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WBGT値の活用と熱中症対策

WBGT値の活用と熱中症対策

2023年の夏も恐ろしいほどの暑さで、多くの方が熱中症で亡くなられました。毎年更新される暑さから引き起こされる熱中症には、一段と警戒が必要となります。今回は過去の熱中症の事例やデータから熱中症災害の傾向などについて触れていきたいと思います。

【目次】

1.6月から猛暑日!熱中症の危険あり

2.暑さ指数WBGT値の把握が必須

3.今回のまとめ

 

6月から猛暑日!熱中症の危険あり

◎2022年を振り返る

2022年は6月から記録的な暑さとなり、群馬県伊勢崎市では6月25日に最高気温40.2℃を観測し6月としては全国初の40℃越えとなりました。さらに7月1日には同じ日に全国6地点で40℃超を観測しました。6月25日から7月3日にかけて過去最長となる9日連続の猛暑日を記録するなど信じられない事態となりました。2022年の職場での熱中症災害の死傷者は805人、うち死亡者数は28人となり例年と比べて大幅に増加しました。2023年夏も同様に記録的な暑さを観測しています。家の中などでエアコン等を適切に利用していても死亡するケースも出ており、ますます熱中症対策への備えが必要です。

◎過去の熱中症災害データ分析

「令和3年職場における熱中症による死傷災害の発生状況」厚生労働省を基に傾向を見てみましょう。(2017年~2021年のデータ)

  • 月別

死傷者数、死亡者数ともに8月が最も多発しています。8月にはお盆休みがあり実労働日が少ないことを考えるとかなりの発生率の高さになります。8月は年で一番暑い時期を迎えることに加え、暑熱順化していた体がお盆休み等で涼しい場所で過ごすことにより元に戻ってしまい、盆休み明けに体温調節が上手くいかず熱中症災害が発生しやすくなります。

  • 時間帯別

時間帯別でみると死傷者数が一番多いのは15時台となり、次いで14時台、11時台が続きます。注目すべきは13時台の少なさです。13時台は、11時台に比べて気温は高いですが、死傷者数は11時台の7割程度です。これは、お昼休憩により午前中に溜まった熱を出すことができ、水分補給や休憩をしっかりとることが出来たことが要因です。熱中症対策には、休憩と水分・塩分の摂取が重要なのです。

  • 屋内災害割合

業種別の屋内割合をみると製造業は46.0%と最も高い割合を占め、2人に1人が屋内で発症していることになります。炉などの熱源の近くや高温多湿の室内環境、冷房設備の故障時などで発症しているとされています。

  • 年齢階層別

年齢階層別にみると50代後半以降と10代、20代前半が高くなっています。50代以降の高年齢者の発生率が高いのは、高年齢になると基礎体力の低下とともに暑さを感じにくく、のどの渇きをあまり訴えなくなり、それにより水分摂取が十分にできてないことが指摘されます。

毎年、残念ながら熱中症による死亡災害が発生しており業種別では、建設業が最も多く、農業や製造業、警備業等でも発生しております。

暑さ指数WBGT値の把握が必須

◎WBGT値、暑さ指数とは

熱中症が発生した現場では、熱さ指数であるWBGT値を把握せずに作業を行っていたケースが散見されます。熱中症に対する安全教育の徹底とWBGT値の把握と活用が大切です。暑さ指数(WBGT値)とは、人体の熱の溜まりやすさを①湿度②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境③気温の3つを取り入れた指標です。

◎2021年に発生した熱中症による死亡災害事例とWBGT値

1.5月 建設業 10代 WBGT値30.8   

型枠解体中に気分が悪くなり休憩、10分後に意識喪失し救急搬送

2.7月 建設業 50代 WBGT値31.5   

昼休憩の数分後、ぐったりしている所を発見され救急搬送

3.7月 建設業 30代 WBGT値30.0   

片づけ作業中に体調不良。休憩中に意識を喪失し救急搬送

4.7月 建設業 50代 WBGT値30.7   

擁壁改修作業中、体調不良で休憩。2時間後に意識喪失し救急搬送

5.8月 建設業 40代 WBGT値30.4   

配管作業中、ふらつき倒れ救急搬送

6.8月 農業  50代 WBGT値29.8   

ビニールハウス内での作業中に体調不良。外で休憩後、車で帰宅中、意識喪失し緊急搬送

7.8月 農業  50代 WBGT値32.0   

植木作業中に倒れている所を発見され緊急搬送

8.8月 製造業 60代 WBGT値30.5   

ガス溶接作業中、体調不良。日陰で休憩していたが倒れ嘔吐。応急処置後、救急搬送

 

熱中症警戒アラートを活用し暑さ指数を把握することが大切です。WBGT値が30を超える現場では、事例のように熱中症による死亡災害の危険性が高まります。また休憩中に容体が悪化し緊急搬送された方や、帰宅途中に容体が悪化し緊急搬送された方もいますが、素早く緊急搬送を行っていれば助かった可能性もあります。病院に行くかどうか判断が難しいですが、最悪のケースを考えると迷う場合は。緊急搬送が望まれます。

今回のまとめ

休憩場所や休憩時間の確保、水分・塩分の補給、身体を冷却する機能を持つ服の着用など対策を行った上で、朝食の未摂取、睡眠不足や二日酔いなど熱中症のリスクを高める行動は極力避けましょう。また労災上乗せ保険等では、熱中症なども補償できる商品もありますので、万一に備えて検討してみて下さい。

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