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自動車事故を防止する「テレマティクス」とは

自動車事故を防止する「テレマティクス」とは

ここ数年で企業経営者の皆さまの認知度・関心が高まっているテレマティクスですが、実際にどのようなものなのか的確に説明できる、という方は未だ多くはないように感じます。

自動車事故では、対物事故で発生する車両の修理費や賠償金、対人事故による治療費や慰謝料・逸失利益等の賠償金といった金銭の問題だけでなく、企業イメ-ジの低下や風評被害、他の従業員への業務負担増加といった様々なリスクが生じます。自動車事故を減らし、また事故を起こさない仕組みづくりに役立てることができるツ-ルとして注目されている「テレマティクス」について理解を深めていきましょう。

【目次】

1.テレマティクスとは

2.テレマティクスとドライブレコ-ダ-の違いとは

3. 今回のまとめ

 

テレマティクスとは

テレマティクス【telematics】とは、自動車などの移動体に無線情報や情報システムを統合した移動体通信システムを利用してサ-ビスを提供することで、【telecommunications(遠隔通信)】と【informatics(情報科学)】の造語です。

リスクマネジメントで頻繁に活用されているハインリッヒの法則によれば、重大事故1件に対して小さな事故が29件、顕在化しないヒヤリハットが300件潜んでいるといわれています。自動車事故においては、人身事故などの重大な事故が1件発生すれば、自損事故等の比較的軽微な事故が29件発生しており、交通事故につながる「ヒヤリハット運転」が300件潜んでいることになります。

「ヒヤリハット運転」の母数を減少させ、人身事故や自損事故を削減することが交通事故対策となりますが、「ヒヤリハット運転」は事故報告書で報告されることがなく、同乗していない限り経営者や管理者が把握することはできません。顕在化しないこの「ヒヤリハット運転」の潜在リスクを可視化し、リスクの高い運転者に効果的に改善指導を行うためのツ-ルが【テレマティクス】です。

 

 

≪テレマティクスでできること≫

◆事故削減体制の構築

・運転傾向(成績)の分析や危険運転場所を確認することで、ドライバ-ごとに効果的な指導ができる

・急ブレ-キや速度超過といった危険運転が発生した場合に管理者へメ-ルが届くことによる「ヒヤリハット運転」の把握

◆業務のサポ-ト

・手間のかかる運転日報・月報の記入や運転成績表が自動で作成できる

・車両の稼働状況が確認でき、私的利用の有無や使用時間帯などの車両使用実態を把握することで労務管理に活かすことができる

・日別の最大同時使用車両数が中長期的に確認でき、利用頻度の低い車両の有効活用や廃車等、経費の削減につながる

◆燃費の改善

・運転時の操作を点数化することで急加速や急ブレ-キを削減し安全運転を意識させ、燃費が改善される

※テレマティクス取扱会社や使用する機器により確認できる内容は異なります。

テレマティクスとドライブレコ-ダ-の違いとは

認知度が高まりつつあるテレマティクスではありますが、ドライブレコ-ダ-を指していると思われている方も少なくありません。テレマティクスとドライブレコ-ダ-では、そもそもの導入目的が異なります。ここではその違いを詳しくみていきたいと思います。

「ドライブレコ-ダ-」は事故や急ブレ-キ、急ハンドルなどで車両に大きな衝撃が加わったときにセンサ-が感知し、その前後の映像と音声を記録する車載機器です。事故の際の証拠となるだけでなく、あおり運転などの危機対策として既に活用されている方も多いのではないでしょうか?

事故時の映像が保険会社へ自動送信される、保険会社へ自動報告されるといった機能とあわせて低料金でドライブレコ-ダ-を設置可能な自動車保険の特約として取扱っている保険会社もあります。保険会社経由でドライブレコ-ダ-を設置することについての是非はさておき、ドライブレコ-ダ-は【事故が起きた後】のアフタ-ケアを目的としているのに対して、「テレマティクス」は正確な運行デ-タや車両・燃費データ等の取得、業務効率化に貢献する【事故発生前】のリスク回避を目的としているため、その目的は全く異なります。

企業の経営者・管理者の皆さまが、事故が起こった後の迅速な対応や充実した事故後のケアを求めている場合は「ドライブレコ-ダ-」は非常に有効ですし、そもそも事故を起こさないように体制を作りたい・事故を減らしたいというリスク回避を求めている場合は「テレマティクス」が有効です。

今回のまとめ

同じ車載機器ではありますが、【テレマティクス】と【ドライブレコ-ダ-】では活用の目的が大きく異なることがお判りいただけたのではないでしょうか?

保有している自動車の台数に関わらず、従業員による事故が少なく、万が一事故が起きた場合の備えを重視したい、という企業様においては【ドライブレコ-ダ-】を導入する、またはご活用いただくことでリスク回避につながりますし、安全講習や個別指導を行っていても事故が減らない、事故自体を減らしたい、事故を未然に防ぐ仕組みづくりを重視したい、という企業様には事故発生前のリスク回避対策として【テレマティクス】を導入する、またはご活用いただくことをお勧めします。

テレマティクスを導入することで、「会社に監視されている」というイメ-ジを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、業務中に事故が起これば当然企業責任を問われ、金銭ならびに金銭以外の被害が発生する可能性もあります。何よりも、従業員の皆さまが運転中に地震や水災などの天災に見舞われた場合等に、位置情報を素早く把握し、適切な避難指示等を出すことができるテレマティクスは、事故を防ぐことだけでなく従業員の皆さまの安全を守るためのものであるといえます。

事故後の対応や補償はとても大切ですが、事故を起こさないことはそれ以上に大切です。

事故を減らし、企業と従業員の皆さまの安全を守る【テレマティクス】についてご興味のある方は、お近くの保険代理店までお気軽にお問い合わせください。