お知らせ・コラム
あなたのギモンにお答えします!労働実務相談Q&A
企業経営者の皆様が日々の経営の中で起こり得るリスクやトラブルについて、こんな時はどうするの?会社としてどう対応すべき?などの皆様の疑問に例を用いてお答えしていきたいと思います。
※ここで用いた例は労働新聞社発行の安全スタッフを参照にしています
【目次】
1.業務上災害なのに、健康保険証を誤って使ってしまった!
2.労災休業中に懲戒事由発覚!解雇制限に抵触する?
3.コロナ重症化の恐れ有。基礎疾患にどこまで配慮すべき?
4.今回のまとめ
業務上災害なのに、健康保険証を誤って使ってしまった!
【答え】
労災保険による治療と健康保険による治療は、医療機関もほとんど変わらないことから、しばしばこういった状況も発生するようです。では実際どうすればよいのでしょうか。
①労災保険への切り替え手続きをする
まず受診した医療機関に、労災請求すべき事故であったところ、間違って健康保険を使ってしまったことを伝え、健康保険から労災保険への切り替えができるか確認しましょう。切り替え可能であれば、「療養の給付請求書」に医療機関で支払った領収書を添付して医療機関へ提出すれば、自己負担分(3割)が返還されます。
②切り替え手続きができなかった場合
すでに健康保険扱いの手続きが完了している等の理由で、当該医療機関では労災保険への切り替えができないという場合には健康保険の保険者に対して自己負担しなかった7割分の医療費をいったん保険者に支払ったあと、先に支払った3割と併せて全額を返還してもらうべく労災保険への切り替えの手続きを行うことになります。
労災休業中に懲戒事由発覚!解雇制限に抵触する?
【答え】
結論から申し上げますと、使用者は、労働者が業務上の傷病により療養のために休業する期間、およびその後30日間は解雇してはならないとしています(労基法19条)。ただし例外として、使用者が、法81条の規定により打切補償を支払う場合、また天災事変その他やむを得ない事由がある場合はその限りではありません。
打切補償とは
※療養補償を受ける労働者が療養開始後3年を経過しても傷病が治らない場合には、使用者が労働者に対し打切補償を行うことでその後の補償を免れる制度のことです。打切補償の額は平均賃金の1200日分です。
労働者に非違行為があり、仮に就業規則所定の「懲戒解雇」に該当するような場合でも、法19条の解雇制限は、打切補償等の但し書きで除外される場合のほかは解雇はできないと考えられます。
なお、解雇制限期間を経過すれば、就業規則に基づいて懲戒処分することは可能です。
コロナ重症化の恐れ有。基礎疾患にどこまで配慮すべき?
【答え】
基礎疾患のある人が新型コロナウイルスに感染すると重症化する可能性が高いことはよく知られていますよね。例えば、中国で7万人を対象に行った研究で、糖尿病患者のコロナによる死亡率は、約3倍になるといった報告があります。他にも、高血圧、心疾患、肥満などの方や、65歳以上の方は重症化のリスクがあるとされています。企業の従業員に対する安全配慮義務は、基本的には「災害発生を未然に防止するための物的・人的管理」を尽くす義務であって「結果責任」を問うものではないため、この場合企業側に即責任があるということにはならないと考えられます。また、事業者の判断の基礎となる意見を述べる産業医に関しても、業務として求められる範囲で、既知の科学的な知見を充分収集し、国などの公的機関のガイドラインを踏まえつつ、衛生委員会等で方針を審議するなどの体制整備は求められますが、逆にこうした出来得る限りの手続きを尽くしていれば足りる、とも言えます。企業側、産業医側で、プライバシーに配慮しつつ、基礎疾患のある従業員からの申し出ができる管理体制を整えておくことが重要です。
今回のまとめ
いかがでしたでしょうか。気になる疑問はスッキリ解決しましたでしょうか。今回は日々の業務の中で起こりがちな様々な労務トラブルにまつわるお話をさせていただきました。業務中のケガや病気、そして今はコロナウイルスと、様々なことに企業としてどう対応したらよいのか、企業経営者の皆様も日々苦心していらっしゃることと思います。私共保険代理店はそんな企業様のお悩みを解決するお手伝いができます。従業員のケガや病気に備える労災の上乗せ保険、働けない間の所得補償、そしてコロナ対策のための費用など、企業様のニーズにお応えできるご提案をさせていただくことが可能です。ぜひ一度お近くの代理店などでご相談ください。
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