名古屋市の損害保険・生命保険代理店なら保険ポイント「お知らせ・コラム」ページ

お知らせ・コラム

重過失に基づく政府労災の「費用徴収」に労災の上乗せ保険で備えましょう

重過失に基づく政府労災の「費用徴収」に労災の上乗せ保険で備えましょう

皆さんは費用徴収という言葉を聞いたことがありますでしょうか?費用徴収とは労災保険給付を受けたあと一定の要件に該当する時に、事業主または不正受給者に、労災保険の費用の全部/一部を負担してもらうという制度のことです。今回はその中でも事業主の重大な過失により業務災害が発生したときの費用徴収について、損害保険がお役に立てる点を解説していきます。

【目次】

1.労災保険の費用徴収は3つのパターンがあります

2.重過失に基づく費用徴収に対応できる労災の上乗せ保険があります

3.今回のまとめ

 

労災保険の費用徴収は3つのパターンがあります

労災が支給されたあとに思わぬ金銭負担をせざるを得ないことがある”費用徴収”です。事業主からの費用徴収の対象となるケースは3つあり以下の通りです。

1.労働保険の加入手続きをしていなかったときに業務災害・通勤災害が発生のケース

①行政機関からの指導等を受けたのに加入手続きをとらず、業務災害や通勤災害が発生した場合→「故意」に労働保険の加入手続きを行わなかったして、当該災害に関して支給された保険給付額の100%を事業主から徴収します。

②行政機関からの指導等は受けていないが、労働者を雇用してから1年経過しても加入手続きをとらなかったときに、業務災害や通勤災害が発生した場合→「重大な過失」により手続きを行わなかったとして、当該災害に関して支給された保険給付額の40%を事業主から徴収します。

2.労災保険料の滞納期間中に業務災害・通勤災害が発生したケース

→当該災害に関して支給された保険給付額の最大40%を事業主から徴収します。

3.事業主の「故意」または「重大な過失」により業務災害が発生したケース

→当該災害に関して支給された保険給付額の30%を事業主から徴収します。

上記を見ますと、少しくらい良いだろう、、という事業主の甘い気持ちが原因となり、あとからとんでもない請求が自分の身にふりかかってくる恐れもあるということを感じます。やるべきこと備えるべき所はしっかりおさえていきたいものですね。

また、故意・重大な過失のある事業主からの費用徴収は、あくまでも「業務災害」のみが対象であり、「通勤災害」は対象ではありません。それは、通勤災害は事業主の支配下で発生する災害ではないため、事業主にその災害予防義務が課せられていないためです。

重過失に基づく費用徴収に対応できる労災の上乗せ保険があります

上記に挙げた3番目のうちの重過失に基づく政府労災の「費用徴収」については、民間の保険会社が販売する労災の上乗せ保険で対象としているところがあります。

事例をみてみましょう。

費用徴収の事例

【業種】建設業

【事故状況】開口部から転落し死亡事故。落下防止策の不設置が事業者の重過失と判断され契約者は労働基準監督署から費用徴収を受けた。

【徴収された費用】183万円(葬祭料・遺族補償年金の3年分の30%)

こんな時も使用者賠償のなかの費用徴収として補償範囲となるケースがあります。

・工場の天井近くに設けられたつり足場で梁に堆積した粉じんを取り除く作業を行っていたところ、作業床の端の開口部に墜落防止用ネットを張る等の措置が講じられておらず、つり足場から6.9メートル下方の工場床面に墜落し、死亡した。

・大根皮剥機を高さ54cmの作業台の上へ移動させるため、フォークリフトの左爪に大根皮剥機を乗せ、それを押さえるために爪を跨いで乗っていた被災者がヘルメットを着用しておらず、大根皮剥機とともに墜落し、死亡した。

・商品を圧縮梱包する機械で作業中、ベルトコンベヤーの下に落ちたビニール袋などを拾おうとしてコンベヤーの下に入ったところ、コンベヤプーリーに覆い囲いが設けられておらず、動いていたコンベヤーの突起に体が接触しコンベヤプーリーの覆いの中に体が引き込まれ、死亡した。

・工事に係る測量作業を行っていたところ、同僚が無資格で運転していた土砂運搬のための不整地運搬車が、当該作業現場付近を通過する際接触し、死亡した。

上記のようなケースは事業主側の重大な過失としてとらえられる可能性があります。

そして、意外にもこの費用徴収を補償範囲としている保険会社がじつは少ないという点もあります。実際の被災者への補償や使用者が負う賠償責任については備えができていたとしても今回とりあげたような『費用徴収』に対応しているかどうか。数多くの労災の上乗せ保険があり、一見するとどこの保険会社の商品も同じように見えるかもしれません。細かく突き詰めて、今回のような事故例などをもとに深くイメージしてみると意外にも大きな違いがあることがわかります。

今回のまとめ

「費用徴収」という言葉自体を初めてお聞きになる経営者の方も多いかもしれません。実際に労災事故が起きて被災者に支払いが完了してホッとしていた経営者に対し、思わぬ請求が降りかかってくる可能性がある内容でした。いざ万が一、発生するかもしれない労災事故にたいして、政府労災+労災の上乗せ保険で万全な体制を整えることをお勧めしますが、ご検討の際に、今回触れました費用徴収についても担当者とお話になると安心できるかもしれません。

 

労災の上乗せ保険のことなら、保険ポイントへぜひご相談ください。弊社リスクコンサルタントがわかりやすく丁寧にご案内いたします。

TEL>052-684-7638

メール>info@hokenpoint.co.jp

 

お電話、メールどちらでもお待ちしております。