お知らせ・コラム
「2回目の認定申請が始まっています」事業継続力強化計画認定制度について
近年の日本における大規模な大雨や地震などの自然災害は毎年のように発生しているように感じますが、企業が継続して経営活動を行っていくうえでのリスクは、こうした自然災害だけではありません。新型コロナウイルスのような感染症の流行や、大規模な情報漏えい事故、国家間の紛争など、社会にはありとあらゆるリスクが存在しています。そこで生まれた考え方であるBCP(BusinessContinuityPlan:事業継続計画)ですが、2022年6月27日、中小企業庁では、「中小企業等経営強化施工規則の一部を改正する省令」を公布、施工しました。今回は2度目となる認定申請をされる企業様もいらっしゃると思いますので、流れと注意点を取り上げていきます。
【目次】
1.事業継続力強化計画認定制度とは
2.2度目の認定申請には実施報告書が必要となります
3.今回のまとめ
事業継続力強化計画認定制度とは
事業継続力強化計画認定制度とは、中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度です。認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。事業継続力強化計画は策定することにより、災害発生時(有事)において被害を最小限に抑えるという直接的なメリットに加え、平時においても重要業務の見直しやレイアウト・動線の見直しなどにより生産性が向上したり、取引先からの信頼性が向上するなど多くのメリットがあります。それらの策定のメリットに加えて、事業継続力強化計画が認定された事業者には、各種の公的な支援策が用意されているのも魅力です。
メリット①低利融資、信用保証枠の拡大等の金融支援
日本政策金融公庫の低利融資、信用保証の別枠など、計画の取組に関する資金調達支援
融資の対象となる設備は、事業継続力強化を実現するものとなりますので、事業継続力強化計画の認定を受けたからと言って継続力強化とは関連性のない生産設備の買い替えなどの融資が受けられるということではありませんので注意が必要です。
メリット②税制優遇
認定計画に従って、取得等をした対象設備について、取得価額の20%の特別償却
税制優遇が受けられる設備は、自然災害の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有する減価償却資産などが該当します。具体的には、100万円以上の機械および装置のうち、自家発電設備や排水ポンプなど、60万円以上の建物付随設備のうち、照明設備や貯水タンクなど。ただし、消防法および建築基準法に基づき設置が義務付けられている設備や、中古品、所有権移転外リースによる貸付資産は対象外となります。対象となるかどうかについては税理士等の判断を受ける必要があります。
メリット③優先採択
計画認定を受けた事業者は、ものづくり補助金等の審査の際に加点
メリット④損害保険会社等の支援
連携をいただける企業や地方自治体等からの支援措置
メリット⑤社会的信用
中小企業庁HPでの認定を受けた企業の公表
国のHP上で自社名が公表されるというのは、信用力や信頼性の強化など、ブランディング活動としての役割も期待でき、企業価値の向上につながるものといえます。
メリット⑥ブランド力向上
認定企業に活用いただけるロゴマーク
認定ロゴマークは、ホームページなどインターネット上での情報発信に用いることで、信頼性を遡及することができるといえます。また、名刺や企業パンフレットなど営業ツールにも使用することが出来ます。
以上が、事業継続力強化計画の認定を受けることによるインセンティブ(支援)です。
2度目の認定申請には実施報告書が必要となります
「事業を継続するには何をするべきなのか」をあらかじめ考えておく「事業継続力強化計画認定制度」ですが、中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を、経済産業大臣が認定する制度として2019年7月に開始しています。2022年6月27日、中小企業庁では、「中小企業等経営強化法施行規則の一部を改正する省令」を公布、施工しました。本計画の実施期間は3年以内と規定されているため、2022年7月より2回目の認定に向けた申請が始まっています。
■概要
・前回認定の更新制度ではなく、再度申請する「再申請制度」として運用されることになりました。(2度目の申請ということになります)
・再申請時に実施報告書が必要となりました。
・新しい申請書と実施報告書、直近の認定書の写し、直近の申請書の写しを送って申請します。以下リンクにて2回目以降の申請方法をご参照ください。
(中小企業庁HP 「事業継続力強化計画の申請方法等について」)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/application.html#jigyo
今回のまとめ
今後も大規模な自然災害が想定されており、中小企業の事業継続を図るために、中小企業強靭化法が令和元年に施工されました。本法において、防災・減災に取り組む事業者がその取り組みを「事業継続力強化計画」として策定し、国から認定を受けることで、災害時であっても事業者が事業継続をしっかりと行うことが出来ることを期待されています。自社の事業を継続することは顧客のみならず、自社の従業員やその家族、そして、自分自身の人命や生活を守るということですから、建設業や運送業などの職種にとらわれず、すべての事業者が事業継続力強化計画に取り組んでいく価値があると言えそうです。
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