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事業継続力強化計画の策定~企業として備えておくべきもの~

事業継続力強化計画の策定~企業として備えておくべきもの~

令和元年7月より中小企業庁「事業継続力強化計画認定制度」がスタートしておりますが、BCP(事業継続計画)の第一歩として、毎年多くの企業が認定を受けています。今後、認定を受けていることが当たり前になると言われている制度です。まだ申請されていない経営者・事業主の皆さまに参考となる情報をお届けしたいと思います。

【目次】

事業継続力強化計画認定のメリットと申請方法

災害時に困らない会社の備蓄品

今回のまとめ

 

事業継続力強化計画認定のメリットと申請方法

事業継続力強化計画認定制度は、中小企業の自然災害等に対する事前対策(防災・減災対策)を促進するため、中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度です。令和元年5月に「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(中小企業強靱化法)」が改正され、同年7月より施行されました。令和2年10月からは、感染症対策に関する事業継続力強化計画の認定もスタートしています。計画の認定を受けると活用可能な支援策(優遇制度)と申請方法は以下のとおりです。

≪認定企業への支援策≫

◆日本政策金融公庫による低利融資(設備投資資金)

◆信用保証枠の追加

◆防災・減災設備への税制優遇

災害時に役立つ設備(自家発電設備、制震・免振ラック、止水版等)を導入した場合に特別償却(20%)が可能

◆補助金の優遇措置

◆認定ロゴマ-クの使用

◆制度と連携している企業・団体からの支援

≪申請方法≫

◆「事業継続力強化計画」の策定

中小企業庁ホームペ-ジ等に掲載されている「策定の手引き」を参照し、事業継続力強化計画を策定します。

※事業継続力強化計画策定の手引き(令和4年6月27日版)

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/download/keizokuryoku/tebiki_tandoku.pdf?0627

◆申請

計画策定後、管轄する経済産業局(又は内閣府沖縄総合事務局)に申請書と必要書類を提出します。

◆認定

申請後、約45日で認定されます。

◆計画の開始

計画が認定されると、申請した経済産業局から認定通知書が交付されます。

※上記の支援策は計画認定後に活用可能

実際に計画を策定する際の対応体制は、以下の点にご注意ください。

・書類上は人員体制で「誰が何を何の権利で行うのか」が重要ではありますが、中小企業においては誰が行うのかが決まっていることが多い為、実施項目のリストがあるとよい。

・決断者の順序も書くまでのことはないと思われるかもしれませんが、提出する以上は「わかりきっていることを文書化する」ことが求められるため、丁寧に文書化する。

・事業継続力強化計画の文書は、役人の方が読みやすいように「主語」「形容詞」「述語」等をわかりやすく書き、「別紙〇番を参照」等の詳細やリストを添付する。

・個人情報の記載があると取扱いに困るため、名字を黒塗りする等の対応を行う。

災害時に困らない会社の備蓄品

ここでは、株式会社BCPJAPANの山口代表からお聞きした、実際の被災地での声をもとに集めた「備えておくべきもの」を紹介します。

◆簡易トイレと飲料水

熊本地震で「避難生活の初期において最も困ったこと」はトイレであり、最初にトイレに行くまでの時間は3時間以内と6時間以内が殆んどを占めているというアンケ-ト結果があります。大阪北部地震では、全稼働数のおよそ半数である6万台以上のエレベ-タ-が停止し、300人以上が完全復旧するまで3日もの間閉じ込められています。飲食は我慢できてもトイレを我慢することは不可能であるため、エレベ-タ-には簡易トイレと飲料水を備蓄し、外出時はビニ-ル袋とティッシュを常に持ち歩くことが必要です。

◆カセットコンロとガスボンベ

鍋やカップめん等の食料品とあわせて、カセットコンロとガスボンベは準備しておきましょう。ガスボンベは最低10個は常にある状態にしておくと安心です。

◆トイレットペ-パ-・生理用品

トイレットペ-パ-は多めに備えておきましょう。また意外と忘れがちではありますが、生理用品がないと女性は非常に困りますのであわせて備蓄しておいてください。

◆とげぬき

瓦礫の撤去で刺さるので、刺抜きがあると役立ちます。

◆爪切り

被災時は爪が真っ黒になるため、爪切りも備えておきましょう。

◆綿棒・マスク

耳かきなども備えがあると役立ちます。

◆小銭・筆記用具(紙・ペン・マジック)

◆処方箋のコピ-

◆目薬・ハンドクリ-ム・日焼け止め

◆化粧用具

リップクリ-ムや口紅だけでなく、化粧水や眉墨、毛抜きなども備蓄品に加えておきましょう。上記以外に大人用のおむつなども必要に応じて備蓄しておくと安心です。また、電気やガスの復旧方法も事前に周知しておきましよう。

◆UPS(無停電電源装置)➡機器やシステムを電源トラブルから守る電源バックアップ用の機器

光回線・電話・WiFiル-タ-を通信可能にするためにUPSに繋げます。発電機を備えている場合は何に繋げるのか、浸水しないためにどこに置くのか等もしっかり計画しておきましょう。

今回のまとめ

今回は事業継続力強化計画についてのおさらいと、災害時に役に立つ会社に備蓄しておきべきものについて一部を紹介させていただきました。日常生活においてはあることが当たり前なものばかりではありますが、ないと困るというものは会社としてだけでなく、個人としてもいろいろとあるのではないでしょうか。この機会に備蓄品について今一度考えてみて頂けましたら幸いです。災害の際に金銭的にお役立ていただけるのは損害保険です。いざという時に補償されない、ということがないよう火災保険の補償内容は定期的に見直しされることをお勧めします。お近くの保険代理店までお気軽にご相談ください。

 

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