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賃貸経営の皆様へ「あなたの賃貸住宅は何歳ですか?」

賃貸経営の皆様へ「あなたの賃貸住宅は何歳ですか?」

建物も年をとれば、それに応じた適切なメンテナンスが必要です。例えばRC造の外壁は一般的には12年目くらいに補修・塗装工事が必要といわれており、2000年代前半に建てられた住宅は今まさにそのタイミングを迎えています。放っておくと人が住めない状態にもなりかねません。メンテナンスには当然費用もかかります。賃貸経営の皆様の安定のためにも大規模修繕に備え長期的な計画をつくり取り組んでいきましょう。今回はガイドブックをもとに修繕資金を保険で備える方法もあるという事を知っていただきたく取り上げてまいります。※国土交通省住宅局住宅総合整備課賃貸住宅対策室「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック参照」

【目次】

1.建物も人の身体と一緒でメンテナンスが必要です

2.資金の積み立ての方法のひとつに「保険」も

3.今回のまとめ

 

建物も人の身体と一緒でメンテナンスが必要です

建物も人の身体と一緒で、新築時はよくても、年をとれば色々と不具合が出てきます。私たちが健康診断や人間ドックを受けたり、何かあればお医者さんに行くように、建物にも適切なメンテナンスが欠かせません。

適切にメンテナンスしないとこんな不具合が起きるかもしれません

・屋根 → 塗装や防水処理の劣化によって、漏水や雨漏りが発生

・外壁 → ひび割れやタイルが浮いて、外観の劣化とともに、雨水が建物内部に浸水

・手すり → 錆や腐食によって、美観が損なわれるだけでなく、損壊・崩落の危険性が増大

・給排水管 → 傷みや詰まりによって、水道水の濁りや室内に排水が逆流

・給湯器・エアコン → 故障しがちになって、入居者からのクレームが続出

不具合はいつごろから発生するのか

建て方や資材、立地等にもよりますが、主な部位について一般的に修繕を行う目安は以下のとおりです。

・屋根 →  塗装・補修→11~15年目   防水・葦替→21~25年目

・外壁 →  塗装→11~18年目   タイル張り補修→12~18年目

・給湯器・エアコン →  交換→11~15年目

・階段・廊下 → 鉄部塗装→4~10年目  塗装・防水→11~18年目

・給排水管 → 高圧洗浄→5年目 取替→30年目

※修繕を行う目安については、国土交通省住宅局市街地建築家マンション政策室「長期修繕計画作成ガイドライン」(2008年)、(公財)日本賃貸住宅管理協会「賃貸住宅版長期修繕計画案マニュアル(改訂版)」(2014年)、国土交通省住宅局住宅総合整備課「公営住宅等長寿命化計画策定指針(改定)」(2016年)参考にしております。

修繕しないと、負のスパイラルに

一般的に築年数が経つと、外観の劣化などにより、周辺の新築物件等と比べた競争力は低下してしまいます。これを放置しておくと、家賃収入にも響いてくることでしょう。そうなるといよいよ大規模な修繕が必要というときに、費用を確保することもできず、一層の老朽化が進みさらなる競争力の低下に、、負のスパイラルに陥ってしまい人が住めない状態にもなりかねません。

資金の積み立ての方法のひとつに「保険」も

所有している大切な賃貸住宅が負のスパイラルに陥らない為の計画修繕をしていきましょう。

準備をしましょう

まずは、建物各部位(屋根、外壁、階段・廊下、給排水管等)や外構などについて、それぞれどのようなタイミングで点検や修繕を行い、どの程度の費用が必要となるか把握することが重要です。賃貸住宅を建てるときの建設会社からの提案に、これらの情報が含まれている場合もあります。専門知識が必要な情報ですので、施工業者等に確認するのも良いでしょう。室内の設備(給湯器、浴室、キッチン等)についても、メーカーに確認等をして、交換する周期や費用の目安を把握しておきましょう。なお、これらの設備はライフスタイルの変化や入居者のニーズを踏まえ、交換時にグレードアップをすることも考えられます。こうした準備のために、「点検チェックシート」や「長期修繕計画」を作成することもお勧めします。

点検をしましょう

実際の修繕を効果的に実施するタイミングを判断するためにはこまめな点検が大切です。日常的な清掃とあわせて行う点検や、1年に1回など定期的に行う点検により、不具合のある箇所を発見しましょう。早めに見つかれば部分的な修繕による対応が可能なので、将来的なコストを抑える効果も期待できます。また、台風や地震などの後には、破損個所等が無いかを確認する臨時点検も実施すると良いでしょう。なお、入居者の安全を確保するために各種法令で義務づけられている点検等(法定点検)もあるので注意しましょう。

修繕をしましょう

点検等で不具合のある箇所を発見したり、長期修繕計画による修繕時期が近付いたら劣化診断や精密な検査を行いましょう。その結果をもとに、具体的な修繕内容を設計し、工事費用の見積もりを取って、修繕工事を実施しましょう。

次の修繕に備えましょう

修繕は一度だけでは終わりません。工事の終了は次の修繕に向けた出発点です。次の修繕では前回行った実施状況(図面や現場写真等)が大変役に立ちますので資料を整備・保管し、記録を残しておきましょう。また、修繕の際にかかる金額を普段から備えておくのに生命保険を活用する方法もございます。貯蓄の中からお金を取り崩して修繕にまわすのか、積み立てた保険からまわすのか、という選択の幅が広がる方法ですのでぜひ検討なさってみてください。

今回のまとめ

適切なメンテナンスのために日頃から行っておくべき大切なことは建物の点検等だけではありません。修繕を実施していない賃貸人の多くは「資金的余裕が無い」ことを理由として挙げています。お金を無理なく積み立てるため、生命保険を活用するということやはたまた積立額が不足しそうであれば、金融機関等からの融資が可能かどうか早めに相談することも必要なことです。

 

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