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熟練作業者になればなるほど必要となる労災の上乗せ保険との関係性とは

熟練作業者になればなるほど必要となる労災の上乗せ保険との関係性とは

建設現場における熟練作業者は心身機能の低下が原因により、とっさに上手く動けず被災するといった労災リスクが大きいと言えます。具体的な災害データをもとに解説していきます。

【目次】

1.墜落・転落災害と転倒災害が多い

2.熟練作業者の安全教育上の課題とは

3.今回のまとめ

 

墜落・転落災害と転倒災害が多い

厚生労働省のホームページ「職場の安全サイト」に掲載される休業4日以上死傷災害データを用いて全産業を対象に、30代と50代の墜落・転落災害、転倒災害を比べてみます。墜落・転落災害、転倒災害と心身機能の関係をみると、バランス感覚が低下すると墜落・転落災害、転倒災害ともに発生しやすくなります。しかし墜落・転落、転倒してもとっさにうまく動ければつまずいて転倒したとしても手をついてケガをせずに済むこともありますが、とっさにうまく動けない場合は被災につながります。また、視力の低下もこれらの災害の起因物となる開口部や段差の気づきの遅れにつながり、筋力や柔軟性の低下もバランスを崩すなどの原因につながります。30代と50代の休業4日以上死傷者数を平成27、28年の2年合計で比べると、転倒災害は50代が2.93倍とかなり多くなっています。一方で墜落・転落災害は全体では50代が1.73倍と多く、これを起因物別にみると「トラック」が2.11倍、「はしご等」が1.88倍、「建築物・構築物」が1.76倍で全体を上回ります。このうち「トラック」「はしご等」は、トラック荷台、はしご、脚立などからの墜落・転落であり、「建築物・構築物」はトラック荷受けバース、荷物返却台、コンテナ用プラットホームなど荷さばき場所からの墜落・転落が数多く見受けられます。これらの多くは墜落防護措置がない高さ2Mに満たない場所ですが、そこでは作業者には墜落しないための正しい作業方法が求められます。しかし実際には正しい作業方法が守られず積み荷で埋まったトラック荷台上では足の置き場がなくあおりの上に乗ったり、荷台から飛び降りたりしてしまいます。はしごは固定せず壁に立てかけただけで上に昇って作業したり、脚立は、踏みざん上では届かないときに天板に乗って作業したりしてしまいます。このような不安全行動は、年齢に関係なく同じように行われているはずです。ただ50代は30代に比べてよりバランスを崩しやすく、とっさにうまく動けず、墜落して被災しやすくなります。荷さばき場所からの墜落・転落も同様の理由で50代の被災が多くなると考えられます。一方高所作業であれば墜落防護措置がない場所では墜落制止用器具を使用しなければなりませんが、それを使用しない不安全行動により墜落することが多くなっています。老朽化した屋根の踏み抜きなどは突然墜落しますが、それはバランス感覚やとっさの動きはほとんど関係しないため、トラック荷台、はしご、脚立ほど50代の被災が目立たないといえます。実際に屋根からの墜落・転落災害の2年の合計は30代の方が多くなっています。転落災害をみると50代の多さは、トラック荷台などからの墜落同様、バランス感覚の低下、とっさにうまく動けない、筋力の低下など、心身機能の低下が主たる原因といえるでしょう。

熟練作業者の安全教育上の課題とは

熟練作業者には安全教育上の課題もあります。教育効果が高くないという課題です。高年齢者の多くは、長年にわたり現場で実践してきたことについて新たな教育によってよりよい方法があると示されてもそれを受け入れることが容易でないことが考えられます。

【機能低下を補うハード対策を】

熟練作業者は今後も現場の安全確保の要であり続けることは言うまでもありません。ただ豊富な経験が危険軽視につながり、現場が思ったように進まない場合など、上に立つ者の責任感の強さも相まって急いで解決しようと不安全行動を伴う解決策が選ばれてしまうおそれがあります。しかし加齢に伴う心身機能の低下は、とっさにうまく動けないなど被災しやすく、若いころよりもより慎重な行動が求められます。ただ安全教育により行動変容を求めても長きにわたり現場で培った経験が教育効果を少なくしてしまいます。今後は熟練作業者の一層の活躍を促すために教育効果の高い安全教育を実践することが重要です。それには厚生労働省「エイジフレンドリーガイドライン(高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン)令和2年3月」に示された高年齢者向けの安全教育が参考になります。

■エイジフレンドリーガイドラインに示された高年齢労働者向け安全教育のポイント(一部抜粋)

・十分な時間をかけ、写真や図、映像等を活用する。

・心身機能の低下が労働災害につながることを自覚させる。

・自らの心身機能の低下を客観的に認識させる。

・わずかな段差等、周りの環境に常に注意を払わせるようにする。

※以上、安全スタッフ記事参照

今回のまとめ

今回は熟練作業者による労災が起きやすいという点とそれに対する安全教育について取り上げました。この問題を解決するために損害保険の備えも役に立ちます。年齢や性別関係なく、従業員様から建設における下請さまを包括的にお守りすることのできる労災の上乗せ保険は、建設作業を行う企業にとってありがたいものとなるはずです。企業防衛の観点から是非もれのない補償を選んでみてください。

 

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