お知らせ・コラム
家族を守りながら働く安心感。看護・介護休暇制度
子の看護休暇、介護休暇、介護休業は、仕事と家庭の両立をサポートするための重要な制度です。それぞれの制度の違いと意義について理解し適切に活用することが、働く親や介護者にとって大切です。これら3つの制度について詳しく解説し、家庭と仕事のバランスを保つためのポイントを探ります。
【目次】
1.子の看護休暇、介護休暇と介護休業
2.制度を活用するためには
3.今回のまとめ
子の看護休暇、介護休暇と介護休業
子の看護休暇:働く親を支える制度
子供の成長過程では、突然の病気やケガに直面することは避けられません。特に小さな子供を持つ親にとって、学校や保育園からの急な呼び出しにどう対応するかは大きな課題です。このような状況に対応するための制度が「子の看護休暇」です。
【概要】
・対象者: 小学校就学前(2025年4月1日からは小学校3年生修了までに改正)の子供を持つ労働者が対象です。子供が病気やケガをした際に、また、予防接種や健康診断の際に、その世話をするために利用できます。
・取得日数: 対象の子供が1人の場合は年間5日間、2人以上の場合は年間10日間取得可能です。
・特徴: 半日単位でも取得できるため、短時間の看護や付き添いが必要な場合にも対応しやすい点が魅力です。会社の規定によっては有給で取得できる場合もありますが、法的な定めはありません。
子の看護休暇は、特に共働き世帯やひとり親にとって、子育てと仕事の両立を促す制度です。
介護休暇:家族の介護を支える短期的制度
次に、「介護休暇」は、要介護状態にある家族をサポートするための短期的な休暇制度です。日本では高齢化が進んでおり、親や祖父母、配偶者などの介護を必要とする状況が増えています。このような状況で、介護に必要な時間を確保するために設けられたのが介護休暇です。
【概要】
・対象者: 要介護状態にある親や配偶者、子供、祖父母、兄弟姉妹、孫などの家族が対象です。要介護状態とは、傷病または身体・精神上の障がいにより、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を指します。
・取得日数: 対象家族1人につき年間5日間、2人以上の介護が必要な場合は年間10日間取得可能です。
・特徴: こちらも1日または半日単位での取得が可能です。通院の付き添いや介護サービスの手続き、ケアマネージャーなどとの打ち合わせに活用でき、急な介護対応が必要な際にも役立ちます。看護休暇と同様に、介護休暇中の賃金支払いは義務ではないため、有給か無給かは企業によって異なります。
介護休暇は、要介護状態の家族を持つ従業員が介護のために休暇を取りやすくする制度です。
◆どちらも時間や給与の定め方は企業によって様々です。無給の場合は、有給休暇を優先的に取得しているケースも多いでしょう。
有給の場合は、得られる助成金などを充当し、企業側の負担を少なくすることが可能です。有給か無給かは、企業に対する福利厚生の満足度に影響します。看護・介護休暇を従業員に浸透させるためには、入社する時に制度の内容について詳しく説明することが大切です。従業員と企業の間で休暇について理解を深め、適切に活用できるようにしましょう。
介護休業:長期的な介護を支える制度
一方で、「介護休業」は、家族の介護が長期的に必要な場合に利用できる制度です。例えば、家族が重篤な病気にかかり、在宅介護や施設入所が必要になった場合など、長期間にわたって介護を行う必要がある場合には介護休業が役立ちます。
【概要】
・対象者: 要介護状態にある家族(配偶者、親、子、祖父母、兄弟姉妹、孫など)。
・取得日数: 同じ家族に対して最長93日間取得可能です。分割して取得することもでき、最大で3回まで分けて利用できます。
・特徴: 長期的な介護が必要な場合、例えば親や子の介護を数か月にわたって行う必要がある場合などに適しています。賃金の支払い義務はありませんが、制度を通じて介護休業給付金を受け取ることが可能です。
介護休業は、家族の介護に専念するための長期的なサポートを提供し、従業員が職場を一時的に離れることで家族のケアに集中できる環境を整えています。
制度を活用するためには
これらの休暇や休業制度を適切に活用することで、従業員は家庭と仕事のバランスを保つことができます。以下のポイントに留意することで、スムーズな利用が可能です。
・会社の制度や規則を確認する: 法律で定められた最低限の制度に加え、企業ごとに独自の取り決めがある場合があります。事前に就業規則や人事に確認しておくことが重要です。
・早めの申請を心掛ける: 特に長期の休暇は、早めに申請することで職場にもスムーズな対応を促せます。計画的に制度を活用するためには早めの準備が鍵となります。
・社会保険制度の活用を検討する: 介護休業中の収入減を補うために、介護休業給付金などの公的制度についても理解を深め、申請方法を把握しておくことが大切です。
一方で、これらの休暇や休業制度の取得率は必ずしも高くありません。取得に対する心理的な壁があることが問題視されています。特に介護は長期間にわたるため、職場復帰が難しいと感じる方も多いです。また、職場によっては取得することに対してネガティブな反応を示す場合があり、これが利用を妨げる一因となっています。
今回のまとめ
子の看護休暇、介護休暇、介護休業は、家庭と仕事の両立を図るために欠かせない制度です。しかし、制度に対する理解が十分に浸透していなかったり、制度の存在を知っていても実際にどのように申請すればよいか、どの程度の休暇が認められるのかを把握していない場合があるため、企業側もこれらの制度について積極的に従業員に周知し、利用しやすい環境を整えることが求められます。また、フレックスタイム制度や在宅勤務などの柔軟な働き方の導入も非常に有効です。ワークライフバランスの実現は、個人の生活の質を向上させるだけでなく、企業に対するモチベーションや生産性の向上につながるでしょう。また、損害保険を活用して福利厚生の満足度を向上させる方法がいくつかあります。企業が提供する福利厚生に損害保険を組み込むことで従業員の安心感を高め、生活面でのサポートを強化できることでしょう。看護、介護をする方のケアを企業は大切にしていきたいですね。
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