お知らせ・コラム
健康経営優良法人認定制度を知っていますか?
健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目標としています。
【目次】
1.健康経営優良法人認定制度とそのメリット
2.実際の取り組み事例の紹介
3.申請から認定までの流れ
4.健康経営の取り組みの一環として保険が活用できます
健康経営優良法人認定制度とそのメリット
健康経営優良法人認定制度とは、従業員の健康維持や増進を行った法人に対して、経済産業省が表彰するという制度です。経済産業省によって、健康経営優良法人)に認定されると、さまざまなメリットを得ることができます。
【国や地方自治体によるインセンティブ】
①健康経営優良法人認定の取得をハローワークなどの求人票に記載可能
②中小企業融資制度などの貸付利率の引き下げ
③公共工事や公共調達等の入札における加点評価
④自治体独自の認定制度への優遇 (自治体HPや地域紙での紹介、表彰等)
【その他のメリット】
①優秀な人材が集まる
働きやすい会社であることが広く世間に広まると、その企業で働きたいという人たちが多く集まるため、求人広告を出すなど人材を採用するための費用を削減することができます。求職者たちが増えれば、その分、優秀な人材を採用しやすくなります。
②社員のモチベーションがアップする
社員の健康維持や増進を行っている企業であれば、日々、快適に働くことができます。また、「この会社は従業員を大切にしてくれている」という気持ちから、社員の企業への信頼感も高まり、モチベーションアップにつながります。
③業績の向上が期待できる
企業のイメージがアップすると、ブランド力が強まります。たとえば、同じようなサービスや商品が並んでいた場合、消費者はイメージがよい方を選ぶものです。企業のブランドイメージが向上することが消費者の購買活動にも影響を与えることによって、企業の業績向上を期待できます。
実際の取り組み事例の紹介
ここでは、実際に健康経営優良法人として認定された法人が具体的にどのような取組みを行ったのかを見ていきましょう
【愛媛県の社会福祉法人T園】
〇平日は施設利用者と共に20分間の運動。
〇受動喫煙対策として施設内全面禁煙。
〇健康経営優良法人の看板を掲げて、地域住民等への発信を積極的に行う。
【石川県の製造業K社】
〇年始に残業時間を含めて部署の業績目標を設定し、実際の結果と照らし合わせて部署の管理者の賞与に反映
〇定刻になるとパソコンを強制的にシャットダウンするシステムを導入し残業時間を削減
〇近隣スポーツジムと法人契約を結び、社員に対し積極的な利用を呼びかけ
【京都府の飲食業K社】〇年一回、アルバイト等も含めた全社員参加の運動会を実施。
〇歯科検診や人間ドックの費用補助
申請から認定までの流れ
申請から認定までの流れは、以下のフローチャートの通りです。
例えば、中小企業部門で健康優良法人認定を受ける流れを取り上げますと
①所属する保険者が実施する「健康宣言」に参加する
②自社の取り組みの状況を確認し、認定基準に該当する具体的な取り組みを申請書に記載
③保険者経由で申請→認定審査を受ける
④日本健康会議で認定を受ける
という流れになります。
※中小規模法人部門では、所属している保険者(全国健康保険協会および健康保険組合)が健康宣言の取り組みをしていないと申請できませんので、保険者が健康宣言しているかどうかを所属している保険者に問い合わせるようにしましょう。
※詳しい認定基準や要件等については経済産業省HPをご覧ください
健康経営の取り組みの一環として保険が活用できます
コロナ禍によってさらに高まった健康経営への関心を受け、民間の保険会社等でも、従業員の健康増進に向けた取り組みをサポートするような企業向け商品やサービスを出しています。
【商品やサービスの一例】
□ケガや病気で働けなくなった場合の収入補償
□健康相談、介護相談等ホットライン
□生活習慣病サポートサービス
□メンタルケアカウンセリングサービス
□健康管理アプリの提供。個人の食事、運動、睡眠などのデータから将来のリスクを算出、行動変容のアドバイスを行う
このように、保険による「万一の補償」だけでなく、「予防」や「コンサルティング」もサービスとして取り入れた商品が各社から出ています。
今回のまとめ
健康経営を行うことは従業員の健康促進という面だけでなく、優良な人材の確保や企業そのものの価値を高める効果があることがお判りいただけたかと思います。従業員の健康増進を「義務」ではなく「未来への投資」と捉え、戦略的に実行していくことが大切です。
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