お知らせ・コラム
アルコールチェック義務と自転車の飲酒運転による企業リスク

最近、自転車による飲酒運転が大きく取り上げられるようになりました。自転車は以前から道路交通法上「軽車両」に位置づけられていましたが、法改正や事故報道の影響もあり、企業としても無視できないテーマになっています。特に、通勤や営業、配達などで自転車を利用する従業員がいる企業では、「知らなかった」「義務じゃないから何もしていない」では済まされないと感じています。
【目次】
1.事故後に問われるのは「会社として何をしていたか」
2.アルコールチェック義務がない=何もしなくていい、ではない
3.今回のまとめ
1.事故後に問われるのは「会社として何をしていたか」
2024年11月の道路交通法改正以降、自転車の飲酒運転について個人レベルでは危機感が高まっている一方、法人対応ではどうでしょうか。「アルコールチェック義務は車だけでは?」「自転車通勤者まで管理する必要はあるのか」「法的義務がないのに、どこまでやるべきか」というお考えの方も多いと思いますが、アルコールチェック義務は自動車に限定されていても、企業リスクは自転車にも確実に及んでいるというのが実感です。
損害保険会社がアルコールチェック関連商品に力を入れる理由
ここ数年、損害保険各社はアルコールチェックに関連する商品やサービスを積極的に展開しています。
アルコールチェッカーの販売・レンタル
チェック結果を一元管理するシステム
飲酒運転防止を目的とした安全運転支援
企業向けリスクマネジメントの提供
これらは一見すると「アルコールチェック義務に対応するための商品」のように見えるかもしれません。しかし、保険会社の関心は「義務対応」よりも飲酒が絡む「事故の質の悪さ」にあります。飲酒事故には、
人身事故に発展しやすい
死亡・重傷事故になりやすい
損害賠償額が高額化しやすい
企業の管理体制が厳しく問われやすい
という特徴があります。保険会社は、事故が起きた「後」の現場を数多く見てきました。だからこそ、対象が自動車かどうかに関係なく飲酒運転をいかに減らすか、という点に力を入れているのです。自転車は道路交通法上「軽車両」に分類され、2024年11月1日の法改正により、
■酒気帯び運転
■酒酔い運転
のいずれもが明確な処罰対象となりました。罰則が重くなったこと自体も重要ですが、保険代理店として特にお伝えしたいのは、「自転車事故でも賠償リスクは決して軽くない」という点です。実際に、歩行者との衝突による重傷事故や後遺障害認定により長期賠償が続く事例など、自転車事故でも数千万円規模の賠償が発生することがあります。そこに「飲酒運転」という要素が加われば、
過失割合が不利になる
企業の管理責任が問われる
報道やSNSで拡散されやすい
といったリスクが一気に高まります。
業務中・通勤中の事故は「使用者責任」の対象になり得る
自転車の飲酒運転事故で、企業が特に注意すべきなのが「使用者責任(民法715条)」です。従業員が業務中に、業務に関連して自転車で事故を起こした場合、たとえ本人の違反行為であっても企業が損害賠償責任を問われる可能性があります。事故後には、
会社として飲酒運転を禁止していたか
教育・注意喚起を行っていたか
事故防止の取り組みをしていたか
といった点が、厳しく見られます。
2.アルコールチェック義務がない=何もしなくていい、ではない
自転車は安全運転管理者制度の対象外です。そのため、アルコールチェックの法的義務はありません。しかしこれは「やらなくていい」ではなく、「企業の判断に委ねられている」という意味でもあります。事故が起きた際、
●何も決めていなかった企業
●最低限のルールと教育を行っていた企業
では、社会的評価も法的リスクも大きく異なります。損害保険会社がアルコールチェック関連商品を提供している背景には、義務がなくてもやっていたかどうかが問われる、という現実があります。自転車利用者に対して、自動車と同じレベルの厳密なアルコールチェックを求める必要はありません。重要なのは、
飲酒したら自転車に乗らない
会社として明確に禁止している
違反した場合の対応が決まっている
というメッセージを従業員に伝え、社内研修などで定期的に注意喚起をしたり、就業規則や規定に明記するというような取り組みだけでも、事故の抑止力は大きく変わります。
3.今回のまとめ
私たち保険代理店は保険商品を提供するだけでなく、事故を起こさないためにどういったことができるかを一緒に考える立場でもあります。アルコールチェック義務があるかどうか、自転車か自動車か、という形式的な区分だけで判断するのではなく、事故が起きたらどうなるか、企業はどう見られるか、どこまで備えていたか、という観点からリスクを考えることが重要です。損害保険会社がアルコールチェック関連商品を展開している背景には、自動車の飲酒運転事故の深刻さがあり、それは自転車の飲酒運転にもそのまま当てはまります。アルコールチェック義務の対象外である自転車利用者に対しても、企業が自主的なチェックや注意喚起を行うことは事故防止と企業防衛につながります。義務がないからやらないのではなく、「リスクがあるから先に動く」。事故が起こってしまった後には、対象外だったかどうかはほとんど関係ありません。問われるのは、企業としてどう備えていたかです。もしも気になる点があれば、お近くの保険代理店までご相談くださいませ。
株式会社保険ポイントは、損害保険および生命保険を取り扱う保険代理店です。
TEL>052-684-7638
保険加入に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。