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通勤災害になる往復行為とは【労災認定と損害保険の範囲】

通勤災害になる往復行為とは【労災認定と損害保険の範囲】

お客様先などで労災の上乗せ保険(業務災害保険)などのご提案をする際に、通勤災害や現場間の移動中の事故、自動車などでの営業中の事故など会社や現場以外での事故を想定したご質問を頂くことがあります。

国の労災保険では、就業時間中に会社の命令や指示などによる移動中の事故などは労災の対象となりますが、自動車保険の人身傷害や相手方の対人賠償などから補償を受ける場合は労災保険から重ねては支給されません。

また労災の上乗せ保険(保険会社の業務災害保険など)では、政府労災や自動車保険から支給を受けてさらに労災の上乗せ保険からも保険金を受け取ることが出来ます。

しかし労災保険の通勤災害認定は、プライベートと就業との区別が複雑で通勤災害と認められないケースもあります。今回は通勤災害の認定について触れていきたいと思います。

【目次】

1.労災保険における通勤災害の考え方について

2.『損害保険による解決方法』労災上乗せ保険の活用とは

3.今回のまとめ

 

労災保険における通勤災害の考え方について

労災保険において、通勤として認められるには往復行為が業務と密接な関連をもって行われることが必要となります。労働者が出勤の途中で被災した場合には被災当日において業務に従事していたか否か、退勤の場合であれば現実に業務に従事したか否かが問題となります。さらに出勤、退勤において始業・終業時刻との関連性が失われてないことが必要なので、例えば終業時刻とかけ離れた時間に起きた退勤途中の事故に関しては通勤災害と認められない可能性があります。

  (1)通勤の定義

通勤については労働法7条第2項において労働者が就業に関し住居と就業の場所との間を合理的な経路および方法により往復することをいいます。

(2)就業に関し

通勤の定義における、「就業に関し」とは往復行為が業務に就くためまたは業務を終えて帰宅することであり、通勤と認められるには往復行為が業務と密接な関係をもって行われることが必要であることを示しております。

(3)通勤災害にあたらない事例

①17時10分に業務を終えてから会社内の茶道室において茶のけいこに参加。けいこは19時30分に終了したので、更衣室で着替え20時ごろ退社し通常の帰宅途中に被災した。

通勤災害と認められない理由

業務終了後事業場施設内においてサークル活動等に要した時間は、社会通念上就業と帰宅との直接関連性を失わせると認められるほどの長時間にあって、その後の帰宅については労働法7条2項にいう通勤にはあたらない(昭和49年9月)

 

②アルバイトの学生が学校から直接、バイト先の職場に向かう途中に自転車で転倒して被災した。

通勤災害と認められない理由

通勤の定義に「労働者が就業に関し住居と就業の場所との間を合理的な経路および方法により往復すること」というものがあり、今回のケースでは住居では無く学校から直接職場に向かっているので通勤災害とはなりませんまた帰宅時に自宅以外の場所に向かった場合も通勤災害とはなりません。

 

③帰宅途中に同僚と飲食店でお酒を飲みながら2時間ほどの会食を行った後に帰宅。

帰宅途中に被災してしまう。

通勤災害とならない理由

帰宅途中に自宅と別の場所に向かった場合は通勤の逸脱または中断となり、通勤の中断や逸脱があるとその後は原則として通勤・退勤にはなりません。

 

(4)通勤途中の日常生活上で必要な行為

しかし、通勤の途中で経路近くの公衆便所を利用する場合や経路上の店でタバコやジュースを買う場合などの些細な行為を行う場合には、逸脱、中断とはなりません。

日常生活上で必要な行為であって、厚生労働省令で定めるやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合には、逸脱又は中断の間を除き合理的な経路に復帰した後は再び通勤となります。

『損害保険による解決方法』労災上乗せ保険の活用とは

通勤災害と認定された場合、業務災害保険などの労災上乗せ保険(任意労災)に加入している場合は国の労災の上乗せとして支給されます。しかし通勤災害と認定されない場合は労災の上乗せ保険(任意労災)も不支給となります

・フルタイム補償特約の活用

労災上乗せ保険の特約にフルタイム補償特約があります。役員や従業員、パート、アルバイトが業務中はもちろんプライベートも含めて24時間のケガの補償を出来る特約となります。通院日額や休業補償などを手厚く付帯する事により、プライベートを含めて万一のケガで従業員が働けなくなった際に補償をすることが出来ます。

また通勤・退勤中の事故で、通勤の経路からの中断や逸脱などで通勤災害と認められない場合でもフルタイム補償特約付きの労災上乗せ保険であればお支払いできる可能性があります。ただし、被保険者の故意や重過失、無資格運転、危険な運動やモーターレースなどお支払いできない場合も約款に記載されております、またパートやアルバイトも補償の範囲に含まれるのかなど各保険により補償内容も若干異なりますのでご検討をされる場合はしっかりと内容をご確認ください。

・通勤時の賠償事故

従業員が通退勤時に他人にぶつかりケガをさせてしまったり、他人の物を損壊や汚損させてしまうような事故を起こしてしまった場合、当事者である従業員が賠償責任を負うケースがあります。また、従業員に賠償能力がない場合、会社が雇用主として責任を問われてしまう可能性もあります。万が一事故を起こした際に困らない為にも、自動車通勤であれば自動車保険の加入の有無を確認し、自転車や電車や徒歩などで通勤する従業員に関しては個人賠償責任保険や日常賠償責任保険の加入の有無を確認しておく必要があります。

今回のまとめ

通勤災害に関しては、合理的な経路の解釈や逸脱や中断の範囲など考え方が複雑で通勤災害になるのか否かの判断が難しいケースがあります。被災した従業員に対して誤った説明をしてしまうとトラブルの基となる可能性があるので十分に内容を理解しておく必要があります。また、ご案内したフルタイム補償の労災上乗せ保険(任意労災)でカバーすることも出来ますのでご心配の方は一度、お問い合わせください。

 

通勤災害に関する任意労災や損害保険のご相談は株式会社保険ポイントへご相談ください。弊社スタッフがわかりやすく丁寧にご案内いたします。

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