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製造業E&O保険で補償できるもの

製造業E&O保険で補償できるもの

PL保険は、製造・販売する製品が原因で他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまったことにより法律上の損害賠償責任を負った場合に事業者が被る損害を補償する保険です。このPL保険でカバーできないリスクに備えられるものが製造業E&O保険です。今回は、製造業E&O保険について詳しく紹介させていただきます。

【目次】

1. E&O保険とは

2.製造業E&O保険の事例

3. 今回のまとめ

 

E&O保険とは

製造・販売した商品・製品等による対人・対物事故を補償するPL保険で支払対象となっているのは被害者への「損害賠償金」や裁判・弁護士費用といった「争訟費用」等で、一般的に製品自体の損害や修理・交換等の費用については支払対象外となっています。また、間接的な損害(第三者の身体障害や財物損壊を伴わない経済損害)についても補償されません。

≪E&O保険とは≫

E&Oとは「Errors&Omissions(エラーズ・アンド・オミッション)」の略称で、Errorsは「過失」、Omissionsは「怠慢」です。「E&O保険」とは、業務遂行上の過失や怠慢が原因で起きた損害を補償する保険ということになります。PL保険などの賠償責任保険は第三者に対する身体障害や財物損壊のリスクに備えて加入するものですが、身体障害や財物損壊を伴わない経済損害は補償されません。それを補償する保険として開発されたのがE&O保険です。E&O保険は海外で発展してきたものですが、高度の専門知識と技能、高度な注意義務を要求される弁護士や公認会計士、税理士、司法書士などの国家資格を持つ専門職業において、その注意義務を怠ったことで過失や過誤を招いて顧客に経済損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合のリスク対策として日本でも定着してきました。現在E&O保険は「専門家賠償責任保険」や「業務過誤賠償責任保険」として、医師や金融事業者、IT事業者だけでなく、建築設計会社やゼネコン、製薬会社や医療機器メ-カ-など様々な分野における経済損害を補償する保険となっています。

※【参考】AIG損害保険サイト「経営お役立ち情報」

製造業E&O保険の事例

「製造業E&O保険」はE&O保険の製造業版で、総合賠償保険やPL保険では補償されない「第三者の身体障害や財物損壊を伴わない経済損害」を補償します。製造業E&O保険の対象となる事故には次のようなものがあります。

≪製造物の欠陥≫

製造した部品を精密機器メーカーへ納品した数日後、受入検査で品質不良の指摘を受け、使用により発火の恐れがあるため部品交換が必要となり出荷できなくなった、と逸失利益を請求された。

≪効能不発揮≫

製造した産業用機械をメーカーへ納品したが、機械の設計ミスにより本来の性能を発揮できなかったことで生産量が半減したとして逸失利益を請求された。

≪納期遅延≫

自社の従業員が製造ラインの機械に腕を挟まれる労災事故が発生し、一時的に生産ラインがストップしたことで取引先への納品が大幅に遅れ、取引先から逸失利益を請求された。

 

総合賠償保険やPL保険で補償対象となるものとE&O保険で補償対象となるものを「電子基板(タブレットの液晶画面の部品として使用されるもの)メ-カ-」の事例をもとにおさらいしておきましょう。

【事故】

電子基板を液晶画面メ-カ-に納品したところ、電子基板に欠陥があったことが判明

【損害】消費者(完成品の利用者)に身体の障害や財物の損壊が発生

事例) 電子基板の欠陥が原因で電子基板を組み込んだ液晶画面に異常電流が流入したことでタブレット本体が高温になり、消費者が低温やけどを負った。完成品メーカーが被害者に支払った損害賠償金について原因者である電子基板メーカーが求償された。

総合賠償責任保険(生産物・完成作業リスク)・PL保険で対応

【損害】欠陥のある部品を組み込んだことで完成品に損壊が発生

事例) 電子基板の欠陥が原因で液晶画面メ-カ-の出荷検査工程で回路がショートしてしまったため、液晶画面メーカーから液晶画面の修理費用について賠償請求された。

総合賠償責任保険(生産物・完成作業リスク)・PL保険で対応

【損害】流通した完成品の回収費用が発生

事例) 電子基板の欠陥が原因でタブレットが発火し、消費者がやけどを負った。タブレットメーカーが製品の回収を実施したが、その費用について賠償請求された。

⇒総合賠償責任保険(生産物・完成作業リスク)・PL保険のオプション特約(リコール費用補償等)で対応

損害 上記3つに該当しないが経済的損害が発生

事例1) 液晶画面メーカーの検査において納入された電子基板の欠陥が判明し、再作成されるまで製造ラインを停止せざるを得なくなったことで発生した逸失利益について液晶画面メーカーから賠償請求された。

事例2) 電子基板メーカーの工場内でスプリンクラー配管が破裂する漏水事故が発生し、電子基板の出荷が遅延したことで納品先の液晶画面メーカーから部品供給の停止により発生した逸失利益を賠償請求された。

製造業E&O保険(業務過誤賠償責任保険)で対応

※【参考】AIG損害保険製造業E&O(業務過誤)特約のご案内

今回のまとめ

身体障害や財物損壊を伴わない経済損害はPL保険では補償されませんが、事例のような損害が発生する可能性は少なくありません。総合賠償責任保険(生産物・完成作業リスク)やPL保険(リコール費用が補償されていない場合はリコール費用補償)に加えて製造業E&O保険へ加入することで、総合的に製造上のリスクを回避することができます。製造業E&O補償を賠償責任保険の特約として付帯可能な保険会社もございます。製造・販売業の皆さまにお勧めのリスク対策です。気になる方はお近くの保険代理店までお気軽にお問い合わせください。

 

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