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こんな保険が欲しかった!?建設業のE&O保険とは

こんな保険が欲しかった!?建設業のE&O保険とは

E&O保険をお聞きになったことはありますでしょうか?E&O保険とは「エラーズ・アンド・オミッション(Errors And Omissions)保険」の略称となります。ゼネコンや建築設計会社、建築エンジニアリング会社などは建物に関する専門的なサービスを提供しますが、そのような専門的サービスの提供において事故が生じ、業者から発注者への賠償責任が生じた場合に補償が受けられるのがこのE&O保険です。今回はE&O保険と賠償保険の住み分け含めこちらを解説していきます。

 

【目次】

1.建設業のE&O保険とは

2.建設業においてE&O保険と賠償保険の違い

3.今回のまとめ

 

建設業のE&O保険とは

昨今では、建設工事の施工の不具合により施工中および引き渡し後に巨額の賠償責任を負う事例が発生しています。これらの中には、過去の実績により想定することが困難であったリスクや、建設工事に関する従来の賠償責任保険では補償対象外となるリスクもあります。まずは建設業のE&O保険がどのような保険なのか紹介していきます。建設業のE&O保険とは、従来の請負業者賠償責任保険や生産物賠償責任保険ではリスクをカバーできなかった以下のような賠償責任リスクを補償します。

他人の経済的損害に対する損害賠償責任

例)オフィスビル新築工事の工事期間中に、既設工部分に重大な欠陥が判明した。補修工事、再施工に時間を要し、引き渡し時期が遅れたことにより発注者に対して経済的損害を与えたことについて、損害賠償責任を負担した。

上記損害賠償責任の発生・拡大防止に必要・有益な措置に要する費用

例)店舗新築工事の引渡し前に、基礎の強度不足が判明し、補修工事を行わない場合に生じる損害賠償責任負担による損害の発生・拡大を防止するため、再施工を行った。建設業のE&O保険では

  • 専門業務の目的物の欠陥
  • 専門業務の仕様等で意図された機能、効能、目的または条件を発揮または充足しなかったこと
  • 不測かつ突発的な事由に起因する専門業務の履行不能または履行遅滞

上記が対象となります。

建設業においてE&O保険と賠償保険の違い

業務上の行為による損害賠償請求を対象とする建設業のE&O保険ですが、賠償保険や工事保険との違いはどうなのかを事故事例をもとに下記にあげていきます。

【事例① 建設中の身体障害・財物損壊】建設中のショッピングモールの外壁の強度不足が原因で、壁の一部が落下し通行人がケガをした。>対象・・・請負業者賠償責任保険の範疇

【事例② 引き渡し後の身体障害・財物損壊】引き渡し後のショッピングモールの外壁の強度不足が原因で、壁の一部が落下し、駐車中の来店者の車が損壊した。>対象・・・PL保険の範疇

【事例③ 経済損害(賠償)】引き渡し後に外壁の施工に不具合があったことが判明し、補修工事が必要となった。ショッピングモールから修復中の休業損害を請求された。>対象・・・建設業のE&O保険の範疇

【事例④ やり直し費用】建設中に外壁の施工に不具合があることが判明し、やり直し工事に伴い、追加の資材費用が生じた。>対象・・・建設業のE&O保険の範疇

【事例⑤ 納期遅延賠償】建設中に労災事故が発生して、工事を中断。引き渡し時期が2週間遅れたことにより発注者に対して経済的損失(開業遅延によるテナント収入の喪失)を与え、損害賠償責任を負担した。>対象・・・建設業のE&O保険の範疇

【事例⑥ 納期遅延費用】建設中に労災事故が発生して、工事を中断。引き渡し時期が遅延することで発注者に経済的損失が発生することを防ぐため、工事作業員を多く確保する必要があり、臨時雇用費用が生じた。>対象・・・建設業のE&O保険の範疇

【事例⑦ 不測かつ突発な要因】コンクリート打設中に突然の降雨により隙間が発生した。>対象・・・突然の降雨(不測かつ突発的な要因)が原因で工事目的物が破損したため建設工事保険の範疇

【事例⑧ 施工ミス】測量ミスによりトンネルの配置がずれた。>対象・・・測量ミス(施工ミス)が原因でかつ、工事目的物が破損しているわけではないため建設業のE&O保険の範疇

【事例⑨ 浮き】外壁タイルが浮き・剥落が発生。>対象・・・施工ミスが原因で、引き渡し後で第三者に被害や他物の損害があればPL保険。第三者や他物に被害がない場合は建設業のE&O保険の範疇

【事例⑩】コンクリート杭打設中に残置杭に当たり、打設不能となった。>対象・・・調査ミスが原因で、やり直し費用が発生したため建設業のE&O保険の範疇

【事例⑪】設計ミスが原因で強度不足により、建物の一部が壊れた。>対象・・・設計ミスが原因であるが不測かつ突発的に工事目的物が破損しているため建設工事保険の範疇

【事例⑫】設計ミスが原因で、建物の強度が保たれないことが判明。工事をやり直した。>対象・・・設計ミスが原因、工事の目的物自体はまだ損壊していないため、建設E&O保険の範疇

【事例⑬】設計ミスが原因で、強度不足により建物の一部が壊れ再施工した結果、工事遅延が生じた。>対象・・・建物の一部の再施工については建設工事保険で、工事遅延による発注者の経済的損失部分については建設E&O保険の範疇

上記の事例のように建設業の工事や賠償保険、E&O保険の関係性としては複雑になっています。今一度現在の保険担当者とリスクを洗い出し、保険でカバーできる点できない点の認識のすり合わせをしておきましょう。

今回のまとめ

建設業のE&O保険の特徴としてはミスや不履行が対象となるところです。従来の請負賠償責任保険や生産物賠償責任保険(PL保険)では補償されない部分をカバーできます。基本的に賠償保険は賠償の責任が作業側にあり、かつ対人・対物事故を伴う第三者損害に対しての保険でしたが、対人対物の事故を伴わない、経済的損失だけが発生した場合は保険金の対象とはならず、自社で賠償金を支払わねばなりません。工事では多種多様なひとがかかわる分、品質不良や不具合が起きやすいのが建設業のリスクです。それに対応する保険として、今回ご紹介したE&O保険を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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