お知らせ・コラム
コミュニケーション力で熱中症を防ごう
今年も暑さの辛い時期になってきました。体感的には年々30度を超える日が早くなってきているように思います。厚生労働省では毎年熱中症による死傷災害の発生状況をまとめており、令和6年1月時点の速報値によると、昨年は熱中症により1025人の死傷者数(死亡者数28人)と、過去10年で2番目に多い記録となりました。働く人々の熱中症対策としてどのようなことができるでしょうか。
【目次】
1.熱中症は「恐ろしさが実感しづらい災害」
2.真夏に備えて、暑さに身体を慣らそう
3.コミュニケーションを忘れずに
4.今回のまとめ
熱中症は「恐ろしさが実感しづらい災害」
人間の身体には、体温を一定に保つ体温調節機能が備わっています。体温が上がると汗をかいたり、体の表面から空気中に熱を逃がしたりすることで、自然と体温調節が行われます。しかし、外気温が高くなり、熱がこもって体温が上昇すると、体中の水分や塩分のバランスが崩れ、調節機能はうまく働きません。血流や筋肉、神経などに影響が及び、めまいや頭痛、吐き気といった熱中症の症状があらわれます。熱中症は目にみえないことから、その恐ろしさが実感しづらい災害でもあります。業種別熱中症による死傷者数をみると、死傷者数、死亡者数が最も多いのは建設業、次いで製造業、運送業、死亡災害では警備業が三番目に多くなっています。たとえ屋内作業であったとしても、炉や発熱のある施設、風がとおらない施設、高温多湿な施設などは要注意です。
真夏に備えて、暑さに身体を慣らそう
本格的な夏を迎える前に、熱中症に対する準備を行いましょう。身体を暑さに慣れさせることを「暑熱順化」といいます。暑熱順化の有無が熱中症の発生リスクを左右することから、7日以上かけて暑熱環境での身体的負荷を増やし、作業時間を調整して次第に長くすることが望ましいでしょう。
職場での熱中症予防
職場での熱中症予防については、作業計画を策定することが大切です。作業計画には、新規入職者や休み明けの労働者に考慮した暑熱順化プログラム、暑さ指数(WBGT)に配慮した休憩時間や水分補強時間の確保、作業中止に関する基準などを盛り込みます。また、体調不良者が出た場合に、素早く対応できる体制を作っておくことも重要です。事業者、産業医、衛生管理者、安全衛生推進者または衛生推進者が中心になって、労働衛生の管理体制を構築します。とくに労働者が体調不良になった場合、搬送先の病院の把握や、緊急時の連絡体制をあらかじめ確認しておきましょう。熱中症は手当が遅くなれば重篤な症状となり、最悪の場合死にいたります。会社で素早く対応できる体制を整えておくことが労働者の命を守ることになるのです。
コミュニケーションを忘れずに
同僚同士や上司、部下とのコミュニケーションを通して相手や自分の体調変化に気づくことも重要です。とくに管理者は、いち早く作業者の異変を感じ取り、臨機応援に作業内容や配分などをコントロールするのも熱中症を未然に防ぐ有効な手段です。そのために日ごろから従業員同士や上司部下の関係性の中でよいコミュニケーションがとれているかが鍵になります。
伝わったのかお互いが確認し、理解できるコミュニケーションをとろう
安全でよい仕事を成し遂げるには、コミュニケーションがかかせませんが、大切なのは「一方通行にならない」ということです。相手にただ伝えただけでは、コミュニケーションがとれた状態とは言えません。「作業者の話をさえぎらずに聞く」「明るく元気な声で接する。」「相手へのリスペクトを忘れない」など、声掛け一つにもコミュニケーションの重要性を忘れないようにしましょう。
日頃から話しやすい土台を作っておこう
良いコミュニケーションを実践するには、安心して発言や相談のできる雰囲気を作っておく必要があります。自分の意見を否定されたり、頭ごなしに「駄目だ」と言われると話ができなくなるものです。管理者は日頃から従業員たちが発言しやすい土台をつくっておく必要があります。言いやすい職場であれば、作業者の体調変化も早い段階で気づくことができるようになります。朝礼、打合せ、KY活動を行っているとき、休憩中など様々な機会を活かして相手の体調に変化を察知しましょう。
今回のまとめ
毎年のように暑さが更新される今、企業としても屋内外にかかわらず、従業員の熱中症の予防や対策をしなければなりません。また万が一に備え企業側が労災の上乗せ保険に加入しておくことで、熱中症を含む突発的な従業員のケガや病気による入通院費用に備えることができます。こうした予防や対策とともに、何より従業員とのコミュニケーションを日頃からとり、体調をお互い気にかけられる関係性を築いておきたいですね。
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