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胃潰瘍は業務上災害に?業務上疾病の考え方

胃潰瘍は業務上災害に?業務上疾病の考え方

電気設備工事会社に勤めていた男性(当時62歳)が令和3年、出血性胃潰瘍を発症して死亡してしまいました。長時間労働やストレスが原因だとして労働基準監督署が労働災害と認定し、いわゆる業務上疾病と呼ばれる業務が原因で発症した疾病として労災認定されました。今回は、業務に起因性がある疾病の考え方や労災認定の基準などのご紹介とともに、政府労災の補完としての労災上乗せ保険についても触れていきたいと思います。

【目次】

1.業務上疾病とは

2.民間の労災上乗せ保険の活用

3.今回のまとめ

 

業務上疾病とは

業務上疾病とは

仕事中に病気で倒れてしまったり、仕事がきつくて病気になってしまったと主張してもすぐには、業務上疾病と認定してもらえません。業務上疾病の認定には、厚生労働省が定める内容に従って認定を進めていく必要があります。業務上疾病の範囲は、厚生労働省で定める労基規則別表第1の2の規定(労働基準法75条の2項)に定められています。近年、問題となっている長時間労働による脳・心臓疾患や心理的負荷による精神障害なども厚生労働省で定める業務上疾病として明記されています。

「職業病リスト」に示されてない疾病について

職業病リストに示されていない疾病であっても、業務と疾病との間に因果関係が認められる場合には労災補償の対象となります。

認定基準なく個別判断も

「出血性胃潰瘍」で死亡した労働者の労災認定された件については、第11号の「その他業務に起因する疾病」として個々の事例に即して業務起因性(業務と発症の因果関係)が認められました。遺族や代理人弁護士によれば、男性は昭和61年から技術者として勤務し、令和元年8月の定年後も再雇用され電気設備工事の現場責任者を務めていた。徐々に長時間勤務となる日が増え令和3年12月に自宅で倒れ、病院に搬送されたが死亡したというものです。第11号ついては認定基準が示されていませんので個別の判断によって労災認定に至ったものです。

 

民間の労災上乗せ保険の活用

業務上疾病は認定までに時間がかかる

国の労災給付は補償も手厚く、万一の事故によるケガや業務上疾病の際は非常に助かる制度になります。ただ、仕事中のケガなど原因が明確であれば労災の申請から認定まではスムーズにいきますが、業務上疾病の場合は労災認定まで時間がかかり、結果がでるまで労災給付の有無がわかりません。当然、労災給付が受けれるのか受けれないか分からない状態は被災者や被災者の家族にとってはかなり不安ですし、会社の労務担当者や会社の経営陣も被災した従業員への説明や理解を求めるなどの対応に苦慮されると考えられます。例えば「第8号の長期間にわたる長時間の業務その他血管病変等を著しく増悪させる業務による脳・心疾患」については、発病前の1カ月~6カ月の間の業務内容について労基署が会社に来て①長時間の過重業務②短期間の過重業務③異常な出来事といった内容を経営陣や同僚などへの聞き取りなどを踏まえて調査します。その結果を踏まえて労災認定の有無が決定しますので、労災の認定にどうしても時間がかかってしまいます。また、前述の「出血性胃潰瘍」の方の事例では被災者が亡くなってから、遺族の訴えにより労災認定さておりますので、遺族と会社が責任の所存について争った形となってしまいました。

民間の上乗せ保険の活用

現在、損害保険各社の企業向けの商品である労災上乗せ保険の新しい補償として、病気への補償が充実してきています。各保険会社により内容や支払い条件などは異なりますが、役員や従業員全員を一括して無記名無告知で補償し私病や業務上疾病の有無に関わらず補償されます。これにより、従業員さんが病気で入院した際に、会社からまずは病院代等の補償を行うことが出来ますので従業員さんに喜んでもらえると同時に、無駄な争いや不意感などを抱かせる危険性を減らす事が出来ます。

今回のまとめ

政府労災や健康保険の傷病手当金など、公的な補償は充実していますが、どうしても落とし穴や空白の部分も出てきてしまうので民間の保険でカバーすることが必要になります。また、使用者賠償や雇用慣行など業務上のケガや病気の責任の所存や労務トラブルに遭遇した際にお役立ちできる補償もございますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

 

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