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企業火災保険の事故事例から考える

企業火災保険の事故事例から考える

総務省消防庁の「令和4年における火災の状況(確定値)について」(令和5年11月29日)によると、1月(9.9%)、2月(10.3%)、3月(11.3%)が年間月別出火件数の上位3位を占めています。この結果からも冬から春にかけて火災が発生しやすいということが分かります。乾燥していること、暖房機器の燃料として灯油を取り扱う機会が増えることなどが理由のひとつとなっていることは間違いないですが、出火原因の第1位は「たばこ(8.8%)」、2位以下は「たき火(8.6%)」、「こんろ(7.6%)」、「放火(6.2.%)」、「電気機器(5.4%)」となっているのです。今回は企業の財産である建物や設備什器の火災事故事例を紹介させていただきますので、貴社の火災対策の参考となれば幸いです。

【目次】

1.【事例1】工場の火災事故

2.【事例2】塗装業における火災事故

3 .  今回のまとめ

 

【事例1】工場の火災事故

【業種】食品製造業

【事故原因】分電盤からの漏電

【実質休業期間】2日間

【保険金支払額】2,700万円

≪事故内容≫

夕暮れ時に工場の屋根から煙が立ち上っているのを近隣の住民が発見し通報、駆け付けた消防隊員により消火活動が行なわれた。工場は定時に操業を終了して従業員は全員退社しており、出火時は無人の状態。警察が防犯ビデオ等を確認し、事件性無しと判断。製造ラインの間仕切壁面に取り付けられていた分電盤付近の焼損が特に激しく、監視カメラの録画映像でも分電盤付近から発煙しており、その後アーク放電によるものとみられる激しい発光が見られたため火災の原因であると確認。大火災には至らなかったものの、煙による建物と機械設備などの著しいすす損害で製造ラインがストップし、1ヶ月以上休業が必要と見込まれたため、取引先との関係悪化が懸念された。

≪営業再開までの経緯≫

火災の翌朝、代理店を通じて保険会社に事故報告。同日昼頃、保険会社の事案担当者と鑑定人が現場を立会調査。調査後、保険会社は被災設備の交換修理より早期復旧できる可能性が高いと、リカバリープロ社※1を紹介。現地合流し復旧計画を協議して方針を決定。

※1リカバリープロ社=災害復旧支援を行う世界的な災害復旧専門会社BELFORの日本法人。BELFORグループは世界25か国以上で世界中の災害復旧に貢献している

2日目、リカバリープロ社が第一次復旧作業を実施し、営業可能な状態まで回復。工場の責任者が設備什器を点検し、稼働に問題がないことを確認。

③3日目から仮養生の状態で工場を通常稼動

④1ヶ月後、夏季休暇期間を利用してリカバリープロ社が第二次復旧作業を実施。加えてアーキテクトサービス※2にて修復工事を行い、その後通常営業へ。

※2アーキテクトサービス=火災、風水災、漏水被害などによる被害建物の修復工事や、損害調査を行ったりお客さまからご要望に基づいて卓越した技術を持つ専門家を紹介し、専門家が修復工事を行う。

※AIG損害保険「事故事例集Edition4」より

【事例2】塗装業における火災事故

【業種】塗装業

【事故原因】電気配線からの出火

【保険金支払額】4,600万円

≪事故内容≫

出火前夜、社長がいつもどおり1階の複数のドアを施錠して帰宅。深夜に1階から出火し、消防署からの連絡を受けた社長が未明に現地に到着。到着時にはほぼ鎮火状態であるも、すす煙が燻(いぶ)っている箇所に消防隊が放水を続けている状況で、建物内の大半の塗装用設備が、放射熱により焼け焦げたり溶けたりしており、焼け残った設備も放水により全て水を被ってしまいました。建物1階中央部の電気配線が集中していた箇所が強く焼損していることから、そこを火元とする電気火災であると判断。

≪保険金支払いまでの経緯≫

火災翌日の昼前、代理店を通じて保険会社に報告。すぐに立会いの打合せを行い、午後に鑑定人が現場を立会調査をして損害状態・発生経緯・原因等を確認。

翌日、保険会社が出火原因を特定し、物件の所在地・構造・面積・職作業・被保険利益・保険価額等と概算の損害見込額を確認し有責と判断※1

 ※1物件と保険契約の同一性

建物など財物の保険においては、保険の対象とする実際の物件と保険契約内容が一致していない場合(物件所在地が正しく記載されているか、構造や面積は現状を反映しているか、独立看板、キュービクル等の屋外設備にも付保されているか、相続等による所有者変更をしているかなど)、罹災時に速やかに保険金が受け取れないことがあるため注意が必要。

早期の建物再築、設備再購入が必要な同社に対し、被災4日目に保険金高額内払サービス※2を実施

 ※2保険金高額内払サービス

迅速な事故対応によりお支払い対象の事故と確認した後7日以内に、見積書未取得の状態でも、損失見込額の最大50%までを被保険者へ内払する保険会社の独自サ-ビス(取扱いのない保険会社もございます)。

出荷商品※3に火災臭が付着していると、依頼元から損害賠償請求あり

 ※3預かり商品の損害

加工委託元から預かった仕掛品を火災で焼失させてしまった場合など、他人の所有物については通常火災保険では対象にならないが、加工業者が委託元から預かった商品に損害を与えてしまった場合、損害賠償責任を負う場合がある

⑤1ヶ月後、全ての書類を提出し残額を受領。工場再開時には、無人時は通電させないよう回路を分ける等、同様の事故を防止するためのアドバイスも。

※AIG損害保険「事故事例集Edition4」より

今回のまとめ

今回の事例からもわかるように、早期に事業再開させるためには保険のかけ忘れがないよう適正な保険金額の設定や適切な補償を備えておく必要があります。保険に加入していたのに保険金が支払われない、支払われたとしても時間がかかり取引先からの信用失墜につながってしまう、といった最悪の事態を避けるためにも今一度ご加入の火災保険の補償内容を見直しておく必要があるのではないでしょうか。事例で紹介したような専門業者の紹介や高額内払サ-ビスを取り扱っている保険会社もございます。気になる方はお近くの保険会社へお気軽にご相談ください。

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