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コロナ禍ですすむデジタル化とリスクに損害保険で備える

コロナ禍ですすむデジタル化とリスクに損害保険で備える

コロナ禍の今、大手企業の中には全面的にテレワークへと移行しようと試みている会社も多いようです。中小企業においても、生産性向上や、働き方改革、事業継続力の強化の観点からデジタル化の重要性が急速に高まっています。皆様の会社でも、働き方がコロナ前と比べてずいぶん変わったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

従業員のテレワーク、販売活動のオンライン商談、SNSを利用しての告知や広告など、今後さらに高まっていくであろうIT化、デジタル化に関して、注意すべきことはなんでしょうか。みてみましょう。

【目次】

1.テレワークが進んだ背景とは?

2.働き方改革、テレワーク促進によるリスクとは?

3.テレワーク保険の主な中身について

4.今回のまとめ

 

テレワークが進んだ背景とは?

新型コロナウイルスの世界的な拡散に端を発し、当初2020年7月から開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックが2021年7月に延期されました。(※2021年6月現在の情報です。)新型コロナウイルスの拡散を食い止めるため政府や地方自治体が中心となり、各企業や個人に対し在宅勤務・テレワークを推進しつづけています。実際に、コロナの拡がりによって、はじめてテレワークになったという企業も多いのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの問題がなかったとしても、元々、テレワークを積極的に導入するよう、政府主導で各企業・組織に働きかけをしていたタイミングでした。理由は、通勤で交通機関を利用する機会を減らして、東京オリンピック・パラリンピック開催中の首都圏の混雑を回避するためです。各企業・組織でも2020年7月をめどにテレワークを新たに導入したり、拡大する方針で、社員に対するセキュリティ教育や社内ネットワークの堅牢性の調査など、準備を進めている最中でした。ところが、準備途中だったものを新型コロナウイルス問題への対処のために、計画より半年近く前に、見切り発車でテレワークに切り替えたのですから、セキュリティ教育などするまもなく放り出されたのが現状です。

働き方改革・テレワーク促進によるリスクとは

厚生労働省でも「テレワークの導入・運用ガイドブック」などを作成し、働き方改革の一つの手法としてテレワークを積極的に推進してきました。ガイドブックでは、テレワークの導入・運用に関して、例えば次のような対応が必要だと解説しています。

・セキュリティガイドラインを策定すること

・VPN回線を経由して社内ネットワークにアクセスするシステムを構築すること

・自宅等、執務環境となる場所では、オフィス同様の物理的セキュリティ対策をすること

実際は、セキュリティガイドラインを策定しても全社員に周知徹底するのに数年を要することでしょう。さらに、全社員にモバイルPCを付与し、テレワーク用の設定をするのに膨大なコストがかかります。自宅においても、勤務する部屋に子供や家族が近づかないようにするというのは現実的ではありません。

テレワークの導入準備には大きくコストがかかるため、すでにテレワークを導入している企業においても、完璧な準備などできるはずもないまま、テレワークを実施しているのが現状です。また、テレワークにプライベートのコンピュータを使用する場合、セキュリティ対策は社員個人に大きく依存するため、対策が甘くなりがちです。

情報漏えいの原因は、不正アクセスによる漏えいが20.3%、誤操作による漏えいが24.6%です。これらはオフィス内勤務でも発生しうる原因ですが、意外にも紛失・置き忘れによる漏えいが26.2%に達しており、情報漏えい原因の第一位となっています。テレワークでは、モバイルPCの紛失・置き忘れという人為的ミスが発生するリスクが高まる点にも注意が必要です。

テレワーク保険の主な中身について

テレワークに起因するリスクを低減するという「テレワーク保険」では、このようなテレワーク推進によるデメリットはカバーされるのでしょうか。「テレワーク保険」の補償対象は”テレワーク時に特化した事故”です。保険会社各社の特色もありますが、補償範囲としては大きく次のように分けることができます。

□損害賠償金に関する備え

モバイルPCの紛失・マルウェア感染・メールなどの誤送信などによるセキュリティ事故について、被保険者が損害賠償責任を負担することで生じる損害を補償します。弁護士費用も含まれます。セキュリティ事故とは、PC内のデータの消失・情報漏えい・不正アクセスを指します。

□対応費用に関する備え

セキュリティ事故に起因して生じた各種費用を被保険者が負担することで生じる損害を補償します。

・原因調査費

・超過人件費

・情報漏えい被害者へのお見舞金

・お詫び広告費

・コールセンター設置費

・再発防止費用

などが対応費用に含まれます。たとえば、サイバー攻撃を受けた場合には感染経路や感染範囲などを特定するための調査を行いますが、その原因調査費は補償対象となります。

その他にも、テレワーク中に従業員が肉体的、精神的苦痛を負い心身に損害が発生した場合の従業員からの損害賠償請求に備える「使用者賠償責任」、リモートでのハラスメント、差別、嫌がらせを理由に行われる従業員からの損害賠償請求に備える「雇用慣行賠償責任」などもセットすることができる保険もあります。

今回のまとめ

新型コロナウイルス対策によるテレワーク推進がきっかけとなり、今後業務のデジタル化やテレワークがさらに浸透していくことは間違いないでしょう。各企業や組織がまず徹底すべきなのは、業務のデジタル化によるガイドライン策定・社員教育・セキュリティソフトウェア使用の徹底などのセキュリティ対策です。その上で、万が一事故が発生してしまった場合のリスクヘッジとして、こういった保険を検討、活用するのがおすすめです。

 

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