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【民法改正】ライプニッツ係数が変わることによる労災の上乗せ保険と自動車保険への影響とは
民法の改正が2020年4月1日に施工されました。今回の改正で、法定利率は年5%から年3%へ引き下げられ、以後3年ごとに利率の見直しを行う変動制を導入することになりました。この法定利率の改定により影響を受けるのがライプニッツ係数です。ライプニッツ係数とは労災事故や交通事故などによる人身傷害事件における損害賠償のなかで、長期に発生する介護費用や就労機会喪失や減少による逸失利益などの時間と完成する賠償金を一時金に換算する方法です。今回はこの改正による労災の上乗せ保険と自動車保険への影響を解説していきます。
【目次】
1.法定利率が変わるとライプニッツ係数も変わります
2.今回の改正の変化に対応する備えとは【命の値段の高額化】
3.今回のまとめ
法定利率が変わるととライプニッツ係数も変わります
前述で取り上げましたように、事故により死亡・後遺障害等が発生した場合、収入が得られなくなることによる損害(逸失利益)や、長期にわたる介護費用が発生します。こうした「将来にわたって発生する損害」に対する前期間分の補償を一括して受け取った場合、その金額を運用することにより毎年利息収入が得られます。この毎年発生する利息に相当する額を差し引いた金額を算出するための係数を【ライプニッツ係数】といいます。ライプニッツ係数は法定利率をもとに算出しているため、法定利率が変更となる2020年4月1日以降に発生した事故において適用するライプニッツ係数もあわせて変更になります。ライプニッツ係数は命の値段を計算するために使われるため、今後は命の値段が変化【高額化】する動きとなります。
今回の改正の変化に対応する備えとは【命の値段の高額化】
では、どのように変わるのかをお伝えしますと、簡単に言いますと、今までよりも賠償金は高額化する可能性があります。例として31歳の夫、Mさん【年収600万】、妻とお子さん2人の家庭で、Mさんが無過失で労災により死亡した場合の遺族への賠償金としては、改正前は約9900万円【逸失利益、葬祭費用、慰謝料をふくむ】でしたが、改正後は約1億2119万円となり、さらに死亡ではなく、重度後遺障害事故だった場合は、将来にわたる介護費用等、さらに高額化する可能性があります。そんな万が一の時の為の企業で加入する任意労災保険の使用者賠償について、今までは1億あればおおよそ十分だといわれてきましたが、例のMさんのケースでもわかるように1億では足りない時代となってきました。今後増加傾向にある賠償金に備え2億あると今のところは安心できそうです。自動車保険の人身傷害に関しても同じように、ライプニッツ係数の変化に伴い今までの保険金額を見直し、増額する必要があるかもしれません。
今回のまとめ
法定利率は今回の改正により下がります、それにより命の値段は上がります。なぜ下がるのに上がるのかというと、簡単に説明しますと将来にわたる利率が下がる為に、今必要な金額が増えるためです。非常にわかりづらいですよね。”命の値段が上がる”という点だけおさえておきましょう。
そして、あくまで状況によって現在の保険金額を吟味するのが良いでしょう。明らかに年収が低い場合や、平均年齢が高いなどの理由で高額にならない企業もあるでしょうし、その逆もあります。一番危険なのは、そういった万が一の事故時の想定を考えずに保険金額を設定している場合です。保険金額の根拠が分からない場合などは、現在の損害保険の担当者からもう一度説明を受けていただくことによって、理解が深まり、経営者の保険の価値観も変化していくことでしょう。
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