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昼食時間に給湯室で手を火傷!休憩中だが労災認定されるの?

昼食時間に給湯室で手を火傷!休憩中だが労災認定されるの?

お昼休憩中や、出張中、通退勤途上などでケガを負ってしまった場合に労災になるのかならないのか判断が難しいと思います。今回は、昼休憩中に会社の施設内で起きた事故が労災認定されるのかどうかについて、事例をもとに労災認定のポイントなどを解説していきたいと思います。また出張中の労災認定の可否についても触れていきたいと思います。

【目次】

1.休憩中の事故について

2.出張中の事故や施設外の事故について

3.今回のまとめ

 

休憩中の事故について

◎災害のあらまし

アパレルメーカーの婦人服制作に携わる社員が、お昼の休憩時間に会社の休憩室で自宅から持参したお弁当をたべるため、給湯室に行ってお茶を入れようとした。給湯器のコックを開けた時に熱湯が出てきて手に火傷を負った。

◎判断

休憩時間中の負傷だが、施設に起因する災害として業務上の災害と判断された。

◎解説

業務上災害の対象とされるには、その災害に業務起因性と業務遂行性が認められることが要件となります。業務遂行性とは労働者が労働契約に基づいて事業主の指揮命令によりその支配下で仕事をすること、業務起因性とは業務に起因して災害が発生することで業務と負傷との間に相当因果関係があることです。休憩時間中は労働者の自由行動を認めなければならないので、その自由時間に行われる行為は私的行為であり、事業主の支配下にあるとはいえ業務は行っていないから一般的には業務に起因した負傷ではありません。しかしながら、それが事業場の施設またはその管理の状況に起因することが証明される場合には業務に起因したものとなります。今回の負傷については、会社施設内の給湯器の温度調節に何らかの欠陥があり思いもしない熱湯がでてきたために発生した火傷であり業務上災害と判断されました。もし仮に火傷の原因が労働者の持参したポットのお湯が手にかかって起きた火傷であれば、施設の欠陥にはならないので業務上災害とは認められません。

◎会社の施設

労働者が使用する休憩室の他、給湯室、洗面所、トイレ、更衣室、食堂、浴室、福利施設、医療施設などがある。休憩時間中に会社施設内での業務上災害として認定された事例として次のようなケースがあります。

寄宿浴場の電気風呂で感電死した。お湯の温度を管理する機械が漏電しており電気のスイッチを入れたところ起きた災害
漁船の乗組員が船内でとった食事が原因で食中毒となった
休憩室でドラム缶に薪をいれて暖を取っていたがあまり燃えないので石油を薪にかけて燃やした結果ボンベに燃え移ってやけど

休憩中であっても、業務起因性が認められるのは本件災害のように事業場の施設や管理状況に瑕疵があるとき、または当該行為が業務の作業に伴う必要行為または合理的行為であるときです。

 

出張中の事故や施設外の事故について

◎会社の施設以外での労災

・出張先での事故

出張先で会社が指定した旅館に宿泊し、風呂で足を滑らせじん帯を損傷するなどのケガを負った場合。出張は自宅を出て出張先に赴き、仕事を終えて自宅に戻るまでの間は業務遂行性が認められています。これは出張中は包括的に事業主が責任を負っているからです。仕事を終えて食事をしてお風呂に入るという行為は出張業務に付随する業務になるのでそのような中で被った負傷には業務遂行性が認められます。ただし、個人で出張場所とは離れた旅館を予約し、友人と食事や宿泊するというように主張中の行為を恣意的行為、積極的な私的行為と判断された場合には業務遂行性が認められません。

・建設業における下請け人さんの出張中の事故

従業員の場合は、会社が指定した旅館等での事故も私的なものを除けば労働災害の対象となりますが、下請け人さんが主張中に旅館でケガをした場合は元請の労災や労災上乗せ保険の使用対象外となります。下請け人に対しては、現場と旅館との行き帰りや現場作業中のみが補償となりますので、下請け人さんの出張中の事故については注意が必要となります。

◎施設外での事故例

・木材運搬用トロッコと衝突して死亡した労働者について安全施設不備による構内通行中での事故

・休憩時間中に水を飲みに行って転落した日雇い労働者の死亡事故

・道路の傍らで休憩中していた道路清掃日雇労働者の交通事故

・昼食中の岩石落下による死亡事故

◎会社の運動会

会社主催の運動会において被った災害は、労働者を出場させることが事業の運営に社会通念上認められ、かつ事業主の命令によりなされた場合に限っては業務災害と判断される。労働者全員の出場を義務付けて、出場しない労働者は欠勤したものとみなされるなど運動会当日は勤務を要した場合には、業務とみなすのが労災の考え方です。

今回のまとめ

労災の請求において、労災と認められるのか否かは業務起因性があるのかの有無で決まります。過去の判例や、支払い事例を基に判断されますので労災の判断は、企業が勝手に行わず社労士など専門家に確認することが重要です。また、基本的に民間の労災の上乗せ保険は、労災に連動している為、労災が不適用のケースでは上乗せ保険も補償対象外となってしまいます。ただ、上乗せ保険でフルタイム補償や24時間補償を付帯することにより業務起因性がない事故でも補償できる範囲が広がります。労災の上乗せ保険について気になる方は是非、お問合せ下さい。

 

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