お知らせ・コラム
パワハラ保険が売れている!?
ひと昔前は、過重労働や長時間労働によって精神疾患を患った従業員の方が自殺してしまうなど「過労死」や「過労自殺」の悲惨な事件がニュースや新聞で取り上げられていましたが、近年は働き方改革やブラック企業の撲滅を目指した政策などにより減少傾向にあります。ただ現在、うつ病やハラスメントが原因で退職した従業員からの不当解雇訴訟などの雇用トラブルが増加しております。うつ病や精神疾患での休業期間が満了し退職した後に、あの時辞めたのはハラスメントが原因であり、本当は退職したくなかったという主張を行い会社が訴えられてしまうケースです。今回は、パワハラ保険の内容とメンタルケア等について触れていきたいと思います。
【目次】
1.ハラスメント・不当解雇の保険の必要性
2.メンタルケアについて
3.今回のまとめ
ハラスメント・不当解雇の保険の必要性
2022年4月よりパワハラ防止法が中小企業にも適用が開始され、職場におけるパワハラ防止措置が中小企業の事業主にも義務化されました。「パワハラ防止法」における事業主の4つの義務についてみていきましょう。
- 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
- 相談窓口を設置するなど適切に対応するために必要な体制の整備
- 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
- 1~3までの措置と合わせて、相談者・行為者等のプライバシーを保護すること。その旨を労働者に対して周知すること、パワハラの相談を理由とする不利益取扱いの禁止
また、就職活動中の学生や取引先など第三者に対してのハラスメントに対しても雇用管理上の配慮が求められることとなりました。
上司等5人のパワハラで適応障害発症。合計約2150万円の支払い命令!
40代従業員が、上司等から名誉感情を不当に害する言葉で退職勧奨をされたり、能力と経験からかけ離れた除草作業などを命じられ、適応障害を発症し休業した。休業期間満了で退職となった。パワハラ行為による精神的苦痛は著しいとして、慰謝料500万円が認められた。(その他、治療費、弁護士費用等約74万円)また長期間に渡る執拗なパワハラ行為により適応障害を発症したとし、労働基準法19条の定める「業務上の疾病」にあたり休業期間満了による退職は無効とされ未払い賃金等と合わせて約2150万円の支払いを命じられた。裁判も長期化し解決までに3年4カ月かかりました。
・保険対応について
企業様向けの雇用リスクの保険では、慰謝料、未払い賃金、弁護士代等の争訟費用がカバーされますが、保険会社により内容が異なる事もございますので、詳しい内容はパンフレット等でご確認頂くか、保険代理店や保険募集人にお尋ねください。
メンタルケアについて
人事異動後のメンタルヘルスケア
長い就業生活のなかで、一度や二度は異動の経験をする人も多いのではないでしょうか。「内示」→「辞令」→「移動」という流れのなかで、数カ月前から内示などの打診があって事前に心づもりができる場合もあるかと思います。ただ、なかには1~2週間ほど前に突然事例があり、心の準備はもちろん引っ越しの準備も十分できないまますぐに新しい職場で頑張らざるを得ないという場合もあるでしょう。新しい担当業務、上司や同僚・部下・顧客、引っ越しなどの生活環境、そして人間関係といった変化が伴います。
休業を余儀なくされるケースも
異動後、新しい環境や仕事に早く適応しようと一生懸命頑張る人は多いと思います。ただ、新しい環境に適応する時のストレス負荷は大きい傾向にあります。ストレスを意識する間もなく無我夢中で頑張っているうちに、プレッシャーや過重労働も重なって体調を崩す場合も少なくありません。無理を続けたために、内臓疾患や循環器の異常、身体の痛みや胃腸障害、肌トラブルなどの身体の症状が出ることもあるでしょう。また、無力感、集中力の低下、意欲の低下、抑うつ感、絶望感といったこころの症状がでることもあります。これら心身の不調により、適応障害やうつ病などにかかり、休業を余儀なくされるケースもあるかもしれません。
ストレスのサインに気づく
異動後はできるだけ、ご自身の体調の変化やストレスのサインに心を配るようにしましょう。ぐっすり眠れなくなった、胃腸の具合が悪い、めまいや耳鳴りがする、食欲が落ちた、逆にたべすぎるようになった、肩こりや頭痛、腰痛、腹痛などがある、と言ったサインに気づいたら早めに上司に相談するなどして仕事の量を調整したり休みを取るようにしましょう。特に健康的な食生活と良質な睡眠は、体力の維持に必要不可欠です。体調に変化を感じたら、早めに医師や保健師などに相談するようにしましょう。
今回のまとめ
会社で加入できる労災の上乗せ保険や業務災害保険には、使用者賠償責任や雇用リスクの補償を付帯する事が出来ます。また、付帯サービスとしてメンタルケアサービスや健康相談サービスがある保険もありますので、万一の事態に備えて企業防衛として保険で準備しておきましょう。
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