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過労死等発生企業に改善計画作成求める

過労死等発生企業に改善計画作成求める

厚生労働省は2024年度から、複数の過労死等事案を発生させた企業の本社に対する指導として都道府県労働局長が改善計画の策定を求め、再発防止対策実施を指導する枠組みの運用を開始しました。対象はおおむね3年程度の期間内に、脳、心臓疾患や精神障害で2件以上の労災給付決定が行われた企業です。本社を管轄する労働局長が、再発防止対策や到達目標を盛り込んだ計画の策定、実践を求める指導書を交付します。計画期間は原則1年で、取組開始から6か月ごと1年後に報告を求めます。

【目次】

1.改善計画策定で過労死案件のさらなる減少を狙う

2.繰り返される過労死

3.今回のまとめ

 

計画策定で過労死案件のさらなる減少を狙う

業務上の過重な負担による脳・心臓疾患や精神障害といった「過労死等」を発生させた事業場に対してはこれまで、監督指導や個別指導によって再発防止につとめてきました。一方で、同一企業内の事業場で繰り返し過労死が発生することもあることから、厚労省では、過重労働による健康障害の防止やメンタルヘルス対策に問題がみられる企業については、過労死等を再度発生させないための取り組みを企業全体として定着させることが必要と判断。全社的な再発防止策の取り組みを丁寧に指導する枠組みである「過労死等防止計画指導」の運用を開始しました。対象企業は3年程度の期間に、本社または傘下事業場で過労死等の労災支給決定が2件以上行われた企業です。ただし、精神障害が2件以上発生していない企業については、

①一か月あたり80時間を超える時間外・休日労働がある

②労働基準法の労働時間、休日労働、割増賃金に関する違反で是正勧告を受けた、または労働時間に関する指導か長時間労働の再発防止指導を受けた

以上の2点に該当する場合に対象となります。対象企業については、本社を管轄する労働局長が経営トップを呼び出し、改善計画の策定・提出、計画実施状況の報告を文書で指導します。

改善計画に盛り込む内容

① 長時間労働の是正

② 過重労働による健康障害防止対策、メンタルヘルス対策

③ 目標達成に向けた具体的な取組事項       等々

計画策定にあたっては、労働局の監督課または健康課が必要な助言指導を行います。改善計画の実施状況については、取組開始時から6か月経過後と、1年経過後に報告を求めます。6か月経過時の報告を受けた労働局の担当課は助言を行い、1年経過後に未達成の目標は原則として取組期間を3か月延長します。目標を達成したと報告した企業に対しては、同企業の参加事業場を管轄する労働基準監督署が事業場における定着状況を確認するための立ち入り調査を実施し、その際未実施事項が発覚した場合は取組み期間をさらに3か月実施します。

繰り返される過労死

2024年5月のニュースで、関東某県に本店がある銀行の男性行員(当時25歳)の自殺が、労災と認定されていたことが判明しました。配置転換に伴う未経験業務への重圧に加え、上司のパワハラによる複合的な要因で、精神的に追い込まれた過労状態だったと判断されました。男性は異動後わずか2カ月で命を絶っており、遺族は銀行側に損害賠償を求める方針です。男性は入行4年目の2017年4月、別の関東の支店に異動し、初めて法人向けの営業担当となりました。同年5月31日、顧客と面会する予定がありましたが、自宅で倒れているのが見つかり、死亡が確認されました。男性の自室からは「仕事で悩んでいました。誰にも相談できず、どうにもならなくなった」などと書かれたメモが見つかりました。遺族や代理人弁護士によると、男性は支店への異動後、上司から同僚らがいる前で「数字が上がらない」「稟議書の作成が遅い」と威圧的な叱責を受けていたことが明らかになりました。この上司は休日になると、自身の名字で「○○塾」と称し、自宅に男性ら部下を呼び出すこともありました。男性の死後、遺族が労働基準監督署に労災を申請し、労基署は2023年8月、配置転換で心理的な負担が生じていたと判断しました。法人担当は「花形」とされており、周囲からの期待や業務量の多さに追い込まれていた一方仕事の悩みを相談しにくい職場であり、かつ上司によるパワハラも重なって適応障害を発症し、自殺につながったと結論付けました。

今回のまとめ

ハラスメントや労務トラブルの防止対策の法整備がすすみ、国をあげて働き方改革や各種ハラスメントの撲滅を掲げています。それと共に、企業内で発生したハラスメント等の雇用トラブルで企業側に責任が及ぶケースは今後更に増加すると考えられます。企業にとって従業員が働きやすい職場環境を整えるのはもちろんのことですが、雇用トラブルの保険や、使用者賠償保険に加入しておくことで万一の際の企業防衛に備えることができます。労務トラブルの対応に悩む経営者の方はぜひ一度お近くの代理店までご相談ください。

 

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