お知らせ・コラム
自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例
自転車の安全で適正な利用の促進により「自転車に係る交通事故の防止を図ること」「自転車に係る交通事故による被害の軽減及び被害者の保護に資すること」を目的とし、「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が愛知県の条例、名古屋市の条例として令和3年4月および10月より義務化されました。既に施行されている条例ですが、今回は事業者向けの取り組みについて確認していきましょう。
【目次】
1. 自転車の安全で適切な利用の促進に関する条例
2.事業者として取組むこと
3. 今回のまとめ
自転車の安全で適切な利用の促進に関する条例
愛知県、名古屋市の条例についての目的や背景、主な内容は以下のようになっています。
≪愛知県≫
県内の交通事故死傷者数において、過去5年間で約33%減少しているにも関わらず、自転車による交通事故の割合は増加傾向にあり、自転車利用者が事故の加害者となる高額賠償事例も発生していることから県、県民、自転車利用者、事業者等が社会全体で自転車の安全で適正な利用を促進するために制定。主な内容は、
・「交通事故の防止」のため、県、県民、自転車利用者、事業者等の責務を明記するとともに、自転車の安全で適正な利用に関する教育を推進する(令和3年4月1日施行)。
・「交通事故の被害軽減」のため、自転車利用者等の乗車用ヘルメットの着用を努力義務
とする(令和3年10月1日施行)。
・「交通事故による被害者保護」のため、自転車損害賠償責任保険等の加入を義務とする(令和3年10月1日施行)。
≪名古屋市≫
自転車は手軽で便利な乗り物であり子どもから高齢者まで多くの方に利用されている一方で交通ルールを守らない自転車利用者も多く社会的に問題になっていること、近年自転車事故で相手方を死傷させた場合に高額の損害賠償を命じる判決が相次いでいることから自転車の安全で適正な利用を促進し、交通事故の減少を図るとともに、自転車事故による被害者の保護を図るために制定。主な内容は、
・自転車利用者の乗車用ヘルメット着用が全年齢で努力義務となる(令和3年10月1日施行)。
・事業者の自転車損害賠償保険等への加入が義務となる(令和3年10月1日施行)。
・自転車利用者、保護者、事業者の自転車盗難防止対策が努力義務となる。
※愛知県・名古屋市HP「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」より
事業者として取組むこと
愛知県・名古屋市それぞれにおいて事業者に向けた取り組みについて言及しています。詳しくみてみましょう。
≪愛知県≫
◆自転車を事業で利用する場合
1) 自転車の安全で適正な利用に必要な措置を講ずるよう努める
走行前点検の励行、ヘルメット着用の励行、自社における交通事故事例の把握・分析、 交通事故情報をもとにした安全な走行方法・ルート等の検討等
2) 点検整備等の実施
・自転車の定期的な点検、必要な整備に努める
・自転車の両側面に反射材を着用する等の交通安全対策に努める
・自転車を駐車するときは鍵をかける等の防犯対策に努める
3) 自転車の安全で適正な利用に関する教育等の実施
自転車を利用する者(従業員や職員等の他、自転車の貸出しの事業を行う場合はその自転車を借り受ける者を含む)に対し、自転車の交通ルール等について教育又は啓発を行うよう努める
4) 乗車用ヘルメットの着用及び着用促進
・自転車を利用する従業員や職員等に乗車用ヘルメットを着用させるよう努める
・自転車の貸出しの事業を行う場合は、その自転車を借り受ける者に対し乗車用ヘルメ ットの着用を促進するための情報の提供、助言その他必要な措置を行う
5) 自転車損害賠償責任保険等への加入及び加入促進
・自転車損害賠償責任保険に加入しなければならない
◆自転車通勤者がいる場合
1)自転車の安全で適正な利用に関する教育等の実施
自転車通勤者に対し自転車の交通ルール等について教育又は啓発を行うよう努める。
2) 乗車用ヘルメットの着用及び着用促進
自転車通勤者に対し、乗車用ヘルメットの着用を促進するための情報の提供、助言その他必要な措置を行う
3) 自転車損害賠償責任保険等への加入及び加入促進
自転車通勤者に対し、自転車損害賠償責任保険等に加入しているかどうか確認するよう努める(確認できないときは、自転車損害賠償責任保険等に関する情報提供を行うよう努める)
≪名古屋市≫
1)従業員の方への研修等の実施に努める
自転車通勤をする従業員や事業活動で自転車を利用する従業員に対し、研修の実施や、自転車の交通ルールなど、安全適正利用に関する情報の提供に努める
2)従業員に周知する
3)業務で使用する自転車の定期的な点検・整備を行う
業務で使用する自転車についてブレーキの効き具合やタイヤの空気圧など定期的に点検・整備するように努めるだけでなく、駐車時は管理の行き届いた明るい自転車駐車場を利用し、少しの時間でも必ずカギをかける等盗難防止対策に努める
4)ヘルメットを着用させる
業務上、自転車を利用する従業員だけでなく通勤で自転車を利用する従業員にヘルメットを着用するよう勧める
5)自転車損害賠償保険等へ加入する
事業活動で自転車を利用する場合は、事業活動中の自転車事故による損害賠償責任についても補償される施設賠償責任保険等に加入するだけでなく、通勤で自転車を使用する従業員の方が自転車損害賠償保険等に加入しているかを確認し、加入していることが確認できなかった場合は自転車損害賠償保険等に関する情報を提供する
今回のまとめ
愛知県、名古屋市いずれも「安全で適正な利用の促進に関する条例」に対する事業者向けの取組みの中に、「業務中の自転車事故による賠償責任保険への加入の義務」と「自転車保険の加入」の確認と情報提供が求められております。自転車事故が増加傾向にあること、自転車事故による損害賠償金が高額化していることを踏まえて「業務で自転車を利用する」または「自転車通勤を認めている(把握できていない場合も含む)」ものの、まだ対応ができていないという事業者の皆さまにおかれましては、この機会に保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか?自転車事故による従業員のケガや第三者への賠償責任補償について気になる方は、お近くの保険代理店へお気軽にお問い合わせください。
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