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脳・心筋梗塞の労災認定基準の改正について

脳・心筋梗塞の労災認定基準の改正について

厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」として、2021年9月14日付で厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長宛てに通知されました。

長時間労働と過労死との因果関係として、長時間にわたる過重な労働は疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられ、医学的知見も得られています。実際に業務が原因での脳・心臓疾患や精神障害が発生したとして労災認定されるケースも散見されるようになりました。今回は、過労死や業務に起因しての精神障害の認定の基準の改正点についてご案内していきたいと思います。

【目次】

1.そもそも過労死等とは?

2.脳・心臓疾患の労災認定基準の改正とは

3.今回のまとめ

 

そもそも過労死等とは?

・過労死等とは

業務における過重な負荷による脳・心臓疾患や業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする死亡やこれらの疾患のことを言います。

過労死等の定義

業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡

・業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡

・死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患・精神障害

長時間労働が過労死等の最も大きな原因とされ、発症1カ月前に100時間の時間外労働や発症半年前に一カ月あたり80時間以上の時間外労働を行っていた場合などは、過労死等と業務の因果関係があるとされています。しかしこの度の改定で単純に時間外労働の時間だけでなく今まで以上に、業務における心理的負荷などを総合的に考慮して労災認定の判定を行う様です。

過重労働による脳・心臓疾患の労災認定は22件減の194件。新型コロナや働き方改革で長時間労働が減ったことから4年連続の減少となったようです。

パワハラ急増!仕事で心の病が最多更新

厚生労働省が2020年度の労災補償状況によると仕事の強いストレスに伴う精神障害の労災認定は前年度比99件増の608件だった。2年連続の増加で過去最多を更新。20年6月から精神障害の原因として明確に認められた為パワハラの労災認定が急増した。

精神障害の労災認定数は増加したが、申請数は9件減の2051件となり8年ぶりに減少した、新型コロナウイルスの感染拡大で「時間外労働や長時間労働が減ったのが1つの要因」とみられている。

脳・心臓疾患の労災認定基準の改正とは

厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」として、都道府県労働局長あてに通知した。新基準においても「業務の過重性の評価」に当たって、労働時間の長さを重視するのは変わらない。例えば、発症前1カ月間に100時間または2~6カ月平均で月80時間を超える時間外労働は、発症との関連性は強まるとしています。労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して認定を行うことが今回の一番の改正点になります。

新基準では労災時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価し労災認定する事を明確化

労働時間以外の負荷要因

①勤務時間の不規則性

②事業場外における移動を伴う業務

③心理的負荷を伴う業務

④身体的負荷を伴う業務

「勤務時間の不規則性」の具体例では。拘束時間の長い勤務、休日のない連続勤務、勤務間インターバルが短い勤務などを示している。勤務間インターバルが短い勤務はその程度(時間数、頻度、連続性等)や業務内容の観点から検討し評価する。睡眠時間の確保については、勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務の有無、勤務時間数、頻度、連続性について検討し評価するなどとした。

「事業場外における移動を伴う業務」では、出張の多い業務を指摘。移動距離、出張先の多様性、宿泊の有無、宿泊施設の状況、出張中における睡眠を含む休憩・休息の状況、出張中の業務内容などの観点から検討・評価する。

さらに発症前おおむね1週間以内の短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化している。具体的な評価に当たっては①発症直前から前日までの間にとくに過度な長時間労働が認められる場合②発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度な長時間労働が認められる場合(手待時間が長いなど労働密度が低い場合を除く)には業務と発症との関連性が強いとみる考えを示した。

以下厚生労働省からの公表資料

今回のまとめ

平成13年12月に改正された「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」に基づき労災認定を行われてきましたが、約20年が経過し現在の働き方や社会情勢に合わせる為に今回の改正が行われたと考えられます。

企業側にとってみれば、実質的に労災の認定基準が広がったので今後はより一層、従業員の働き方に注意を払う必要があります。また、労災認定がされてしまうと会社は労働者から安全配慮義務違反などで訴えられてしまう可能性もでてきますので対応できる保険に加入するなどリスクヘッジを行うことをお勧めしております。

 

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