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建設業では”1億越え”の高額賠償事故も起きています

建設業では”1億越え”の高額賠償事故も起きています

法人や個人事業主として建設業を営むうえで、工事中に塗料を飛ばしてしまった、リフォーム工事で壁に穴を開けてしまった、外壁工事で物を落下させてしまい通行人にケガをさせてしまったなど誤って第三者に対して賠償事故を起こしてしまう危険性があります。

自動車を運転する際に民間の自動車保険に加入するように、いつどんな事故が発生するかわからないので建設業を営む上では賠償保険への加入は必須かと思います。

注意しないといけないのは、会社の規模や請負金額の大小に関わらず賠償事故が発生した際には、一億円を超えるような高額な賠償事故に発展してしまう危険性があるという事です。今回は実際に発生した高額賠償の事例のご紹介をしていきたいと思います。

【目次】

1.地下1階のパチンコ店全体に水濡れ損害

2.溶接の火花で4億円近い請求

3.今回のまとめ

 

地下1階のパチンコ店全体に水濡れ損害

水濡れ損害による、高額な賠償事例をご紹介します。

事故の概要(配管に接触して保険金1億円を超える請求)

建設業を営む事業者がビル1階の改装工事中に小型重機がスプリンクラー配管に接触、止水できるまでの約10分間放水され地下1階のパチンコ店全体に水濡れ損害が発生した。被害を受けたパチンコ店より1億円を超える賠償金の請求を受ける。

損害賠償2億5520万円で争訟に

損害賠償金の内訳

内装・設備・機械類の損害 ¥63,930,000

営業損害         ¥154,910,000

再開時の諸費用      ¥6,780,000

弁護士費用        ¥10,000,000

損害賠償請求額合計    ¥235,570,000

損害を与えてしまった内装・設備・機械類の復旧にかかる損害は約6300万円ですが、注目して頂きたいのは、4カ月の休業期間の営業損害として約1憶5000万円の賠償請求を受けている点です。賠償事故が原因で被害者が休業を余儀なくされた場合、休業期間の営業損害を請求されてしまいます。被害者は休業の損害賠償を請求する場合は、営業損害の金額や損害内容を客観的事実に基づき証明する必要があります。営業損害について法律上の賠償責任を負う場合は損害賠償保険での補償範囲となります。

判決

今回の事故は裁判にて損害額が決定されましたが、大きな争点となったのは休業損害です。算定の基礎となる推定売上高、利益率、本件事故と相当因果関係のある休業期間などが争いとなりました。事故から4年後の判決で賠償保険金の合計は遅延損害金を含めて¥100,000,000で決着しました。

被害者企業の規模によっては休業損害は億単位になり得ます。

今回のケースでは、事故前の一年間の売上高(6.6億)・認定休業期間(4カ月)・利益率などから1憶5000万の休業損害の請求に対して実際には4700万円が損害額として認定されました。

溶接の火花で4億円近い請求

溶接作業中の火花から火事が発生し、4億近くの請求となった案件をご紹介します。

事故の概要(溶接の火花から引火)

建設業を営むA社の下請業者が建物2階で溶接作業中にバーナーの火花が1Fの店舗に保管してあった商品に落下して火災が発生。スプリンクラーや防火カーテンなどが無く、消防の侵入口も道路側にしかなく消火に手間取りました。その結果隣接する建物とともに2棟の建物が全焼し建物内の商品や設備も全焼してしまいました。

当初、請求された損害額¥397,000,000

建物損害➀¥50,000,000 保険会社より求償で調停に

建物損害②¥35,000,000 保険会社より求償で調停に

商品損害¥280,000,000 保険会社より求償で訴訟に

設備什器¥25,000,000  テナントより請求

その他類焼先¥3,000,000 直接弁済

家賃補償 各¥2,000,000 建物大家に対して各々

合計 ¥397,000,000

この場合の求償とは、被害者が加入している火災保険で被害者に保険金が払われますが、保険会社が加害者(A社)に対して損害賠償を請求することです。

各請求者との交渉である程度の減額に応じてもらいましたが、結果的に総額¥200,000,000の損害賠償金を支払う事になりました。

実際には、2億円の損害賠償金のうち1憶円は加入していた損害賠償保険(支払い限度額1億円)から支払いを受けることが出来ましたが、残りの1憶円は自腹となってしまいました。

溶接・溶断作業から火災になるケースは多い

溶断機・切断機を原因とする火災は2019年の1年間411件発生しております。過去の事例にも建物外壁内側の断熱材に引火し大規模な火災に至ったケースが複数件あり、また作業中の引火だけでなく落下した火元が長時間かけて可燃物に引火し作業後帰宅した後で出火に至ったケースもあります。

また、故意や重過失でなければ失火法により不法行為責任を負担しないとされておりますが、この事故では養生不足が明らかであったため、加害者に重過失があったとの判断がなされました。

最近の判例では、事業者が養生不足等で溶接火花が作業範囲外に飛散した場合、「重過失」が認められやすい傾向があるようです。

今回のまとめ

今回、高額賠償事故事例として取り上げたように水濡れ事故や火災は一歩間違えると高額な賠償事故に発展しやすいです。一部の建設業の事業主の方の中には、請負金額や会社の規模が小さいうちは大きな賠償保険の補償は必要ないと考えている方もいらっしゃいますが、請負金額の大小に関わらず高額な賠償事故が発生してしまう危険性はございます。

賠償責任保険の加入の有無はもちろんのこと、補償内容や補償金額なども確認しておくことをお勧めしております。

また、多くの建設業さまでご加入している賠償責任保険は支払い限度額が1憶円まで補償する内容の証券がほとんどです。仮に一億円までの補償を3億や5億円までの補償に変更しても2倍・3倍と大幅に保険料が高くなる訳ではないので、気になる方は是非、一度お問い合わせください。

 

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