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第14次労働災害防止計画を理解しながら損害保険を備えていく

第14次労働災害防止計画を理解しながら損害保険を備えていく

厚生労働省は職場の労働災害防止を推進するために昭和33年から労働災害防止計画という5か年計画を策定しています。当初、戦後の高度成長期における産業災害、職業性疾病の急送を踏まえ策定されたものです。また令和5年4月からは新たに5か年計画、第14次労働災害防止計画(令和5年度~令和9年度)がスタートし、約7ヵ月が経過しました。今回はこの第14次労働災害防止計画について解説していきます。※安全スタッフ参照

【目次】

1.第14次労働災害防止計画のねらいとは

2.転倒・腰痛が増加している!?損害保険の備えについて

3.今回のまとめ

 

第14次労働災害防止計画のねらいとは

昭和33年の第1次計画の策定から60数年間、日本の職場の安全衛生水準は大幅に改善してきましたが、近年では休業4日以上の死傷者数が増加傾向にあり、特に60歳以上の高年齢者の労働災害、中小事業場の労働災害が多くみられます。他方で健康面では、働き方改革への対応やメンタルヘルス不調、労働者の高年齢化や女性の就業率上昇に伴う健康課題への対応、治療と仕事の両立支援、コロナ禍でのテレワーク拡大に対応した産業保健体制の見直し、さらに化学物質による重篤な健康障害の防止などの様々な課題に対応するため第14次労働災害防止計画を策定しています。計画の狙いとしては、しっかりとこの計画をもって目指す社会や計画の目標などが示されています。

計画が目指す社会とは

誰もが安全で健康に働くためには、労働者の安全衛生対策の責務を負う事業者、注文者はもとより、労働者も真摯に安全衛生活動に取り組むことが重要とし、さらに、消費者やサービス利用者も、事業者が行う安全衛生対策の必要性や、事業者から提供されるサービスには安全衛生対策経費が含まれていることを理解することが求められています。労働者の安全衛生対策は、「費用としての人件費から、資産としての人的投資」への変革の推進が掲げられ、事業者の経営戦略においてもその重要性が増し、労働者の安全衛生対策に積極的に取り組む事業者が社会的に評価される環境づくりが必要とされています。また、事業場の規模、雇用形態、年齢などによらず、どのような働き方であっても労働者の安全と健康は確保されなければならないとしています。

計画の目標とは

具体的な取組の達成目標として数値目標(アウトプット指標という※例:転倒災害対策に取り組む事業場の割合を2027年までに50%以上とする)を掲げ、さらに取り組みの効果を確認する指標(アウトカム指標という、例:転倒の死傷年千人率を2027年までに男女とも増加に歯止めをかける)が掲げられています。指標の対象となる取り組みは、「転倒災害」「卸売業・小売業」「医療・福祉事業場」「高年齢労働者」「外国人労働者」「陸上貨物運送事業」「建設業(墜落・転落災害)」「機械(はさまれ・巻き込まれ災害)」「林業(チェーンソーによる伐木作業)」「労働者の健康確保」「化学物質対策(ラベル表示、SDS交付)」などです。そして毎年、本計画の実施状況を評価し、労働政策審議会安全衛生分科会にそれを報告し、必要に応じて計画の見直しを行うこととしています。

転倒・腰痛が増加している!?損害保険の備えについて

転倒災害や腰痛が増加傾向となっています。

安全衛生を取り巻く現状と施策の方向性

死亡災害が多いものとして、建設業の「墜落・転倒」、製造業の「はさまれ・巻き込まれ」、林業の「激突され」を挙げ、業種特有の災害が多いことを踏まえ、業種別の労働災害防止施策が必要となってきています。

死傷災害発生状況と増加要因

この5年間で転倒災害、腰痛などの死傷年千人率(労働者1000人あたり1年間の休業4日以上死傷者数)は増加傾向にあり、また、外国人労働者の死傷者数も増加しており、これらの対策強化が必要とされています。死傷災害の増加要因には、以下の4つが挙げられています。

・増加要因1 死傷年千人率が高い60歳以上の高年齢労働者の増加

・増加要因2 第三次産業への就労者の増加→対策のノウハウが蓄積されていない

・増加要因3 第三産業、中小事業場は、厳しい経営環境などにより対策が遅れている。新たな業務に不慣れな労働者が増加

・増加要因4 直近の増加は、新型コロナウイルス感染症の影響で外出抑制によるデリバリーサービスや宅配需要の増加

労働者の健康対策の必要性

・メンタルヘルス対策 特に30人未満の小規模事業場はメンタルヘルス対策が低調

・過重労働防止対策  働きすぎにより尊い生命が失われるなど痛ましい事態が今なおあとを絶たない状況

産業保健活動

①メンタルヘルスや働き方改革への対応など現場ニーズの変化に対応した産業保健体制や産業保健活動の見直し

②産業医の専任義務のない労働者数50人未満の事業場では、産業保健活動が低調であり、地域医療・保健との連携なども含めた対策が必要

③治療と仕事の両立支援の推進

また、労災の上乗せ保険の内容を見直ししつつ現在の企業に潜むリスクを損害保険でカバーする。病気やケガに備えることも必要と考えます。

今回のまとめ

今回の内容で厚生労働省がいかに労働災害を防止していくかを考え計画を立てていることがご理解頂けたと思います。また労働災害だけでなく、健康面やメンタルヘルスなど企業経営者の皆様が抱える課題は並々ならぬものがあります。そこでそのようなリスクを保持するのではなく、各保険会社が提供する労災の上乗せ保険を上手く活用することで少しでもお悩みを軽減することが出来るはずです。ぜひこの機会現在の保険を見直してみるのも良いかもしれません。

 

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