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過労死防止法成立から10年がたちました 

過労死防止法成立から10年がたちました 

「過労死等防止対策推進法」が成立してから2024年6月20日で10年となりました。働き方改革が推し進められる中、私たちの働き方は実際変わってきているのでしょうか。

【目次】

1.社会の変化はあったのでしょうか

2.重要なのはトップの決断

3.増える心の病、若者、女性も

4.今回のまとめ

 

社会の変化はあったのでしょうか

■働き方改革に取り組む企業も

京都で洋食レストランを展開するS食堂。この会社は、“週休3日”など働き方改革に積極的に取り組んでいます。飲食業のかきいれどきである祝日や連休にも休みを交替で取り入れ、働きやすい職場を目指しています。

■精神的な過労自殺は減らず

10年前、2014年6月20日、過労死に関する初めての法律「過労死等防止対策推進法」が成立しました。労働者の健康を損なうことなく仕事を続けられるよう支援する法律で、義務や罰則などを定めるものではありません。法律の制定から10年間で心臓疾患など、身体的不調による過労死は減少傾向になりましたが、一方で精神的な疾患が原因の過労自殺は減っていません。

■『命よりも大事な仕事ってあるんですか』

法律ができても、世の中の意識がすぐに変わるというものではありませんでした。2016年、大手ゼネコンで勤務していたHさんは単身赴任中にうつ状態になり、44歳で自ら命を断ちました。ゼネコンで現場監督を勤めていたHさんは、時間外労働が100時間を超える月があったなどとして後に労災認定されました。過労死問題に詳しい弁護士は、「残業時間を減らすために『在社時間』という言い方をしたり、タイムカードの偽造など、『隠れ残業』が増えていっているのをみるに、根幹の部分がきちんと取り締まられていない。『命よりも大事な仕事ってあるんですか』と問いたい」と語っています。

重要なのはトップの決断

トップが働き方にメスを入れ、意識が変わってきた会社もあります。大阪のゼネコン「M建設」では、かつては、昼間は工事に立ち合い、夜になってから事務作業をする毎日でした。社長曰く、午前7時には来て、午後10時、11時帰宅などが普通にあったとのこと。休みもなく、土曜も日曜も仕事。顧客に建物を引き渡す1、2カ月前は休みなしが普通だったようです。しかし数年前から、パソコンは午後8時に強制的にシャットダウンされるように。決められた時間内で効率よく仕事を終わらせることを目指し、さらに完全週休2日制を導入。その結果、離職率が低下し、社員数もかつてないほどの規模に増えてきていると言います。仕事もプライベートも豊かにしていく姿を求めていきたいという企業のトップの考えが結果的に社員の定着率につながってきたようです。(労働新聞 第3454号参照)

増える心の病、若者、女性も

過労死が最初に注目されるようになったのは1980年代後半。日本経済はバブルの絶頂期でした。働けば働くほど上がる給料、終身雇用、年功序列が当たり前だったその頃は中高年の男性が長時間労働で発症する脳・心臓の病気が問題になっていました。しかし今では、体は比較的元気な若者や、女性を含む心の病が圧倒的に目立つようになっています。

精神障害の労災認定、20~30代が半数

死亡に至らないケースも含む通常の労災認定の件数をみると、脳・心臓疾患は減少傾向で、2022年度は194件(うち死亡は54件)でした。年齢別では40代以上が9割で、男女別では全体の9割超が男性です。一方、精神障害の労災認定は右肩上がりで増加。22年度は710件(うち自殺・自殺未遂は67件)に上り、20~30代が半数を占めています。さらに全体の45%は女性です。理由は様々ですが、例えばコロナ禍での出来事として考えてみると、女性は非正規の仕事の不安定さ、失業、またリモートワークによって在宅時間が増え、夫婦関係の悪化(DVも含む)などがあげられています。若者は、大学や学校の授業がリモートのため人間関係の構築が出来ず、そのまま社会に出たことによる、所謂リアリティショックが大きかったことも精神障害や気分の落ち込みにつながった可能性があります。コロナ禍ではインターンシップなどの機会も少なく、入社前に抱いていた期待と現実のギャップを埋める機会もないまま社会に出て、結果孤立を深める若者が精神を病むこともあったようです。

今回のまとめ

過労死防止法成立から10年、肉体的な疾患による過労死は減少してきていますが、精神障害による労災が右肩あがりなのが気になるところです。長時間労働や人手不足、経営難など、余裕のなさが生み出す様々なハラスメントが顕在化してきたのも一因の一つでしょう。企業経営者の皆様は「働く人」を大事にできる環境や、心身共に健康な企業経営を第一に考えましょう。また雇用トラブルの保険や、使用者賠償保険に加入しておくことで万一の際の企業防衛に備えることもできます。気になる方は一度お近くの代理店までご相談ください。

 

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