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はさまれ事故による死亡労災の事例からの対策とそれにまつわる損害保険とは

はさまれ事故による死亡労災の事例からの対策とそれにまつわる損害保険とは

おなじような労災事故が起きぬためにも事故事例から学べることはたくさんあります。建設業においては仕事内容から危険と隣り合わせになっていることもあり、小さなおケガから死亡に至るような重大災害まで幅広く事故が起きています。今回はそのなかから特に注目したい死亡労災の事例を取り上げ解説していきます。

【目次】

1.クレーン作業で鉄骨にはさまれた死亡労災の事例とは

2.労災事例から学ぶ対策と損害保険の備えとは

3.今回のまとめ

 

クレーン作業で鉄骨にはさまれた死亡労災の事例とは

事例のご紹介となります。

移動式クレーンの荷台から鉄骨を降ろす作業中に被災者が荷台から滑り落ちてきた鉄骨と近くにあった鉄骨の間に挟まって死亡

【発生状況】

自社作業場にて車両積載型トラッククレーン(つり上げ荷重3t未満、以下「移動式クレーン」という)を用いて、荷台から鉄骨を敷地内に降ろす作業を行っていた。移動式クレーンは荷台に積まれた2本の鉄骨のうち1本(質量約1t/本)をつり上げた状態で、運転席側の地面に設置された角材の上に鉄骨を降ろそうとジブを左旋回した。運転席側のアウトリガー(転倒防止のため車両両側に伸ばす支え)を張り出していなかったため、移動式クレーンは安定度を失い転倒した。移動式クレーンが転倒した際に荷台に残っていた鉄骨1本が滑り落ち、鉄骨が回転しないように手で押さえていた被災者は、すでに地面に置かれていた同型の鉄骨との間に胴体がはさまれた。被災者はすぐに病院に搬送されたが死亡した。

【原因】

1.運転席アウトリガーを最大まで張り出しをしなかったこと

2.作業前にアウトリガーの最大張り出しの確認を行っていなかったこと

3.上記1の結果として、定格荷重を超える質量の荷をつってしまったこと

4.移動式クレーンの作業計画の作成を行っていなかったこと

5.当日の作業開始前に、当日の作業に関する打ち合わせやクレーン作業における合図の決定、作業開始前のKY活動やリスクアセスメントなど必要な安全活動を行っていなかったこと

上記をみますと、やはり確認の不足や規定をはずれた質量をまもっていなかったなどの明らかな要因がはっきりしているように感じます。

※厚生労働省 職場のあんぜんサイト記事参照

労災事例から学ぶ対策と損害保険の備えとは

では次にこの労災事例からの対策と損害保険の備えについて触れていきます。

【対策】

1.アウトリガーを有する移動式クレーンを用いて作業を行うときは、原則として最大までアウトリガーを張り出してからクレーン作業を行うこと

2.アウトリガーを最大まで張り出しているかどうか、指差呼称等により確認し、確実に行うこと

3.移動式クレーンを使用して作業を行うときは、荷の質量及び定格荷重を確認し、定格荷重を超える荷重をかける作業を行わないこと

4.移動式クレーンの作業計画を作成し、現場入場者に対して周知すること

5.作業開始前に当日の作業に関する打ち合わせやクレーン作業における合図の決定、KY活動やリスクアセスメントなど必要な安全活動を行うこと

※KY活動とは、、、

日々の作業の手順の中に隠れている「不安全状態」の発生や「不安全行動」を行ってしまう心理状態を明らかにし、作業者自身が対策を考えて実行することを目的としておこなう自主的な安全活動のことを危険予知活動、またはその頭文字を取ってKY活動といいます。KY活動は他に、危険予知活動すべての頭文字からKYKといったり、危険予知トレーニング(KYT)、危険予知訓練等、さまざまな呼称があります。

 

ちょっと気を付けていればこんなことにならなかったのに、、とおもう経験は誰しもお持ちかもしれません。KY活動とは簡単に言うとヒューマンエラーやリスクテイキングを避けるため、「前もってちょっとだけ気を付ける」ことです。とはいえ、単純に「気を付けていれば」良いということではありません。KY活動の基本的な手法には基礎となる4つのラウンド法というものがあり、これによって成り立っています。

KY活動の基礎4ラウンドとは

1R「どんな危険がひそんでいるか」→より多くの危険をみつける

2R「これが危険のポイントだ」→重要なものに絞り込む

3R「あなたならどうする」→より多くの対策を考える

4R「私たしはこうする」→対策を絞り込む

以上の4つの基礎4ラウンドの段階を経て、こんな作業においてはどのような危険が考えられるか、どんなケガをする恐れがあるのか、参加者全員でとにかくたくさん予測することがとても大切な作業となります。また、それでも起きてしまう重大災害のための労災の上乗せ保険を民間の保険会社で備えておくこともお守りとなります。多くの労災の上乗せ保険では政府労災では足りない部分、いわゆる万が一の企業防衛にもなりうる慰謝料を用意することができるため、企業経営者にとっては心強い備えとなります。

今回のまとめ

今回は、クレーン作業で鉄骨にはさまれ死亡するという重大な労災事故について事例をもとに解説していきましたが、起きぬためのKY活動や起きてしまった際の損害保険の備えなど、あらかじめ準備できることを考え実行に移すことで、日々の作業の安心に繋がるかも知れません。

 

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