お知らせ・コラム
自転車同士の接触事故!保険の確認をしておきましょう
自転車事故が発生した時に大きな事故ではなく、体に異常がなければ、警察を呼ぶほどではないと勝手に判断してしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし自転車も軽車両に該当しますので事故時の警察への届出は義務となります。また、身体へのケガや自転車等に損害が発生した場合は、お互いの過失割合に応じて損害賠償請求がなされる事となりますので、警察での事故証明書が必要となります。今回は自転車同士の接触事故の事例をご紹介していきたいと思います。
【目次】
1.自転車事故で相手が過失を認めない!?
2.自転車向けの保険
3.今回のまとめ
自転車事故で相手が過失を認めない
Q,自転車同士の接触事故で過失認めず賠償請求は?自転車同士の事故で足の関節骨折で入院しました。退院しましたが仕事の復帰は相当先になるだろうと言われています。相手の自転車は私の斜め前を走っており、急に曲がったために相手の後輪に私の前輪が引っ掛かり、倒れてケガをしたという事故です。事故発生時、相手はタクシーを呼んでくれましたが今は「自分は悪くない」の一点張りです。損害賠償はできるのでしょうか。 (労働新聞 安全スタッフ3月号参照) |
A,発生した費用(病院代等)を証明する記録保管、通常は応分の負担に
・無保険だと解決まで難航することも
相談者は相手の人にタクシーを呼んでもらい病院へ行きましたが、相談者のケガが重く完治が症状固定まで相当に長引くことが分かると、今では「自分が悪くない」と言い張って損害賠償をする気はないというケースです。自動車が絡んだ事故とは違って相談者のような自転車同士の事故の損害賠償の事案は解決が難しくなる傾向にあります。それは、自動車同士の事故では自賠責保険や任意保険等の保険が付いていますが、自転車では保険に加入していないケースも未だに多く存在するからです。今回のケースでも自転車保険や個人賠償保険の加入がなく、十分に補償が出来るのか、加害者側の支払い能力が問題となってしまいました。
・過失割合に沿って請求
相談者の損害は過失割合に沿って相手側に支払ってもらうよう請求することになりますが、請求する項目や金額は自動車事故と同じです。事故による傷害から生じた治療費・リハビリ費、交通費、傷害の慰謝料、仕事を休んだために収入が減少した場合は休業損害、後遺障害の慰謝料と逸失利益等も請求することが出来ます。
・事故の損害費用の記録・保管
損害賠償を受けるために相談者が今やるべきことは、治療費・交通費等の事故の損害の費用を領収書とともに記録・保管することです。事故当時の記憶が曖昧だと過失割合の算定等で不利になることがあります。信頼のできる人に依頼して事故現場の様子を把握し、目撃者の話を聞く等、事故の状況を明確にしておくことが必要です。簡単な事ではありませんが何もしなければ相手側の一方的な言い分が通ってしまう事もあります。
・最終的には裁判も
相手が「自分は悪くない」というように実際に相手側に過失がなく、相談者側に全面的な過失(10割)がある場合は、相談者は損害賠償を請求できません。もっとも、相談内容から判断するとそういうことはありえず、相手側の過失のほうが大きいと思われます。その過失割合については自動車事故の本や自動車事故の判例などが参考になります。損害賠償が多額になり相手が支払いを拒否するなら、裁判に訴えて解決するかどうか検討せざるを得ないでしょう。
自転車向けの保険と補償の確認を
高額な賠償責任に対して備える
多くの自治体では、事故の際の他者への損害賠償が可能な個人賠償保険や自転車保険への加入が義務化や努力義務となっております。ご紹介した事例でも相手方が仮に保険に加入していて、賠償金の支払い能力に問題がなければ揉めることなく解決にむかったと思われます。自転車保険だけでなく、自動車保険、火災保険、傷害保険や各種共済に個人賠償保険や日常生活賠償が付帯されている契約もありますので、同居の家族の中で個人賠償保険が付帯されている契約があるのか必ず確認しておきましょう。
ご自身のケガに対する補償
自転車事故によりケガをした場合に、自分自身への補償も準備しておきましょう。単独事故はもちろんのこと、相手方がいる事故でも過失割合に応じて十分にご自身のケガの補償がなされないケースもあります。個人で加入できる傷害保険や各種共済、学校などの団体で加入できる補償制度にケガの補償が付いている商品も多いので準備しておきましょう。また、自動車保険の特約で自転車事故等の交通用具を使用中の事故もカバーできる商品もありますので確認しておきましょう。
弁護士費用について
事故の内容や過失割合・損害額で揉めたとき、相手が無保険などで損害賠償を拒否した場合など話し合いでは解決できない時に、裁判に訴えて解決を目指す必要があります。裁判や弁護士に依頼すると争訟費用が発生してしまいますが、保険でカバーすることも出来ます。自動車保険の弁護士特約で自動車事故のみから日常生活(ワイド)に変更することにより、自動車事故以外の日常生活での被害事故で弁護士費用が補償されます。同居の家族全員が補償対象となりますので、一家に一契約は弁護士費用(日常生活ワイド)を付帯しておきましょう。
今回のまとめ
自転車同士の事故で、損害賠償金が何億円、何千万円となる事故が多発しております。自動車と同じように自転車に乗る際にも必ず保険の有無を確認しておきましょう。また、相手方への補償だけでなくご自身のケガや万一の弁護士費用の補償も付帯しておくと安心です。自転車の補償等について気になる方は、是非ご連絡ください。
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