お知らせ・コラム
建設現場で重機による事故は損害保険で対象となるか!?
建設現場では、様々な重機や建設用工作車などを使用しての作業も多いと思います。
重機を使っての作業は一つ間違えれば大きな事故に発展してしまう危険性があります。
作業員がケガを負ってしまった場合は、労災保険や労災上乗せ保険等の対象となりますが重機を使用中にモノを壊してしまった場合は工事現場の賠償保険で補償の対象となるのでしょうか?
今回は、工事現場内での重機やフォークリフトを使用中の事故について触れていきたいと思います。
【目次】
1.工事現場での建設用工作車やフォークリフトの事故について
2.車両から荷物を降ろす際に発生した事故について
3.今回のまとめ
工事現場での建設用工作車やフォークリフトの事故について
工事現場で万が一賠償事故を起こしてしまった時の備えとして、建設業様向けの事業賠償責任保険や請負賠償保険にご加入されている企業様も多いと思います。工事現場で発生した事故の中で、ユニック車、油圧ショベル・ユンボ、フォークリフト高所作業車などの建設用工作車を使用中に起こった事故のご報告を受ける事があります。その際に現場の賠償保険が補償の対象となるのか?自動車保険が対象になるのか?は事故の内容によって判断されます。
☆現場の事故で自動車保険を使用するケース
公道も走ることが可能な高所作業車やユニック車などの建設用工事作業車の中には、車検を受けて自賠責保険に加入し、さらに民間の自動車保険に加入している場合も多いです。
自賠責保険や民間の自動車保険に加入している場合は、工事現場内で事故を起こした場合は原則自動車の保険を優先して使用します。自動車保険が使用できないケースや自動車保険に加入して無い建設用工作車での事故の場合は、現場の賠償保険を使用します。
上記の内容により、公道を走らない現場でのみ使用される重機(ユンボやブルドーザー、杭打機やクレーンなど)を使用中の事故を補償したい場合は工事現場での賠償保険になります。
※ただし賠償保険に構内専用車や現場の建設作業車を使用中の事故を補償する特約に加入していないと補償されませんので確認が必要となります。
☆自賠責保険の注意点
自賠法(自動車損害賠償保険法)に基づき自動車を使用する者は、加入が義務付けられている保険です。自動車やバイクはもちろん公道を走行する場合は、フォークリフトも自賠責保険に加入することが法律で義務付けられています。
構内専用車などナンバープレートのない車両等の場合は、自賠責保険の加入は強制ではありませんが万一の事故に備えて自賠責保険もしくは、現場の賠償保険等に加入しておくと安心です。
自賠責保険は強制保険と呼ばれており、通常は車検の時にかならず加入します。加入しないと車検が通りません。しかし原付や250CCのバイク、公道も走るフォークリフトなど車検を受ける必要がないのに、自賠責の加入が義務付けられている車両もあるので注意が必要です。
☆自賠責保険に未加入の車両で事故したらどうなる
自賠責保険は、相手に傷害による損害を与えた時に治療関係費用(120万限度)や死亡(3000万限度)・後遺障害(4000万限度)などが支払いの対象となりますが、相手の車の修理代などの物損に対する補償はまったく補償されないので注意が必要です。
自賠責保険の上積みとして相手方への補償は対人対物無制限が基本となっている民間の自動車保険や自動車共済で準備しておく必要がありますが、万が一自賠責保険に加入してない車両が事故を起こしたらどうなるでしょうか?
当然ですが、民間の自動車保険にも加入してない車両が事故を起こした場合は全く補償する事が出来ません。しかし対人対物無制限の自動車保険に加入していれば自賠責保険に未加入でも問題ないように思いますが、仮に対人賠償無制限の自動車保険に加入していたとしても自賠責保険で支払いの対象となる治療費(120万限度)死亡(3000万限度)後遺障害(4000万限度)などの部分はお支払い出来ません。
また、本来は自賠責保険に加入すべき車両を構内専用車として使用して自賠責保険に未加入のケースで敷地内や現場内で事故を起こした場合も自賠責保険の支払い対象の部分は自動車保険と同様に現場の賠償保険ではお支払いの対象とはなりませんのでご注意ください。
車両から荷物を下ろす際に発生した事故について
☆自動車保険を使用する事が出来ないケース
荷物を荷台から降ろしたり、トランクの中から道具を取り出した時に隣の車などに誤ってぶつけてしまい損害を与えてしまった場合は、自動車保険が使用できないケースがあるので注意が必要です。現場内の事故で自動車保険が使用できないケースでは、現場の賠償保険がお支払いの対象となります。
自動車保険は車両の使用・所有・管理によって発生した事故が補償の対象となっており、車両への乗り降りの最中にドアを隣の車にぶつけてしまったドアパンチや走行中に荷物を落下させてしまったケースや停止した直後に発生した荷崩れにより他人の車や財物に損害を与えてしまったなど車の使用に起因して発生した事故は対象となります。
ただ、荷物の積み下ろしなど自動車の管理や所有に起因して発生した事故なのか、それ以外の事故で自動車保険が使用できない事故なのかを直ぐに判断するのは難しいので万が一事故が発生した場合は早めに確認が必要となります。
今回のまとめ
自動車保険で対象の事故か、現場の保険での対象の事故なのか、即座に判断するのは難しいです。
事故が発生した際に自動車保険の担当者に連絡を入れたら車の保険では対応できないと言われてしまったり、逆に工事保険の担当者に連絡を入れたら車の保険で対応して下さいと言われてしまう事もあります。
理想的には、自動車保険と工事賠償保険や労災の上乗せ保険等の担当を同じ代理店や保険の募集人にからまとめて加入しておく方が好ましいです。いざと言う時にスムーズに対応ができ、さらに自動車事故で労災上乗せ保険からも支払い対象となったりするケースもありますので保険をまとめておく方が保険の請求忘れなどを防ぐ効果もあります。
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