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【実例】実際にあった事例をもとに考える製造業における「PL保険」の必要性

【実例】実際にあった事例をもとに考える製造業における「PL保険」の必要性

PL保険という保険をご存じでしょうか?正式には生産物賠償責任保険のことを言います。アメリカでは以前から制度化されていた法律ですが、日本においては、PL法として1995年(平成7年)に初めて制定されました。愛知県は特に製造業も盛んで古くからモノづくりの街と言われています。PL法が出来たことによって被害者を救済することが手厚くなり、企業様が抱えるリスクに対して、なくてはならない保険になってきました。

今回はPL保険(主に製造業)の必要性についてご説明させて頂きます。

【目次】

1.PLとはProduct Liability=製造物責任のことをいいます

2.どのような事故が起こるか予測がしづらい

3.PL保険の必要性と今回のまとめ

 

PLとはProduct Liability=製造物責任のことをいいます

PL保険とは賠償責任保険の中でも、製品の欠陥によりその消費者となる第三者が体の障害又は財物の損壊を被った場合、その製品の製造に関与した事業者が被害者に対して法律上の損害賠償責任を負った際に補償できます。PLとはProduct Liability=製造物責任のことを言います。製造物の欠陥や不備については予想することも難しく、いつどのように事故が発生するかわからないものです。また、それが飲食物や人の肌などに関するようなデリケートな状況においては、特に重要な保険ともいえます。

どのような事故が起こるか予測がしづらい

では事故事例をみてみましょう。

製造した自転車に不備があり利用者が転倒、骨折した。

製造した電気製品に欠陥があったせいでお客様の家が火事になった。

製造した化粧品が原因で肌にしみが出来てしまった。

上記の3つめの事例については、皆様の記憶にも残っている方が多いかもしれません。2014年にカネボウ化粧品の美白化粧品を使って肌に白斑が残ったとして、数名の被害者がPL法に基づき同社に4700万円の損害賠償を求めました。しかし、同社は「化粧品の開発時に、白斑被害は予想できず賠償責任は負わない」と反論しました。PL法には欠陥製品を販売しても当時の専門知識では欠陥を認識出来なかったなら賠償責任は生じないとする免責事項があります。同社はこれの適用を求めました。そして最終的には和解が成立しましたが和解内容も非公開のままとなりました。

さらに、下記にて訴訟事例をまとめました。

過去に起こったPL法による訴訟事例

2015年12月東京地裁 灯油容器灯油漏れ事件 ポリエチレンの製造会社 請求額944万円

ポリエチレン製灯油容器の溶着不良により、店舗内および自動車内に灯油が漏れたことにより損害が発生しました。

2012年12月静岡地裁 小麦由成分含有石鹸アレルギー事件 石鹸などの医薬品等製造会社 請求額8000万円

小麦由来成分を含有している石鹸を洗顔などに使用したところ、小麦アレルギーに罹患しました。

2012年4月名古屋地裁 介護ベッド頸部圧迫死亡事件 ベッド製造販売会社(医療法人) 請求額5120万円

リハビリテーションを受ける目的で転院した病院で使用した介護ベッド側面の頭部側の転落防止柵(サイドレール)と足部側の転落防止柵(サイドレール)のすき間に、右側頸部をはさまれ、頸部圧迫により窒息死しました。

2012年4月大分地裁 美容マスク顔面皮膚障害事件 化粧品製造販売会社 請求額261万円

美容のマスクを使用方法にのっとり使用しました。数日後、顔面と上肢に発疹および痒みを生じ、黒皮症で通院することになりました。

2011年6月大阪地裁 エアコン火災建物焼失事件 家庭用電気機械器具製造会社 請求額3374万円

エアコンの室内機からの発火により建物や家財道具が焼失しました。

 

様々な事故が起きています。

上記のように、何が原因なのか、きっかけがどこからなのかさえわからず、どのような事故が起こるか想像がつかないのも特徴といえます

PL保険の必要性と今回のまとめ

各保険会社によって違いはあるようですが、PL保険がカバーできる期間はおおむね1年と見といた方がいいようです。製造業であればモノの製造後1年間となります。

こちらも各保険会社によって違いはありますが、対象となるのが、法律上の損害賠償責任の金額や損害防止用費用・緊急措置費用・争訟費用・裁判・和解等にかかった費用等が保険適用となります。

逆に補償対象外となるのが重過失です。ミスが重大過ぎる場合は『重過失』となり『故意』と同じ扱いになり対象外となります。

また、放射性物質・爆発物・アスベスト・汚染物質も対象外となります。

最後にこの保険の注意すべき点として、PL保険では免責金額を設けている場合がわりと多いことです。免責金額を設けると保険料がお安くなる可能性はありますが、その分実際に使用する際弊害もございます。

保険金額や免責金額は、保険会社から発行される保険証券に記載があるので、一度現保険内容の証券を見返してみることをお勧めします。

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