お知らせ・コラム
自動車事故による要介護状態は補償されない?!
介護保険制度は、高齢化や核家族化の進行、介護離職問題などを背景に、介護を社会全体で支えることを目的として2000年に創設されました。厚生労働省のサイトによると、現在約674万人の方が要介護(要支援)認定を受け、介護を必要とする高齢者を支える制度として定着しています。介護保険制度は老後の不安の原因である介護を社会全体で支えるための制度であるため、要介護状態となった全ての人が恩恵を受けられる訳ではありません。今回は64歳以下の皆さまに知っておいていただきたい、介護状態の補償についての情報を提供いたします。
【目次】
1.介護保険制度とは
2.要介護状態になる原因は老化だけではない!?
3 . 今回のまとめ
介護保険制度とは
介護保険制度は、介護や支援が必要な方(要介護者・要支援者)に、介護や介護予防でかかる費用の一部を給付する制度です。介護保険の給付を受けるには、市区町村の担当窓口(地域包括支援センター)に申請が必要です。
≪介護保険の加入者(被保険者)≫
介護保険の被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられます。第1号被保険者は65 歳以上の方が対象ですが、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の健保組合、全国健康保険協会、国保などの医療保険加入者が対象で、40歳になれば自動的に資格を取得し、65歳になるときに自動的に第1号被保険者に切り替わります。第1号被保険者は、原因を問わずに要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスを受けることができますが、第2号被保険者は、加齢に伴う疾病(特定疾病※)が原因で要介護(要支援)認定を受けたときに介護サービスを受けることができます。
※特定疾病は以下のとおりです
①がん(医師が一般に認められている知見にもとづき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
②関節リウマチ
③筋萎縮性側索硬化症
④後縦靱帯骨化症
⑤骨折を伴う骨粗鬆症
⑥初老期における認知症
⑦進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
⑧脊髄小脳変性症
⑨脊柱管狭窄症
⑩早老症
⑪多系統萎縮症
⑫糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
⑬脳血管疾患
⑭閉塞性動脈硬化症
⑮慢性閉塞性肺疾患
⑯両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
≪保険料の徴収方法≫
第1号被保険者と第2号被保険者では、保険料の徴収方法も異なります。第1号被保険者については市町村と特別区が徴収します。原則、年金からの天引きで65 歳になった月から徴収が開始されます。第2号被保険者は、健康保険に加入している場合は健康保険の保険料と一体的に徴収され(原則、被保険者と事業主で1/2ずつ負担)、国民健康保険に加入している場合は国民健康保険の保険料と一体的に徴収されます。
≪介護サ-ビスの種類≫
利用できる主な介護サ-ビスには、
◇自宅で利用するサービス
訪問介護・訪問看護・福祉用具貸与
◇日帰りで施設等を利用するサービス
通所介護(デイサ-ビス)・通所リハビリテ-ション(デイケア)
◇宿泊するサービス
短期入所生活保護(ショートステイ)
◇居住系サービス
特定施設入居者生活保護
◇施設系サービス
特別養護老人ホ-ム・介護老人保健施設
◇小規模多機能型居宅介護
◇定期巡回・臨時対応型訪問介護看護
などがあります。
※厚生労働省サイト「介護保険制度について」より
要介護状態になる原因は老化だけではない!?
公的介護保険制度は、40~64 歳の方は加齢にともなう特定疾病で要介護状態になった場合にのみ介護サービスが受けられます。当然自動車事故で要介護状態になった場合は、公的介護保険制度の介護サービスは受けられません。公的介護保険に加入されていない40歳未満の方も同様です。自動車事故に限らず、老化による特定疾病以外で介護状態になった場合も対象外となります。そのため、公的介護保険制度と同等以上の備えをご自身で手当てしておく必要があるのです。
『交通事故で重度後遺障害となり介護が必要になった』
『自転車の事故で重度後遺障害になり介護が必要になった』
このように事故により後遺障害を被った場合、社会生活への復帰が重要なカギとなります。車いすの取得や、自宅に車いす用のスロープの設置などの福祉機器の取得といった費用負担が発生することになります。
今回のまとめ
40~64 歳の方が交通事故などの加齢にともなう特定疾病以外で要介護状態になった場合、40歳未満の方が不慮の事故により要介護状態になった場合の備えとして「損害保険を活用する」という方法がございます。「傷害保険(けがの保険)」には、ケガにより重度の後遺障害が生じて介護が必要な状態であると医師の診断された場合、介護期間中の年金が支払われるという特約を付帯できるものがあります。また自動車保険の中には、人身傷害保険で補償の対象となる事故により所定の要介護状態となった場合に保険金が支払われる「介護費用特約」や「福祉機器等取得費用特約」といった特約を付帯することで要介護状態に備えることが出来るものもあります。少ない負担でいざという時に備えることが出来るため、65歳未満の方や65歳未満のご家族がいる方にお勧めです。ご興味がある方はお近くの保険代理店へ相談してみてはいかがでしょうか?
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