お知らせ・コラム
「もしも」に備える メンタルヘルス対策
近年コロナ禍、自然災害、物価高や不景気など社会全体で明るいニュースが少ないこともあり、日常生活を送る中でも重苦しい気持ちを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。前回もお話したように、企業にとっても従業員の心身の健康を守ることは重要な課題ですが、仮に生活習慣の乱れなどを従業員の勤務態度から感じたとしても、プライベート時間の過ごし方にまで口を出すことはなかなか難しいことです。そこで今日は、従業員自身が行える「セルフケア」を中心にお話していこうと思います。
【目次】
1.セルフケアとはなんですか?
2.最も効果的な「睡眠」の見直し
3.1つの方法にこだわらない
4.今回のまとめ
セルフケアとはなんですか?
【セルフケアとは】
セルフケアとはストレスのかかった自分自身の状態を把握し、その影響に対処することを指します。例えば職場で嫌なことがあったらそれに気づき、うまく距離をとり、昇華し、可能であれば家にそれを持ち込まず、ゆっくり寝て翌日には忘れたい。それを実践することをセルフケアというのです。自分で、自分の機嫌を取る、整えるなどとも表現され、睡眠、運動、趣味、リラクゼーション、マインドフルネス、認知行動療法、アンガーマネジメントなどがこれにあたります。
【セルフケアがうまくいくとどんないいことがあるの?】
セルフケアがうまくいくと、メンタルヘルス不調を予防できるだけでなく「自分は幸せ」な状態を自分でコントロールできるようになります。職場では労働者のセルフケア能力をサポートすることが、生産性の面からもメンタルヘルス不調予防の面からも重要です。
【セルフケアはまず「自分の変化に気づく」ことから】
職場には様々なストレスが存在します。いつもだったら気にならないことでもイライラしてしまう、なんとなく疲れている、めまいがする、動悸がする、悪夢をみる・・など、人の身体はストレスがかかると様々な変化をきたします。それらに自ら気づき、「自分は今、何かのストレスで体に変化がおきている」という事実に気づくことが大切です。自身の変化に気づくのが得意でない人もいるので、その時は周囲が本人の気づきをサポートすることも大切です。
【自分の変化に気づくことができたら】
自分の変化に気づくことができたら次はストレスに対応することが重要です。このときストレスの原因(ストレッサー)とストレスによって体に起こった変化(ストレス反応)の両方に対応することが重要です。まずは何がストレスの原因なのかを考えましょう。職場であれば業務量、残業量、業務の内容、責任の重さ、上司や同僚・部下とのコミュニケーションなどです。もしくはプライベートが原因になっていることもあるかもしれません。原因がはっきりしたら、それらを解決するにはどうしたらよいかを考えていきましょう。
最も効果的な「睡眠」の見直し
ストレス反応を軽減するための手段は、運動、友達と話す、趣味に没頭する、など色々ありますが、一番大切なのは睡眠です。睡眠時間が足りないと、ストレッサーからの影響を受けやすくなります。よい睡眠をとっているかチェックする方法としてこんな質問があります。皆さんは「休日の起床時間は何時ですか?」。休日の起床時間が仕事の日よりも2時間以上遅い人は、普段の睡眠が足りていないという研究結果が出ています。そういう方は仕事や日常でのストレスを、夜更かしをして好きなことをすることで解消しようとする、いわゆる「リベンジ夜更かし」状態に陥っているかしれません。思い当たる方は、ぜひこの機会に睡眠の質を高めることでストレスを軽減する生活に変えてみましょう。
一つの方法にこだわらない
ストレスに対応する時の自分の癖を知ることも大切です。ストレスを受けた時の私たちの反応は、受け止める、受け流す、我慢する、気づかなかった振りをする、怒る、愚痴るなど様々です。この中で「我慢する」「気づかなかった振りをする」をするのは、一見大人なストレス対処法ではありますが、やりすぎると自身が大きくストレスをかかえてしまう可能性があるため、やりすぎていないか、他の方法がないかどうか考えましょう。ストレスに対して「怒る」「愚痴る」が癖になっている人は、他者がいないとストレス解消ができないという点で、主体的に解決できていません。また自分自身が他者に対してストレッサーになっている可能性もあるので、一度アンガーマネジメントなどを学んでみるとよいかもしれません。
今回のまとめ
従業員がストレスを抱えていそうな時に、企業としても、相談窓口、産業カウンセラーなどの設置で、従業員の心理的安全性の確保に努めましょう。ストレスからメンタル不調を訴えてくる従業員もいるかもしれません。例えばそういった時、「労災上乗せ保険」の中に、健康相談やメンタルケアカウンセリングサービスなどの従業員向け福利厚生サービスを提供している商品があるのをご存じでしょうか。電話や面談でのカウンセリングや、必要に応じて専門の医療機関への受診を勧めてくれるといった質の高いサービスを利用できるという点でも、企業が備えておきたい制度のひとつといえるのではないでしょうか。気になる方はぜひお近くの保険代理店までお気軽にご相談ください。
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