お知らせ・コラム
建設業の転倒災害リスクについて考える
労災事故については、これまでコラムでも様々な事例を紹介し、ケガや病気への補償の重要性についてお話して参りました。今回は「転倒災害」について取り上げたいと思います。
転倒災害は、墜落災害、機械への挟まれや巻き込まれなどと比べ死亡災害は発生しにくいと思われがちですが、実は「休業4日以上の死傷災害のうち、最も件数が多い」事故は転倒災害によるものなのです。厚生労働省をはじめとする労働災害防止団体では、2015年から「STOP!転倒災害プロジェクト」を実施しています。しかし転倒災害は依然として多く、災害全体の24%(2019年調べ)を占めています。そこで2019年6月プロジェクトの実施要項が改定され、転倒事故防止について、一層の強化案が盛り込まれるようになりました。
では、実際転倒事故はどのように起きているのでしょうか。みてみましょう。
【目次】
1.転倒災害の事故事例をみてみましょう
2.転倒災害防止のためのチェックシートで危険をチェック
3.転倒防止対策、今すぐあなたの職場でできることとは
4.今回のまとめ
転倒災害の事故例をみてみましょう
【フォークリフト】
・運転中、上げてあったフォークリフトのマストが地上約4mにかかるパイプラインに接触し、フォークリフトがバランスを崩し転倒。投げ出された被災者がフォークリフトのフレームに胸部をはさまれ死亡。
・荷を積んでいないフォークリフトを運転中、フォークリフトを右旋回させたところ当該フォークリフトが進行方向左側に横転し、被災者が投げ出され、路面とフォークリフトのヘッドガードのフレーム部分に頸部を挟まれ死亡した。
【その他車両系機械】
ドラグショベルにて、残土置き場(高さ10メートル)の整地作業中、真下にある土砂が
沈下してドラグシャベルが傾いた際、被災者が運転席から投げ出されると共に重機が横転し、下敷きとなり死亡した。
その他にも、凍った床、階段での転倒、業務中の自転車使用による転倒などでも死亡災害につながる事故が起きています。特に高年齢者に転倒事故の被災者が多く、年齢を重ね心身機能が低下することによって、とっさに受け身やバランスがとれないこともあります。
令和2年3月、厚生労働省は「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」を策定し、事業者に求められる安全対策などを定めています。
転倒災害防止のためのチェックシートで危険をチェック
その1 通路、階段、出口に物を放置していませんか?
その2 床の水たまりや氷、油、粉類はその都度取り除いていますか?
その3 安全に移動できるように、十分な明るさが確保されていますか?
その4 転倒を予防するための教育を行っていますか?
その5 作業靴は、作業に適したものを選び、定期的に点検していますか?
その6 ヒヤリ・ハット情報を活用して、転倒しやすい場所の危険マップを作成し周知していますか?
その7 段差のある箇所やすべりやすい場所に、注意を促すステッカーや標識をつけていますか?
その8 ポケットに手を入れたまま歩いていませんか?
その9 転倒災害防止のための運動(ストレッチや体操)を取り入れていますか?
その10 時間に追われてあわてて作業を行っていませんか?
いかがでしたでしょうか。問題のあるポイントが明確になれば、改善しやすくなります。どうすれば事故を防げるか、皆さんでアイディアを出し合ってみましょう。
転倒防止対策、今すぐあなたの職場でできることとは
転倒しないためのポイントとして、時間に余裕をもって行動する、歩行場所に物を放置しない、濡れた床や雪上でも滑りにくい作業靴を履くなど、様々な防止策を講じることができます。また、転ばない身体を作るために、ひとりひとりが日ごろから筋力アップに努めることも重要です。
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今回のまとめ
建設業では墜落、転落とならび転倒災害についても相変わらず事故は発生し続けており、毎年災害の上位を占めています。また高年齢労働者の増加という必然的な要因もあります。「ちょっと転んだだけ」のはずが、後々大きな後遺障害が出ることもあり得ます。転倒事故ゼロを目指して今一度KY活動や朝礼、終礼の際、危険箇所をチェックし報告し合えるような体制を作ることが大切です。
企業の福利厚生の一環として、お仕事中のケガや、それによる入院などの医療費、休業期間の収入保障について、労災の上乗せ保険で備えておくことができます。ゼロ災を目指しながら、同時に万が一の補償について準備しておくことで、企業経営者様も従業員の皆様も安心して働き続けることができます。ご自分の経営する会社にはどんな補償が必要か、一度お近くの代理店などで相談してみてください
建設業の保険について気になることやお悩みは、株式会社保険ポイントへ是非ご相談ください。不安を安心に変えるお手伝いを賜っております。
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