お知らせ・コラム
従業員がガンに罹患!?治療と仕事をどう両立?
2人に1人がガンに罹患するという現代において、従業員がガン患者となった場合、一定の対応や配慮が必要となります。具体的な対応として「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が公表されており、実際にガンに罹患された場合でもすぐに離職せずに働きながら闘病する方が増えてきています。今回は、国の対策やその他の支援体制について触れていきたいと思います。(労働新聞社 安全スタッフ11月15日号参照)
【目次】
1.ガイドラインの内容と背景
2.両立支援は人材定着や組織の活性化に繋がる
3.今回のまとめ
1.ガイドラインの内容と背景
事業場における治療と職場生活の両立支援のためのガイドラインについて
労働安全衛生法では、事業者による労働者の健康確保対策に関する規定が設けられており、健康診断の実施および医師の意見を勘案しその必要がある時は業務上の措置の実施を義務付けられています。具体的には「心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するものにかかった者」については、その就業をやむを得ない場合に限り禁止しなければならないとしています〈病者の就業禁止〉また日常生活面での指導、病院への受診勧奨等を行うように努めるものとされており、ガンなどの疾病を抱える人々に対して治療と職業生活が両立できるようにするための事業場における取組などがまとめられています。
病気を抱える労働者は少なくない
「治療と職業生活の両立支援対策事業」における調査によれば。1カ月以上連続して休業している従業員がいる企業は、メンタルヘルスが38%、ガンが21%、脳血管疾患が12%となっています。また、仕事を持ちながらガンで通院している人の数は32.5万人と推定されています。労働者の高齢化が進むことが見込まれるなかで、事業場において疾病を抱えた労働者の治療と仕事への両立への対応が必要となるケースはさらに増えると予想されています。一方でガン等の疾病において生存率が向上しており、発症したら離職という状況は変わってきています。しかし疾病や障害を抱える労働者のなかには、仕事上の理由で適切な治療を受けることができない場合や、疾病に対する労働者自身の理解が不十分だったり、職場の理解・支援体制が不足していたりすることにより離職に至ってしまうケースも多くみられます。近年では厳しい経営環境のなかでも、労働者の安全確保や疾病・障害をかかえる労働者の活用に関する取り組みが推進されています。加えて、労働者の治療と仕事の両立支援に取り組む企業に対する支援や医療機関等における両立支援強化も必要な状況にあります。
2.両立支援は人材定着や組織の活性化に繋がる
ガイドラインでは労働者の業務によって疾病を増悪させることなく治療と仕事の両立を図るための事業者による取組みは労働者の健康確保という意義とともに労働者の安心感やモチベーションの向上による人材の定着・生産性の向上、健康経営の実現、多様な人材の活用による組織の活性化、組織としての社会的責任の実現、労働者のワークライフバランスの実現といった意義があると考えられるとしています。
ガイドラインの狙い
ガイドラインの内容と狙いは、労働者が業務によって疾病を増悪させることがないよう事業場において適切な就業上の措置を行うことです。治療に対する配慮が行われるようにするため、事業場における取組みをまとめて提示するものです。
また、事業者、人事労務担当者および産業医や保健師、看護師等の産業保健スタッフを対象としていますが、労働者本人や家族、医療機関の関係者などの支援に関わる方にも活用可能なものになっており、雇用形態にかかわらず全ての労働者を対象とするものとなっています。
社労士会の社会貢献事業
全国47都道府県の社会保険労務士会では、相談窓口を設置し休業や復帰など「治療と仕事の両立支援」に関する相談に社労士が対応しています。ガン専門相談医とともに、ガン患者からの次のような相談について助言・情報提供を行っています。
・治療と仕事を両立したいが会社の制度(休暇、休職、勤務時間、勤務形態等)をどう利用できるのか
・人事・労務担当者に相談・交渉をしたいがどのように話したら効果的か
・治療のスケジュール、副作用や後遺障害の見通し・対処方法により治療と仕事の折り合いをどう付けるか
保険の活用
会社契約で従業員が保険金を受け取る場合でも、全員加入や一律の条件のうえで普遍的な加入の場合は福利厚生費として経費で認められる可能性もあり、疾病やガンの補償として準備する企業も増えてきています。また、労災上乗せ保険の疾病特約では無記名、無告知で全従業員の病気入院やガンの治療に備える事が出来ます(保険会社により補償内容や補償範囲に違いがありますので内容をしっかりと確認しましょう)
3.今回のまとめ
誰もが大きな病気に罹患してしまう可能性があり、万一、罹患してしまった場合でも生活を続けていく必要があります。万一に備えて、会社がガンと仕事の両立を考えてくれたり、大きな病気にかかった時の補償があれば従業員の不安も少しは和らぐと思います。ただ、病気の状態により仕事内容や働き方を変更せざるおえないケースもあり、企業としては事案ごとの対応が求められるため自社でのガイドラインの確立と共に、相談先の確保や専門家の意見を聴ける体制を整えておく必要があると思います。各保険会社の商品には、無料相談サービスが付帯してある商品もございますので気になる方はお問い合わせください。
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