社に大きなダメージを与えます。雇用リスクに対応する保険では、事前の弁護士への相談や、訴えられた際の賠償金に備えることができます。
今回のまとめ
いかがでしたでしょうか。ここに挙げた事例は企業が抱えるリスクのほんの一例にすぎません。時代と共にリスクも変化し、また新たなリスクも生み出されてきます。それに伴い会社の取るべき対応も複雑化し、経営者様個人や会社の資金力だけでは対応が難しい部分も増えてきました。皆様の企業経営を盤石なものにするためにも、リスクへの備えは必要です。ご心配なことがあれば、ぜひ一度お近くの代理店などでご相談ください。
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