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自転車の交通取締り強化に備える

自転車の交通取締り強化に備える

2022年10月31日より、警視庁は東京都内において自転車の交通取り締まりを強化し、悪質な違反には刑事罰の対象となる「赤切符」を積極的に交付して刑事事件として処理する運用を始めました。日常生活だけでなく、通勤や業務で自転車を使用しているという方も多いと思います。改めて自転車を使用する際の注意点を確認し、事故防止にお役立てください。

【目次】

1. 自転車安全利用五則と罰則

2.前科がつくとどうなるのか?

3. 今回のまとめ

 

自転車安全利用五則と罰則

「赤切符」とは、「交通切符告知票」のことで複写式の書類の1枚目が赤いことから一般的に「赤切符」と呼ばれています。赤切符が交付されると、所定の「交通違反点数」を引かれるだけでなく、反則金の代わりに刑事裁判(略式裁判)による「罰金刑」が科されます。前科がつくというだけでなく、違反の内容によっては懲役刑になる可能性があります。愛知県警のホームペ-ジによると、愛知県内における交通事故死者数のうち、自転車乗車中の交通事故による死者は毎年2割弱を占めており、信号無視や一時不停止など、自転車利用者の法令違反による死亡事故も起きています。自転車は、道路交通法上は「軽車両」ですので、交通ル-ルを守らなければなりません。

≪自転車安全利用五則≫

1.自転車は、車道が原則、歩道は例外

2.車道は左側を通行

3.歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行

4.安全ルールを守る

・飲酒運転・二人乗り・並進の禁止

・夜間はライトを点灯

・交差点での信号遵守と一時停止・安全確認

5.子どもはヘルメットを着用

自転車乗車中の交通事故による死者のうち、25歳~64歳は約2割、65歳以上が約7割を占めていること、自転車乗車中の交通事故で亡くなった方の主な負傷部位のうち、約6割が頭部であることからも、年齢に限らずヘルメットの着用が必要だと言えます。

また、

・スマートフォン・携帯電話を使いながらの運転

・傘さし運転

・イヤホンやヘッドホンを使用し、大音量で音楽などを聴きながらの運転

といった「ながら運転」も禁止されています。警視庁は、これまで罰則をともなわない「警告」にとどめていたケースでも「信号無視」「一時不停止」「右側通行」「徐行せずに歩道を通行」の4項目のうち、悪質な違反に対して刑事罰の対象となる「赤切符」交付していますが、都内だけでなく愛知県内でも赤切符は交付されています。

≪自転車の主な違反の罰則≫

【2万円以下の罰金・科料】

・二人乗り

・並進走行

【3ヶ月以下の懲役・5万円以下の罰金】

・信号無視

・一時不停止

・右側通行

【5万円以下の罰金】

・夜間の無点灯

・傘さし運転

・携帯電話

・大音量のイヤホン等

反則行為の種類と反則金額は以下の通りとなっています。

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/torishimari/tetsuzuki/hansoku.html

※警視庁HP「反則行為の種別及び反則金一覧表」

前科がつくとどうなるのか?

「前科」とは刑事裁判で有罪判決が確定することですが、「執行猶予つき判決」や「略式罰金の判決」が出た場合も前科になります。前科がついた場合、事件記録が検察庁や裁判所に保管されるため、前科がついたという事実が消えることはありません。赤切符が交付され「前科」がつくことにより、どのような影響があるのかみてみましょう。

≪前科がつくことによるデメリット≫

【履歴書への記入が必要となる】

履歴書に賞罰欄がある場合は前科の内容を書かないと不実記載となるため、賞罰欄のある履歴書を求められた場合は前科を記載しなければなりません。

【解雇・懲戒対象となる可能性がある】

「就業規則」により、減給などの懲罰対象となるだけでなく、解雇対象となる場合もあります。

【資格の欠格事由となる場合がある】

罰金以上の刑で取消となる可能性のある資格の中には、医師や看護師、教員などの公的なものだけでなく、企業においては「取締役」「監査役」「執行役」になることができなくなります。

【海外への渡航が制限される場合がある】

禁固刑以上の前科でなければ基本的に入国を拒否されることはありませんが、略式裁判による罰金刑であっても一部の国においては入国審査が厳しくなります。

自転車においても自動車と同様に従うべき標識・表示を一部ご紹介します。

【進入禁止】

自転車も進入できません(自転車を除く補助標識がある場合を除く)

【一方通行】

自転車も逆行できません(自転車を除く補助標識がある場合を除く)

【車両通行止め】

自転車の通行を禁止します

【徐行】

直ちに止まれる速度で走行すること(自転車も例外ではありません)

【一時停止】

必ず一時停止して左右(周囲)の安全を確認します

【歩行者専用】

歩行者だけが通行できる専用道路です

【自転車及び歩行者専用】

歩行者と自転車だけが通行できる専用道路です

【自転車横断帯】

自転車が横断するときに通る場所です

※警視庁HP「自転車の交通ル-ル」より

今回のまとめ

「前科」がつくことは、企業や事業主・労働者に大きな影響を及ぼします。先に述べたように、一度ついた前科は消えることがありません。業務に支障をきたすだけでなく、風評被害にもつながりかねませんので、業務で自転車を使用している場合はもちろん、自転車通勤を認めている(認めていなくても自転車を使用している可能性がある従業員がいる)場合は、定期的な交通安全教育や注意喚起を行う必要があります。

対面やオイラインにて様々な講習を無料で提供している保険会社もございます。また、業務中や日常生活における自転車事故には損害保険で備えることも可能です。気になる方はお近くの保険代理店までお気軽にご相談ください。

 

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