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作業中の「蜂刺され」にご用心

作業中の「蜂刺され」にご用心

夏から秋にかけて起こりやすい労働災害といえば、熱中症や、台風などの悪天候を原因とする感電災害があげられますが、もう一つ注意したいのが「蜂刺され」です。スズメバチの場合、7月から10月が活動時期に当たるため、注意しなければなりません。刺されるとアナフィラキシーショックによって発症から短時間で心肺停止に至ることもあります。今回はこの時期気を付けなければいけない作業中の蜂刺されによる災害を考えてみたいと思います。

【目次】

1.仕事中の蜂刺されは労災として認められる?

2.蜂に攻撃されそうになったら?

3.今回のまとめ

 

仕事中の蜂刺されは労災として認められる?

日本では蜂刺されによる死亡者が毎年20人~30人ほどおり、熊、蛇、鮫より被害が多く、実は最も身近な危険生物といえます。仕事中に蜂に刺された場合、労災になるかどうかは、「業務遂行性」と「業務起因性」の2つが認められることが必要です。

【業務遂行性と業務起因性が認められる場合】

例えば、農作業中や森林での業務、建設現場などで蜂に刺された場合は、業務の一環として発生したものとして認識されることが一般的ですが、変わったところでは、公園事務所の事務員が、利用者から水飲み場に蜂がいると通報を受け、駆け付けた際に刺された件も労災保険の対象となった例もあります。

【業務遂行性、業務起因性が認められない場合】

業務中であっても、蜂の巣を見つけて、面白がって巣をいじったり刺激したりしたことで蜂に刺された場合、また作業の邪魔だからと、対策もせずに大きく巣を揺さぶって刺されたような事案は、「労働者の私的行為や恣意的行為によって発生した災害」とみなされ、業務外と判断されることがあります。

蜂に攻撃されそうになったら?

蜂は、無差別に人に攻撃をしかけるわけではありません。例えばスズメバチの攻撃は、次の4段階に分けられます。

①巣に接近する人に対する警戒。巣の出入口や表面にいる蜂は、人や動物を注視する一方で、一部は巣を離れて周囲を飛び回ります。
②巣に接近する人に対する威嚇。警戒していた蜂が高い羽音を発して飛び回ります。オオスズメバチは、大顎を噛み合わせ、空中でカチカチという威嚇音を発します。
③巣に間接的刺激を与えたときの攻撃。蜂の威嚇を無視したり、これに気づかず接近した場合、また、怖いからと大声を出して騒ぐなどした時、巣内から多くの蜂が飛び出して来る場合があります。
④巣に直接的刺激を与えたときの攻撃。巣をゆらす、つつくなど直接に刺激したり、巣を破損した場合は、入口にいた蜂とともに、巣内から多くの蜂が一斉に巣の外へ飛び出してきて、相手の体に噛みつき、何度も毒針を突き立てます。また空中で毒液を噴射することもあります。毒液が目に入った場合、失明の危険があります。

 

◆攻撃を受けやすい色、服装等

スズメバチは、黒い色にもっとも激しく反応し、攻撃を加えます。衣類だけでなく、黒い長靴やカメラなど黒い持ち物にも攻撃してくるので注意が必要です。更にヘアスプレー、ヘアトニック、香水等の化粧品や、体臭等に対して、敏感に反応します。

◆蜂に刺されたときの症状

軽い全身症状では、顔や体が赤くなり、全身にかゆみがおこります。中ぐらいの全身症状では、軽い全身症状に加えて、喉がつまったような感じや、口の中がしびれたような感じがします。また、腹痛、吐き気、頭痛、眩暈がします。重篤症状では、呼吸困難、物を呑み込めない、また全身の力が抜け、意識がはっきりしなくなったりしますので、一刻を争って緊急処置をとらなければ、死亡する可能性があります。

◆蜂に刺されたときの対処法

蜂に刺されたときは、次のように処置してください。

①刺された場所から離れ、木陰や冷たい水の流れている沢の付近に退避し、刺されているところをきれいな水で洗います。
②赤く腫れはじめたところに、抗ヒスタミン軟膏を塗るか、用意があれば太ももにエピペンを刺します。手や足を刺された場合は、心臓に近い方を止血ゴム管等でしばります。ただし数分間隔でゆるめます。
③発疹、せき、嘔吐等の症状が見られる場合は、一刻も早く医師の手当てを受けるようにします。

蜂を見かけても騒いだりせず、姿勢を低くして頭と首筋などを守りながらゆっくりとその場を離れましょう。また蜂がいそうな場所での作業では、事前に作業場所を確認して、巣があれば先に専門業者に駆除してもらってから作業に入る、また防護服や手袋。防護網などで身体を守るようにしましょう。

今回のまとめ

蜂に刺されて労働者が死亡した事案において、長野県の労基署が、測量業の会社と同社の支店長を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検している事案もあります。蜂刺され防止も事業者に求められる仕事の一つです。防止対策はもちろんのこと、刺された場合の通院、入院費用などにも、労災上乗せ保険等で備えておくことが重要です。

 

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