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「なぜなぜ分析」で企業体制の見直しを
「なぜなぜ分析」という言葉を聞いたことはありますか?起こった事象に対して「なぜ?」という問いかけを繰り返していく事によってミスの原因を追究し、再発防止策や業務改善案を導き出す手法です。現場にうまく取り入れている企業もあるかと思いますが、導入してもなかなかうまくいかないケースもあるようです。どうすれば根本原因にたどり着き、改善方法にたどり着けるのか、みていきましょう
【目次】
1.そもそも「なぜなぜ分析」とはなんでしょうか
2.現場に導入してもうまくいかない時の3つの理由
3.トラブルは起こるもの。万が一には保険で備えよう
4.今回のまとめ
そもそも「なぜなぜ分析」とはなんでしょうか
なぜなぜ分析は、発生した問題の原因を追究して再発防止策を立てるための手法です。
起こった事象に対して「なぜ?」を繰り返すことで、直接的な原因だけでなく、その背後にある根本原因も掘り出そうという狙いがあります
一般的には、5回「なぜ?」を繰り返すと、根本的な原因にたどり着くことができると言われています。
【なぜなぜ分析 事例】
◆ミスの内容
不良品が出荷検査を通過して出荷されてしまった
↓ それはなぜ?
原因① 出荷検査で不良品が見落とされていた
↓ それはなぜ?
原因② マニュアルに沿った検査がきちんとできていなかった
↓ それはなぜ?
原因③ マニュアルの検査項目を一部見落としていた
↓ それはなぜ?
原因④ 検査項目が文章形式のみで掲載されており、分かりづらかった
↓ それはなぜ?
原因⑤ 作業現場での見やすさを考慮しないでマニュアルが作られていた
このように、事象に対して、「なぜ」を繰り返していく事で原因を探ります。例のようなケースであればマニュアルのレイアウト見直しをする、作業工程に対して抜けや漏れがないようチェックリストを作るなどの対策を講じることができます。
現場に導入してもうまくいかない時の3つの理由
上手く使えば効果的な「なぜなぜ分析」ですが、実際の現場に導入してもあいまいな結論になったり、単なる個人への責任追及で終わってしまう場合があります。
【理由①】問題定義が曖昧
解決したい問題が曖昧だとうまく深堀りができません。「何がどの程度どうなのか」を事象の発生から振り返り分析をスタートしましょう。例えば「納期に間に合わなかった」という大枠で分析を始めてしまうと、単に人員不足だったから、繁忙期だったから・・・となり、解決への導きとなりません。具体的に「何月何日の納期だったのに1週間遅れてしまったのはなぜか?」など問題点を具体的に提示して掘り下げていくことが大切です。
【理由②】個人に対する責任追及で終わってしまい、組織の仕組みを振り返らない。
なぜなぜ分析が、単なる犯人捜しで終わってしまうケースも多くあります。例えば「Aさんが作業工程を守らなかったことで、機械に不具合が発生した」「Bさんの業務態度が悪くてお客様を怒らせてしまった」という問題事象を分析する際、その原因をAさんやBさんだけの問題にしてしまうと、組織的な再発防止策にはなりません。Aさんの作業工程のミスやBさんの勤務態度が何によって引き起こされたのか、組織としてその仕組みに振り返るべき点はなかったかを考えることが大切です。
【理由③】情報収集の体制ができていない。
問題が発生した時、日ごろから社内のコミュニケーションができていないと、大切な情報が集まらず、問題を取りこぼしてしまいます。そうすると、新たな気づきがないので、過去の経験や知識のみで問題解決に挑むようになり、今までと同じような原因と対策を取る事しかできません。効率よく情報を集めるために意識すべきは「報連相のしやすい職場環境です」。
トラブルは起こるもの、万が一には保険で備えよう
人がやることには、間違いやトラブルは起こるものです。なぜなぜ分析などで今後の再発防止対策を考えることも重要ですが、それと同時に「万が一の大きなトラブルに備える体制があらかじめできている」ことも同じくらい重要です。企業で起こりうる、以下のような事態に備えられる体制は整っていますか?
◇従業員のケガや病気による入院、長期間の休業に対する金銭的補償
◇事業活動を行う中で発生した対人・対物事故に対する賠償責任に対する補償
◇会社役員が業務遂行上の過失等を理由として損害賠償責任を負った場合の補償
◇企業が所有、使用、管理する個人情報が漏洩した場合の賠償リスクへの補償
etc・・・・・
このような事態が一度でも生じると、金銭面でも社会的な信用面でも大きな打撃を受ける可能性があります。上記のような補償を受けられる保険にあらかじめ加入しておくことでリスク管理を行うことができます。
今回のまとめ
「なぜなぜ分析」の狙いは、問題の根本原因を対策し、再発を防止することです。正しく行うことで会社の収益の増加、職場の安全性の向上などが期待できます。
また「なぜ」を繰り返すことで物事の理屈、新たな気づきを得ることができ、また互いに分析しあうことで職場の一体感も生まれます。
場当たり的な思い付き、勘や経験、結論ありきの解決方法では、本当の意味での再発防止にはなりません。全員で一度まっさらな状態から「なぜ?」と問いかけることが大切です。活用することでコツをつかみ、スムーズに問題を深堀り出来るスキルを社内全体で身に着けていけると良いですね。
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