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仕事中に暴力をふるわれた!労災の判断と労災の上乗せ保険の必要性とは

仕事中に暴力をふるわれた!労災の判断と労災の上乗せ保険の必要性とは

商品のPR中にぶつけられて転倒。自社の最寄り駅で社員Aが新商品のキャンペーン案内を行っていたところ、通行人から邪魔だといわれ、故意にキャリーケースをぶつけられて転倒。ぶつけられた足と転倒した際に強打した腕を負傷した。通行人はそのまま立ち去ってしまいどこの誰であるか特定できなかった。上記のように仕事中に悪意をもった第三者から暴力を振るわれる危険性はゼロではありません。今回はこのような場合での労災からの給付の有無や申請の注意点等に触れていきたいと思います。(労働新聞社 安全スタッフ 2024年5月号参照)

 

【目次】

1.商品PR中にぶつけられて転倒!労災の判断について

2.第三者行為災害について

3.今回のまとめ

 

商品PR中にぶつけられて転倒!労災の判断について

【判断】

会社から離れた社外での負傷であったが、勤務時間中に業務指示に従ったものであり、突然のトラブルは予期することは難しく、故意にぶつけられたものをとっさに避けられない状況だったことから業務上と判断された。

◎勤務時間中のケガは一般的に業務上と判断

業務遂行性と業務起因性、この2つの要素が認められない限り業務上災害とはなりません。社員Aは通常自社内で事務作業に従事しているが今回のケースでは、違う場所、違う業務中に負傷しました。しかし会社から指定された場所であり、業務内容も会社も会社からの指示でありことは明白であり、業務遂行性に問題はないです。一方、ケガをした要因ですが通行人に「邪魔だ」と言われたうえに故意にキャリーケースをぶつけられ、避けようにも避けられなかったことから、業務起因性が認められ「業務上」となりました。

◎喧嘩になったら業務外となることも

ただし、「邪魔だ」と言われたことにAが反論して喧嘩となり、その結果負傷した場合には、本人が積極的に関与しにいったとみなされて私的、恣意的行為として「業務外」となってしまう場合もあるため注意が必要です。他人の故意に基づく暴力による負傷の取り扱いについては、「業務に従事している場合又は通勤途上である場合において被った負傷であって、他人の故意に基づく暴力によるものについては、当該故意が私的怨恨に基づくもの、自招行為によるものその他明らかに業務に起因しないモノを除き、業務に起因する又は通勤によるものと推定することとする」という通達に基づいた判断となります。つまり、私的な恨みをかっていたことが原因で業務中にケガをした場合や、自らが進んで暴力行為を行ったり、招き入れたと判断された場合は労災の業務外となります。ただ、従業員同士のトラブルや仕事上での恨みや妬み等が原因でのトラブルに関しては判断が難しいので、原因についてしっかりと調査や解明することが求められます。

第三者行為災害について

他人の故意に基づく暴力による負傷の場合は、第三者行為災害となります。代表的なものは交通事故になりますが、交通事故を労災保険で補償した場合、過失割合に応じて政府から原因となった第三者(交通事故の相手方等)へ損害賠償請求(求償という)をされる場合があります。また、自動車保険から全額補償を受けた場合は労災保険を請求しないケースもあります。

◎第三者行為災害届

仕事中に他人にケガをさせられた場合、第三者行為災害届の提出が必要となります。そこにケガをした際の状況や過失割合を記載するが被災者の主観で記載してもかまいません。ただここで加害者と被災者とで示談を行い、示談金額以外のすべての損害賠償請求権を放棄した場合は労災申請を行えません。そのため被災者の休業が長引き示談額を超える損害が生じた場合は、実は労災給付の額のほうが大きかったからと後から申請することは出来ず、労災保険からの給付は一切行われないことになります。示談をする場合は、負傷具合や休業の見込みなどを勘案し慎重に行うことが必要になります。第三者行為災害や報告書には、相手方の情報を記載する必要がありますが、事例のように相手方の通行人が特定できない場合は、記載なしまたは不明として提出することも可能です。報告書には、災害を受ける直前の業務中の行動や、第三者が暴行を加えた時の状況について、また、第三者との面識や関係についても詳細を記載し私的怨恨に基づくもの、自招行為による負傷でないかどうかを確認されます。

今回のまとめ

キャンペーン案内など自社PRのためとはいえ、路上で通行人の妨げになるような方法だとトラブルになるケースがあります。社員を守るためにもその活動の範囲が適切であるかよく確認しておく事も大切です。また、交通事故などで自動車保険から損害賠償を受けた場合、治療費や休業補償等を労災と自動車保険から2重で受け取れる訳ではありません。自動車保険からのみ補償を受けた場合、被災した従業員からすると労災を使用してくれなかったと考えるかもしれないのでしっかりと内容を理解してもらう必要があります。なお、民間の労災上乗せ保険であれば、政府労災の使用でも交通事故の使用でも上乗せで給付できる補償内容もありますので、未加入の企業様は一度検討してみて下さい。

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